立命館 特集

ものづくり特集

Jan 10, 2019

Made in RITSUMEIKAN

陶芸部

PROFILEプロフィール

立命館大学陶芸部は陶芸という活動において“自由な芸術創作活動を行う表現団体”であり、自身の技術・表現力の向上に努めることを理念として発足した。2019年1月現在、23人の部員で活動しており、作陶だけでなく学内外での展示会、病院での作業療法ボランティアなど、さまざまな地域との交流活動を行なっている。

ACTIVITIES活動内容

活動は衣笠キャンパスのアトリエ棟BOX222で行う。ろくろなどの作陶に必要な道具類は部室内に用意されており、部室横に設置されている電気釜を使って作品を焼く。年間の主な活動は、6月に「前期展」、8月に信楽焼の窯炊きに挑戦する夏合宿、11月に「後期展」と学園祭の陶器市、2月には学外での展覧会などの地域交流などがある。陶器市で販売する作品については、約半年前から作陶を始め、公序良俗に違反しないことと失敗した土を放置して固まらせないことに注意し、約150点もの作品を部員全員で制作する。大きなイベントである信楽の夏合宿は、部員の表現の幅を広げるために毎年行っており、普段使っている電気釜では作ることができない大きな作品に挑戦できる。温度が1300度にもなる釜の火の番を部員が交代しながら1週間行うため、部の結束力が高まることにもつながっている。

MEMBERS学生紹介

坂井 夕莉さん

[ 文学部2回生 ]

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松永 昌さん

[ 文学部2回生 ]

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坂井 夕莉さん

[ 文学部2回生 ]

以前から習っていた茶道の影響で器に触れることが多かった坂井さん。器について興味を持ち始め、陶芸に挑戦してみたいと思い、陶芸部に入部することを決めた。活動を楽しく続けられているのは、時間の融通がきき、自分のペースで作陶できるからだという。それもそのはず、陶芸部の活動日時はほとんど決まっておらず、空きコマや休日などおのおの好きな時間に作陶ができるのが魅力の一つ。ハードな内容の夏の窯炊き合宿についても坂井さんは、長い時間暑さとの戦いが続くが、焼きあがった時の喜びはひとしおだと話す。部に対しては、みんなが積極的に作品を作り、おのおののスタイルを磨いてほしいと考えており、個人的な目標としては、陶芸を始めるきっかけとなった茶道で使用できる綺麗なお茶碗や水指などの作品を作りたいと考えている。作陶の他にも、展示会のチラシなどの作成を手掛け、「陶芸部のためなら、誰かがやらないといけないことは自分がやろうと考えています」と語る彼女からは、陶芸部に対する熱い思いが伝わってきた。

松永 昌さん

[ 文学部2回生 ]

文化美術専攻の松永さんは、芸術に携わることができる陶芸に興味をもち、陶芸部の体験作陶に参加した。静かな環境の中で無心になって打ち込めるところに魅力を感じたのが入部の決め手だった。自分自身が納得できる作品を作れ、さらにそれを誰かにプレゼントし、使用されているところを見たときにやりがいを感じるそう。信楽の夏合宿では1週間泊り込みで釜の火を炊き、細い薪や太い薪を使い分けて温度調節を行い続ける。夜中でもシフト制で火の番をし、火傷をしないよう神経を使うため過酷な内容とはなるが、「良い作品ができたらいいな」という気持ちがあれば乗り越えられると松永さんは話す。作陶の他に、外部の展示会や、作陶家との交流、金閣小学校での陶芸教室にも積極的に参加し、他大学との横のつながりをつくる意識も強い。「陶芸部は、自由にやりたいことができ、自主性の高い部だと思います。これからも創部当時の先輩たちのこうした想いを引き継げるような部にしたいです」と今後の活動への思いを語った。

PROCESS製作工程

  • 菊練りという手法で粘土を練り込む。

  • 土を作りたい作品の形にし、1~2日間乾燥させる。

  • 作品の余分な箇所を削り、高台部分を作る。

  • 素焼きをする。(800度で約9時間)

  • 釉薬(粘土や灰などを水に混濁させた液体)で色つけを行なう。

  • 約1250度で約12時間焼き上げ、完成。

TOOLS道具紹介

  • 電気窯

    素焼きと本焼きの際に使用。中に作品を入れて一定の温度を超えるまで焼成する。

  • 電動ろくろ

    ペダルを踏むと自動で丸状の板が回ります。この板に土を載せて作品を成形する。

  • 削り版

    電動ろくろの上に削り専用の板を載せたもの。ろくろで成形した作品を1日乾かし、この道具で作品を固定して削る。

  • 釉がけハサミ

    釉薬掛けの際に使用するハサミ。

  • ヘラ・コテ

    ろくろで成形する際、表面を滑らかにしたり形を整える際に使用する。

  • 手回しろくろ

    小さな作品を手びねりなどで作る際に使用する手動のろくろ。

  • トンカチ

    削りで出た残りの土を再生させるために細かく砕く際に使用する。

  • いっちん・霧吹き

    釉薬で作品に模様をつける際に使用する。

  • カンナ・飛びカンナ

    ろくろで成形した作品を1日乾かしたあと、形を整える際に使用する。模様も削り出せる道具。