キャンパスアジア8期生の日塔真桜です。二周目の韓国留学を終え、現在は最後の留学となる中国学期に向けて準備を進めています。
これまで日中韓それぞれで学ぶ機会をいただき、特に韓国ではキャンパスアジアの授業以外にも多くの講義を履修し、現地の学生と一緒に学ぶ経験を積みました。また、留学生だけでなく、日中韓以外の国から来た友人とも交流する機会があり、多様な文化や価値観に触れることができました。さらに、サークル活動にも参加し、授業以外の場でも韓国の学生たちと関わることで、学内外で幅広い経験をすることができました。
今回は、その中でも釜山の사상구가족센터(ササング家族センター)でのインターン経験についてお話ししたいと思います。
사상구가족센터とは、釜山市の西部に位置する沙上区にある地域密着型の施設で、子どもや家庭に向けた教育・文化プログラムを運営しています。多文化家庭を含め、地域に暮らす人々が安心して学び、交流できる場を提供しており、子ども向けの学習支援から保護者向けの相談活動まで幅広い取り組みを行っています。
この機会は東西大学の紹介で得たものですが、私は「学校や海外との直接的なつながりのない場所でインターンをしてみたい」と考えていました。以前から海外でのインターン経験を望んでおり、特に韓国で挑戦したいという気持ちが強かったためです。自分にとって未知の環境に身を置き、地域の人々と関わりながら学ぶことで、新しい発見と成長を得られるのではないかと感じました。
授業初日の驚きと緊張
インターンを始める前に、担当の方とメールでやり取りをしており、「日本語授業をお願いしたい」と言われていました。そのため、教材も事前に準備していました。しかし、正直なところ、どのように準備を進めればよいのか見当がつかず、一人では不安でした。そこで教授に相談し、キャンパスアジアプログラムの一環として立命館小学校で行われている韓国語・中国語の交流授業で使用されているプリントや活動の例を参考にしました。その内容をヒントにしながら、自分なりに日本語学習用の教材を作ってみました。
それでも、実際に初日からすぐ授業を任されることになり、想像していたよりもずっと難しく、どう進めればよいのか戸惑いました。準備した内容をそのまま実践するだけではうまくいかず、子どもたちの反応を見ながら臨機応変に対応しなければならないことを痛感しました。緊張で余裕はありませんでしたが、「まずはやってみるしかない」という気持ちで授業に臨みました。
最初は小学2年生の子どもたちだけでしたが、途中から小学5年生も参加するようになりました。低学年と高学年が同じ教室にいると、理解度や集中力が大きく違うため、授業のレベルをどう調整するかで毎回悩みました。
そのため、低学年にも高学年にも対応できる教材やプリントを毎回用意しなければならず、準備には本当に多くの時間がかかりました。たとえば、同じプリントでも、低学年には書き取りを中心に、高学年にはその文字を使った文章づくりを組み合わせるなど、1枚の中でレベルを分ける工夫をしました。
また、当たり前ではありますが、授業はすべて韓国語で進行しました。小学生相手だと、私が普段使うような難しい単語が通じないこともあり、できるだけ簡単でわかりやすい表現を選びながら説明するように心がけました。そして、学年や理解度の差にかかわらず、誰も置いてけぼりにならない授業にすることを意識していました。
子どもたちは集中が長く続かないため、ただ真面目に授業を進めるだけではすぐに飽きてしまうということにも気づきました。そこで、授業内容を15分ごとに切り替え、途中にゲームを取り入れるようにしました。例えば、ある授業では最初に日本語の単語を覚えて、その単語を使った例文を練習しました。その後、「せっかく覚えたからゲームで試してみよう」とカルタのように絵札を使い、私が読み上げた単語を子どもたちに取ってもらうゲームをしました。そうすると、子どもたちは一気に集中し、楽しみながら覚えてくれました。子どもたちは次の授業でもその単語をしっかり覚えていて、記憶力の高さに驚きました。少し羨ましいとさえ思うほどでした。
インターンでは授業だけでなく、翻訳業務や事務作業も担当しました。地域イベントの案内資料を翻訳して外国人向けの説明文を整理したり、来客の名簿を揃えたり、子どもたちの名簿を作成したりしました。表に出る派手な仕事ではありませんでしたが、こうした作業がセンターの活動を支える大切な役割であることを実感しました。
また、センターの方に連れられて外回りに行く機会もありました。釜山図書館などの施設を訪問し、地域の教育や文化活動について学ぶことができました。日常業務とは違う体験を通じて、地域社会におけるセンターの役割の広さを知ることができました。
インターンを通して大変なことも多くありましたが、それ以上に学びや達成感がありました。授業づくりに悩みながらも、子どもたちの笑顔や「また来たい」という声に支えられ、自分の努力が形になっていくのを実感できました。最初は不安と緊張でいっぱいでしたが、授業を重ねるごとに子どもたちと距離が近づいていくのを感じられ、短い期間ながらも多くの思い出ができました。
特に印象に残っているのは、授業が終わったあとにセンターの方が用意してくださったチキンを子どもたちと一緒に食べながら、学校のことや好きな遊びについておしゃべりした時間です。授業中とは違ってリラックスした雰囲気の中で、子どもたちが無邪気に話す姿や、普段よりもさらに生き生きとした表情を見ることができました。こうした何気ないやり取りの一つひとつが、自分にとって大切な思い出となりました。
短い期間ではありましたが、この経験は私にとって忘れられないものとなりました。授業や業務を通して得た学びに加え、子どもたちやセンターの方々との温かい交流が心に深く残っています。今回のインターンを受け入れてくださった施設の方々、そして貴重な機会をつないでくださった大学の担当の先生方、相談に乗ってくださった教授に心から感謝しています。
여기에서 인턴을 할 수 있어서 정말 감사했습니다. 함께해 주신 선생님들과 아이들, 그리고 이 기회를 마련해 주신 학교 관계자분들께 진심으로 감사드립니다.