#Graduates
M Saiham Hossain
2025年卒業
東京大学大学院新領域創成科学研究科(修士課程)
graduate schools enrollment
2026/09/30
立命館大学とオーストラリア国立大学(ANU)のデュアル・ディグリー・プログラムを卒業後、大学院新領域創成科学研究科(修士課程)に、国費外国人留学生として進学しました。GLAに入学した当初は、特定の分野に絞って専門性を深めるのではなくリベラルアーツを学ぶことで、将来の選択肢が狭まるのではないかと不安に思っていました。現在、工学、経済学、環境科学などを専門とする学生たちと共に学ぶなかで、リベラルアーツ教育が、いかに大きな力を持つ戦略的な学びであるかを実感しています。
現在は、気候変動と農業、特に持続可能な農業の取り組みによって気候変動の影響をどのように軽減できるかを研究しています。GLAで学んだことで、物事を批判的に考え、さまざまな視点から課題を見る力が身につきました。一つの分野だけに注目するのではなく、科学を政策や社会といった現実の課題と結びつけて考えることができるため、より幅広く、意義のある形で研究に貢献することができています。
自分の意見を発言し、問いを立て、分野を越えて考えをまとめる力は、自分がGLAで得た最も大きな力の一つです。その力は、現在の大学院での研究にも生きています。From GLA to MEXT Scholar at the University of Tokyo
■二つの学部で学び、二つの学位を手に、世界へ
立命館大学とオーストラリア国立大学(ANU)の二つの大学での学びは、一生に一度の貴重な経験でした。
デュアル・ディグリー・プログラムにおける両大学の連携は非常に高い水準にあります。
大学ごとに、学問の文化、教授法、学生に求めること、教室での学びのスタイルが異なります。二つの国で、教員が学生とどのように関わり、大学の教育制度がどのように機能しているのかを実際に見ることで、ほかではなかなか得られない貴重な気づきを得ることができました。
2023年(立命館大学3回生時)に初めてオーストラリアへ移ったとき、私は慣れ親しんだ環境から一歩外へ踏み出しました。日本での生活には慣れていましたが、ANUでは学業も人間関係もゼロから築き直さなければなりませんでしたが、その挑戦が私を大きく成長させました。成績では「Distinction(優)」や「High Distinction(良)」を取得し、学部生向けの「Three Minute Thesis(3分間での研究発表)」コンペティションのファイナリストに選ばれ、ANU+アワードを受賞しました。また、「Set4ANU(新入生支援プログラム)」のメンターを務め、キャンベラだけでなくオーストラリア各地で行われる主要な研究発表コンペティションにも参加することができました。
自分にとって何より大切なのは、「世界のどこにいてもゼロから始められる」という自信を得たことです。デュアル・ディグリー・プログラムを通して、どのような環境でも適応し、挑戦し、成長できるという確信を持てるようになりました。
デュアル・ディグリー・プログラム在籍中、ANUの学術イベントで発表
ANU留学中の忘れられない出来事は、自分の経験や成果について話すため、キャンベラのABCラジオに招かれたことです。ラジオで話すのは初めてでした。ABCはオーストラリアで最も信頼され、広く聴かれている放送局の一つであり、この経験は私にとって特別なものになりました。
インタビューでは、留学生として歩んできた道のり、新しい教育制度に適応する難しさ、そしてその過程で学んだことについて話しました。また、慣れ親しんだ環境から一歩踏み出したことで、学問の面でも人間としても成長できたことを伝えました。何よりも、ほかの学生たちに、より高い目標を持ち、困難に負けず、あらゆる機会を最大限に生かしてほしいという思いがありました。
私にとって、あの瞬間は単に評価されたというだけではなく、自分の存在や背景を伝える機会でもありました。バングラデシュ出身の学生として全国放送で話し、自分の経験を共有できたこと、そして強い意志と勇気があれば世界のどこでも成長し、活躍できると示せたことを誇りに思いました。
ABCキャンベラ局にて、初めて全国ラジオに出演
リベラルアーツには、ときに「二つの顔」があるように感じられるかもしれません。自分は十分に専門性を深められているのだろうか、と疑問に思うこともあるでしょう。しかし、それを弱みと捉えるのではなく、自分の最大の強みだと考えてください。
一つの専門分野を学ぶと、特定の問題を解決する方法が身につきます。リベラルアーツを学ぶと、物事をより広い視野で捉える力が身につきます。ある解決策が、地域社会、環境、経済、公共政策にどのような影響を与えるのかを考えられるようになります。
GLAは学びの幅を狭めるのではなく、広げてくれます。そして、その道のりを通して、GLAの教職員がいつも支えてくれます。私は一人だと感じたことはありません。いつも皆さんが味方でいてくれました。
デュアル・ディグリー・プログラムの原点である立命館大学にて