MIND

09.17

2019



大学院でのアクティブな学びとは。

RENTERIA ROCHIN Francisco さん
在校生
RENTERIA ROCHIN Francisco さん
(レンテリア ロチン フランシスコ)
研究室
アドバンスドインテリジェントシステム研究室
回生
M2(博士課程前期課程2回生)

ドローン+AIテクノロジーを研究する

私は、ドローンを用いて自律的に物体を発見、回収、運搬する方法について研究をしています。この研究には、UAVのためのナビゲーション制御システム、物体を見つけるためのAIテクノロジーを使った画像処理システムの開発、回収運搬システムの開発という3つの要素が含まれています。そのため新しいプログラミング言語、基本的な機械学、3D物体モデリングなどたくさんのツールやテクノロジーや自身でドローンを組み立てる方法を学ばなければなりませんでした。この研究の魅力は、単体で完結するものではなく、将来的に他のプロジェクトをサポートするツールとなる可能性があるところです。例えばセンサネットワーク研究に導入されれば、山奥等辺鄙な場所にセンサノード(センサと無線機能を搭載したデバイス)を配置する際の移動コストや時間を削減できます。また、センサノードを回復させたり回収したりしてプロジェクトの円滑化にも貢献できます。実用化に向けては課題が多いですが、まずはプロトタイプの完成を目指しています。

RENTERIA ROCHIN Franciscoさん

ダイナミックな研究体制

メキシコの大学では電子工学を学んでいました。在学中に1年間日本に留学して日本文化に触れたことをきっかけに、日本で最先端のテクノロジーを組み合わせた研究がしたいと思うようになりました。そして数年前にJICAの短期留学プログラムで立命館大学に留学し、アドバンスドインテリジェントシステム研究室(AIS研究室)で学びました。

まず、研究室の中でさまざまな研究テーマが同時進行していることに驚きました。AIS研究室では、AIについてコアな研究をしている人、ユビキタスのプロジェクトやドローン関連のプロジェクトをしている人など、研究分野は多岐にわたります。研究室というと指導教官のもとで1つのメインテーマを扱うイメージがあったのですが、ここでは学生の自主性が尊重され、各自が関心を持つテーマを追究するスタイルが貫かれています。とはいえみんながバラバラに活動しているわけではなく、一見異なる実験や試作であっても、仲間同士で積極的に助け合う雰囲気で、そこから新たなアイデア創出につながることが多くありました。立命館でのエキサイティングな半年間を経て、自分がやりたい研究を続けるならここしかないと強く考え、情報理工学研究科を受験して奨学金を得て進学しました。

RENTERIA ROCHIN Franciscoさん

充実した機材設備と環境

大学院の研究室で学ぶメリットは、自分で選んだテーマを徹底的に追究できることです。指導教官はいつもアイデアを与えてくれ、モチベーションの高い仲間同士で支え合い、常に新しいテクノロジーに挑戦することができます。昨年までは講義形式の授業もありましたが、2年目に入って研究に没頭できるようになりました。とことんまで学びを深められるので、毎日夢中になって研究しています。また、機材設備が整っており、必要なものがある場合には教官に相談すると手配してもらえます。

RENTERIA ROCHIN Franciscoさん

大学院ならではのアクティブな学び

また、大学院に進学してから学会や論文発表の機会が多くありました。李先生が院生に積極的に声をかけてくれるので、私は大学院1年半で合計6回の学会に参加しました。

学会では、どのような研究が展開されているかを知ることができ、視野が広まり、多くの知見を得られます。もちろん、人前でのプレゼンテーションやポスター作成などは大変です。最初のうちは苦労しましたが、先生や先輩方からのアドバイスを受けてブラッシュアップを重ねるうちに、スキルアップにつながってきた実感があります。この体験は大学院進学をして研究を続けているからこそできることだと思います。

※直近では、SI2018(第19回計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会)でフランクさんが発表した論文が優秀講演賞を受賞しました。(2019.4.23)

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留学生から見た情報理工学研究科とは

AIS研究室には、現在、私を含めて4名外国人留学生が在籍しています。立命館大学の正規留学生には、日本人学生と同じレベルの日本語で受講する「日本語基準」の留学生と、英語で受講する「英語基準」の2パターンがあり、私は「英語基準」で入学しました。研究室では毎週、指導教官である李先生と研究の進捗や問題についてディスカッションをしています。そして研究室全体でも毎月ミーティングを行っています。李先生とはときどき英語を交えますが、院生・学生とはほぼ日本語で話しています(※注:このインタビューもほぼ日本語で行いました)。
日々仲間同士でサポートし合ったり、学会の準備・発表、雑談など、日本語でのコミュニケーションは重要です。卒業後は日本の企業で情報技術系の研究開発の職に就きたいと考えていることもあり、「英語基準」での入学ではありましたが、私にとって日本語は不可欠です。そのため研究の傍らで語学にも力を入れています。

私自身の1年半をふまえて考えると、大学院には学部時代だけでは得られない多くのアクティブな学びがありました。かつ、立命館の情報理工学研究科は、私のような海外からの留学生も多く、国際環境が整えられています。高いレベルで切磋琢磨しながら研究の道を志したい方、ぜひ私たちと一緒に学びましょう!

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