09.01


2025

広い心で

井上 遥奈(9期生)

広い心で

井上 遥奈(9期生)

こんにちは。キャンパスアジアプログラム9期生の井上遥奈です。初めての韓国留学を終え、現在は次の中国留学に向けて準備中です。今回は韓国での留学生活を振り返って、感じたことを皆さんにお話しできればと思います。
blog250901-1私にとって今回の留学は人生初の海外「生活」でした。韓国には以前から何度か旅行で訪れていたのですが、観光客目線の韓国と留学生目線の韓国はまったく違うものでした。最初の1週間ほどは開講前で授業がないので外に出るしかすることがなく、観光地やご飯の美味しいお店に訪れる毎日でした。その間はまだ留学に来ている実感がなく、単純に「楽しい」という気持ちしかなかったように思います。しかし授業が始まり、新しく出会った中韓のCAP生との生活が始まってから、私はさまざまな文化的差異に直面し、それらをなかなか受け入れられずに苦労しました。その中でも私が特に適応するまで時間のかかった出来事を2つ紹介します。

1つ目は、みんな人間関係に対してドライであったということです。私は人の感情に敏感で、相手の気持ちをすぐに読み取ってしまいます。そのため共感力が高く人の相談を聞くときは長所として働きますが、海外生活においては短所でしかありませんでした。私が出会った韓国、中国の学生は、自分の気持ちを伝えることを大切にしており、良いことも嫌なことも面と向かって正直に話します。そして1度話し合って問題を解決したあとは、後腐れすることなくきれいさっぱり忘れて、今までどおり仲良く過ごすのです。我慢も美徳と思って育ってきた私は、相手にマイナスな感情を向けることにも向けられることにも慣れておらず、思ったことをすべて口に出すその文化に戸惑いを感じました。ただ、今までの自分の我慢する行動を振り返ったときに、毎回我慢によるストレスが溜まってひとり苦しんでいるだけだと気づきました。その気づきを得てから、彼らのようなドライで気楽な対人関係を築くよう心がけるようになり、精神的に健康的になれた気がします。

2つ目は、「ごめん」という言葉の重みの違いです。私にとって「ごめん」という言葉は、自分が相手に何か迷惑をかけたときや、相手の不満を受け止める際に使う謝罪の言葉でした。一方、韓国では軽々しくごめんと口にすることはあまり良くない印象を与えます。それを知らなかった私は、「なんでそんなにごめんばっかり言うの?」と質問され「え、ごめん」と返し、相手に呆れられました。逆に、CAP10期の韓国人の友人は、夜中に部屋でうるさくしていることを先輩に注意されたとき、「わかりました。」としか返事をせず、「そこはさすがに謝ったほうが良くない?」と私がモヤモヤすることもありました。その結果双方に誤解が生まれ、それを解決するのに時間がかかりました。正直いまだに韓国での謝罪の基準はよく分からないのですが、なんでもかんでも真っ先にごめんと言うのは必ずしも良いことではないということを学びました。ちなみにこれは余談なのですが、留学中にこの内容でエッセイを書いて、CAP内の大会に応募しました。その内容が予想以上に教授たちに受けたようで、優秀賞をいただきました(笑)。賞金も少しいただけたので、これから韓国に留学に行く皆さんもよかったら参加してみてください。

このように、似た文化を持つ近所の国でもすれ違いは頻繁に起こります。なかなか理解に苦しむことも多く、多大なストレスを受けましたが、それをついに受け入れることができた今、視野と心の器が広くなり、楽しい毎日を送ることができています。次の中国留学でもこのような誤解による葛藤が起こると予想されますが、広い心でその違いを受け入れ、ストレスフリーな楽しい留学生活を送れるよう努力していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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