津郷 直矢

2005年3月

津郷 直矢

アビームコンサルティング株式会社 プロセス&テクノロジービジネスユニット リサーチ&イノベーションセクター所属

あなたにとって、
「国際関係学部」はどんな存在ですか?
「異質な価値観が共存・相互作用し、新たな価値を生み出す場所」
国際関係学部の特徴は「人の多様性」と「相互作用」だと思います。
所属する人のバックグラウンドはもちろんのこと、学びたいこと、進みたい方向性、全てが異なります。
帰国子女、自身の学力レベルだけで学部を選んだ人、付属校から上がってきた人。
語学を学びたい人、政治について学びたい人、経済や金融について学びたい人、法律を学びたい人、環境について学びたい人、特定国や地域の文化について学びたい人、異文化交流について学びたい人、特に学びたいことは無いけれど面白そうなことを探している人。 国際公務員や国家公務員を目指す人、将来途上国支援をしたい人、海外と関われる仕事につきたい人、やりたいことは無いけれどとりあえず何やっても良さそうなので入学した人、など。本当に色々な価値観が共存する中で、大抵初めは何をやってもまとまりません。しかし、互いに議論し、認め合い、相互作用する中で新たな価値を生み出す、そんなことが出来る環境だと思います。
あなたの「今」を国際関係学部で学んだことと
関連づけて語ってください。
「真理は中庸に有り」とは中国の儒学者、子思の言葉で、仕事をすすめる上でいつも意識をしている言葉です。
中庸とは
「とりあえず間を取る」
「無難な落とし所を探る」
という意味ではなく
「絶えず事態の変化に対応して,常に過不足なく適切妥当な措置を取り続けること」
です。
私は企業の情報システムに係る仕事をしており、所謂アーキテクト(全体のシステムの構成や振る舞い、方針、方式を定める)と呼ばれる立場で仕事をすることが多いです。そのような役割で仕事をする中で必ず直面するのが、組織・業務領域・技術領域間での意見の相違です。様々な領域、関係者の利害関係や観点の違いを理解・整理し、「あるべき姿はこれではないか」という仮説を出し、易きに流されず調整し、同意を得る。この様な仕事の進め方は、多様な人間の存在する国際関係学部で学んだ経験が元になっているのではないかと感じています。
あなたの「越境」体験を教えてください。
私は国際関係学部では、経済学を専攻していましたが、就職活動ではITコンサルティングに係る仕事を選択しました。
同期には理系の院卒や情報系専攻の人間が多く、
「業務寄りのITコンサルティングに係る部署に入るのだろう」、
と思っていたのですが、新人研修の結果を見ると思いの外(?) プログラミング等の技術的な素養が有ったらしく、最新技術を追いかける部署に配属されました。
以降は「越境」だらけです。常に最新技術の調査(社内どころか国内にも情報がない)に取組ながら、時にはプログラミングをしてみたり、時には専門外の領域にも足を踏み込みながら調整を図ったり。更にそれらの技術を実際にクライアントに適用をする中で、「本質的に取り組むべき領域は別にあるのでは?」と考え、当時所属していた会社では実施していなかった新事業の立ち上げにも取り組みました。2015年にアビームコンサルティングに転職し、今は新たな環境/新たな立場で仕事に取り組んでいますが、既存の知識や得意分野にとらわれることなく、最新のトレンドを追いかけながら、新たな価値を生み出し続けられる様、今後も「越境」を続けたいと思います。