C@reer Story 卒業生のキャリアストーリー一覧
今井 彩乃さん
株式会社アシックス スポーツ工学研究所
人間特性研究部 人間特性研究チーム
2022年度修了
スポーツの力を通して、 世界を笑顔にしたい

IMAI
Ayano
- 学部生
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- スポーツ健康科学研究科を志望した理由を教えてください。
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私は学部時代、自身の研究を学会大会で発表しました。このチャレンジを通して、研究を通して得た知見を多くの人々に発信することの楽しさを知りました。このような新しいことに挑戦しやすい環境が整っていること、また、世界最先端の研究を行っている先生方の下で実践的な学びができる機会、さらに、低酸素実験室やMRIなどの最新鋭の施設や設備が充実していることに魅力を感じて志望しました。
- 研究科在学中
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- 在学中に力を入れた研究は何ですか?
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大学院では低酸素トレーニングに関する研究に注力してきました。室内の酸素濃度を減じた低酸素環境で行う運動は、パフォーマンスの向上や健康増進に有効です。その一方で、低酸素室のような特別な施設が必要であることや、実施場所が限定されることなどが弱点としてあげられ、このことがスポーツ現場における幅広い普及の障壁となってきました。これに対して私は、従来の低酸素トレーニングに代わる方法として、「息止めを用いたトレーニング」に着目しました。断続的に呼吸を止めながら運動を行うことで、自発的に血液中での低酸素状態を引き起こします。したがって、低酸素の吸入を必要としないにも関わらず、低酸素トレーニングと同様の効果を得られる可能性が期待されています。
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- 現在の職業を志望した理由を教えてください。
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私は研究者として科学的視点から、「スポーツの力で世界中の人々の幸せに貢献したい」という目標があります。私自身、15年間、競泳競技を続けており、自身の競技体験からスポーツにおける科学的な視野の重要性に興味を抱きました。現代のスポーツの価値向上に「科学(サイエンス)」の貢献は欠かせません。前述の目標に向かって日々打ち込むことができるフィールドをもつスポーツメーカーで働きたいと思い、志望しました。
- 研究科卒業後
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- 現在のご職業の中で、研究科での学びが生きている点についてお聞かせください。
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仕事では、自分の考えを伝える機会や研究の進捗を共有する機会が多く、様々な人にプレゼンをする中で、対象者に合わせたプレゼンや、多様な価値観を受け入れる受容力が求められます。そこで、大学の授業でのプレゼンや学会発表で身につけた、自分で得た知見を論理立てて相手に伝えるスキル、相手の意見を吸収する柔軟性が活かされています。
また、現在、研究所では複数の研究テーマを持ち、自ら主体的に仕事を遂行する力が求められます。大学院で研究活動を通して自ら研究を計画し進めていく中で身につけた主体性が重要となっています。
さらに、研究開発をする上で、幅広い知識や視点、想像力が求められます。学生生活で経験した上記のような経験によって視野が大きく広がりました。このような、多角的な視野、様々な領域の人との関わりが活かされていると感じています。
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- 受験生(学部生、社会人など)へメッセージをお願いします。
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大切なことは、自分でやると決めたことは、全力で取り組むことです。全力で取り組み、それを最後までやり遂げることで、その経験が今後の人生の自信につながると思います。私自身、研究を通して、答えが分からない問いに取り組む奥深さや、やりがいに気づきました。研究をやっていると、思い通りの結果にならなかったり、失敗したりと、うまくいかないことがたくさんあります。でも、あきらめずに全力で取り組み、最後までやり遂げることで、目標に向かって学び、実験し、悩み、改善しながら前に進む楽しさを実感しました。
自分のやる気次第で多彩な道が開けると思います。いろんなことに挑戦し、全力で取り組んでください。きっと素晴らしい大学院生活になると思います。