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テキサス大学 石澤 里枝 先生によるサロン・ド・アプレミディが開催されました。

2022928日の16:20から、テキサス大学 石澤 里枝 先生によるサロン・ド・アプレミディが開催されました。タイトルは骨格筋の求心性神経におけるメカノチャネルPiezo1の役割」です。

 

運動時における循環調節には、骨格筋からの反射経路である運動昇圧反射が重要な役割を担っています。この反射は、骨格筋に局在する求心性神経が代謝的(筋代謝受容器反射)および機械的(筋機械受容器反射)な変化を循環中枢へ伝達し、交感神経を賦活するシステムです。先生らの研究グループは骨格筋の求心性神経に局在する温度感受性Transient Receptor Potential Vanilloid 1TRPV1)チャネルが筋代謝受容器反射のメディエーターとして機能することを報告されていますが、筋機械受容器反射に関与する機械感受性チャネルについては未だ不明な点が多いのが現状です。

また、昨年、上記のTRPV1と同じくノーベル賞受賞の対象となったPiezoチャネルにも注目が集まっており、先生らの研究グループでも、骨格筋の求心性神経におけるPiezoチャネルの局在ならびにその機能ついて検討しておられます。

 

本セミナーではラット神経-骨格筋標本を用いたシングルユニット神経活動記録から得られた知見を紹介しながら、運動時における循環調節因子としてのPiezoチャネルの新しい可能性についてご発表いただきました。

特に、2型糖尿病などの疾患における運動時の循環調節機構の減弱化と上記のTRPVPiezoチャネルとの関係性について、大変興味深い知見をご紹介いただきました。

教員や大学院生のみならず、学部生からも参加者がありましたが、多くの未発表データを含む、最新の知見をご紹介いただき、参加者は大変刺激を受け、有意義な会となりました。

 

石澤先生、大変貴重なご講演をありがとうございました。


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