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2025年6月4日(水)第3回「サロン・ド・アプレミディ」にてノッティンガム大学教授そして立命館RARAフェローを務めるPhilip J. Atherton先生をお迎えし、「GLP-1 and muscle metabolism」と題した講演会を開催いたしました。

2025年6月4日(水)、立命館大学びわこ・くさつキャンパス、インテグレーションコア1Fアカデミックラウンジにて、ノッティンガム大学教授そして立命館RARAフェローを務めるPhilip J. Atherton先生をお迎えし、「GLP-1 and muscle metabolism」と題した講演会を開催いたしました。
Atherton先生は骨格筋生理学分野を専門に、安定同位体を用いてヒトにおける骨格筋タンパク質代謝とそのメカニズムについて深く研究しておられます。特に近年では、加齢や不活動に伴う骨格筋タンパク質合成応答の低下(同化抵抗性)のメカニズムとその改善策を研究し、著名な功績を残しておられます。
 本講演でも同化抵抗性の改善におけるユニークな介入策の1つとして、GLP-1と呼ばれるホルモンに着目した成果をご紹介いただきました。また、未発表データとしてGLP-1受容体作動薬(GLP-1の作用を模した薬)の骨格筋への影響についてもご共有いただきました。
 GLP-1受容体作動薬は肥満症や糖尿病の治療薬として、近年世界中で注目されています。特に体重減少においてとても強い効果があり、参加者は強い関心を示しておりました。また、本講演終盤では日本において、GLP-1受容体作動薬がやせ薬として若年の女性を中心に流行していることに関して、警鐘を鳴らす意味でAtherton先生らの実験結果から得られた副作用的な側面についても詳しく教えていただきました。
 今回の講演は運動生理学分野における新たな視点を提供いただき、我々が今後社会的にインパクトのある研究を行うための1つの大きな転機となる機会になったと感じております。
 ご多忙の中、遠方よりお越しいただいたPhilip J. Atherton先生に心より感謝申し上げます。

(ニュース)20250612 サロンドアプレミディ