立命館大学 エクステンションセンター

法曹・司法試験について

法曹について

法曹とは、裁判官、検察官、弁護士のことを指します。社会のなかでは様々な紛争が生じますが、紛争が起こるのを予防したり、生じた紛争を解決するためのルールが法です。法曹は、紛争に関する諸事情を調査し、証拠を吟味検討することを通じて、事実を明らかにしたうえで、その事案にとって公正かつ妥当な解決を与えるために必要な法律解釈を行ったり、法の適用をしたりすることを仕事とします。フェアで健全な社会を形作るための要となる仕事をするのが法曹の役割と言えます。

法曹になるためには、司法試験およびその後の司法修習卒業試験に合格しなければなりません。司法試験の合格率は40%以上で、司法制度改革により法曹養成制度が大きく変更する前の合格率が3%程度であった司法試験とは異なって合格率が高くなっています。これは法曹養成につき司法試験という「点」のみによる選抜ではなく、プロセスとして養成していくことを目的として導入された法科大学院制度が大きく影響しています。

法曹になるまでの流れ

1法学部での学び

法科大学院進学や司法試験予備試験※合格をめざして学習

2法科大学院入学<履修2年コース/未修3年コース>

早期卒業・飛び級入学は3回生時に法科大学院入試を受験可能

3司法試験受験・合格

2023年度から条件を満たせば法科大学院在学中の受験可

4司法修習・合格<約1年間>

法曹

法科大学院での学びとは?

法科大学院は「法曹(裁判官、検察官、弁護士)養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクール」です。多様な問題に対応できる質の高い法律家を養成するために2004年4月に創設されました。法学未修者を対象とした3年コースと、法学既修者を対象とした2年コースを用意しています。未修・既修それぞれに対して法曹となるための基本的な力量を身につけるため段階的な学習を行います。

司法試験とは

司法試験は法科大学院過程の修了の日または司法試験予備試験の合格発表日の後の最初の4月1日から5年の期間内に5回の範囲内で受験することができます。
※2023年度より、資格を満たした場合、法科大学院在学中受験が可能になり、試験時期も変更されます。

司法試験の受験資格を得るには複数の道筋があります。主たる道筋は法科大学院への入学とその修了を経て司法試験受験資格を得る方法です。プロセスを重視するという観点から、2019年度入学生(法学部)からを対象に文部科学省は、学部と法科大学院との学習を一貫的に進める「法曹コース」(「法曹基礎課程」)を導入しました。立命館大学法学部はいち早く一貫型教育を実現するために、司法特修に「法曹進路プログラム」という履修モデルを整備しました。「法曹進路プログラム」に沿った履修をし、早期卒業制度と組み合わせることで学部3年+法科大学院2年で司法試験受験資格を得ることもできます。

司法試験は論文式試験(4科目)と短答式試験(3科目)で構成され、全4日間の日程で実施されます。

試験日程

1日目 論文式試験 選択科目(3時間)、公法系科目第1問(2時間)、公法系科目第2問(2時間)
2日目 民事系科目第1問(2時間)、民事系科目第2問(2時間)、民事系科目第3問(2時間)
3日目 刑事系科目第1問(2時間)、刑事系科目第2問(2時間)
4日目 短答式試験 民法(1時間15分)、憲法(50分)、刑法(50分)

試験科目

論文式試験(4科目) 公法系科目(憲法および行政法に関する分野の科目)
民事系科目(民法、商法および民事訴訟法に関する分野の科目)
刑事系科目(刑法および刑事訴訟法に関する分野の科目)
選択科目(倒産法/租税法/経済法/知的財産法/労働法/環境法/国際関係法(公法系)/国際関係法(私法系)から1科目選択)
短答式試験(3科目) 憲法、民法、刑法

裁判官、検察官、弁護士になるための就職活動

法曹として社会に貢献していくためには、司法試験合格だけではなく、就職活動を行う必要があります。例えば、弁護士として働くためには、法律事務所や企業などに就職活動を行います。裁判官や検察官は公務員ですので、司法修習中に願書を出し、就職活動を行います。学部時代からどのような法曹になりたいか、どのように活躍したいのか展望することが重要です。