国際法律事務所でサイバーセキュリティをサポート、
グローバル・スタディーズ専攻で学んだ理論を日々活用。

コロナ禍で計画変更、サイバーセキュリティの世界へ

グローバル・スタディーズ専攻で安全保障学を学び、それを基礎に修士課程、博士課程に進みましたが、コロナの影響もあり博士号の計画はとん挫してしまいました。私はそれを機に、自らのセキュリティスキルを高め、実用的な能力を習得するため、州立大学が提供するサイバーセキュリティ大学院のコースに参加しました。
コースでは、IT系の仕事に就くための面接経験を積むため、業界標準の履歴書を作成したり、実際に企業の業務に従事することが奨励されています。結果的に、大学院での勉強が短縮されてしまったのは残念ですが、世界中の同僚たちとともに、仕事に取り組んでいます。
現在、私が勤めている会社は、米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏の父親であるウィリアム・ヘンリー・ゲイツ氏によって設立された法律事務所です。世界中で多くの訴訟を手がけています。日本（東京）にもオフィスがあるので、いつかは仕事で日本に訪れる機会があるかもしれません。

大学で学んだセキュリティ理論が基礎に

私の主な仕事は、クライアントや事件、弁護士に関する情報を、悪意ある第三者から守ることです。複雑なコードを読んだり、面白いグラフが表示された画面を見たり、コンピュータへのログインをさらに難しくする方法について大きな決断を下したりすることが主な仕事だと言いたいところですが、実際、私の１日の大半は、パスワードのリセットです。パスワードを忘れてしまった人のために、「電源を切ってからもう一度入れて」と言ったり、パッチなしでリリースされたソフトウェアの新版で問題が発生したときに、ソフトウェア開発チームに注意したりしています。
グローバル・スタディーズ専攻で学んだ「セキュリティ理論」は、日々の仕事に役立っています。それは、パスワードをリセットするなどの「小さな」ことを行うためのプロセスにも必要で、仕事を遂行するためのリスクと、リスクの軽減策を理解しなければなりません。また、私は膨大な時間を費やして、弁護士にコンピュータの適切な使い方を教えていますが、その教え方は大学１年目で学んだ「コンピュータリテラシー」のクラスで学んだ方法と非常によく似ています。

将来の夢はオーストラリア首相

大学で学んだセキュリティ理論に加え、アプリケーションへの理解が実践の中で深まったことで、求人市場における私自身の競争力は非常に高まったと思っています。むこう1年間は「セキュリティ+IT」の資格に向けて勉強する予定で、今の組織内で、よりセキュリティに焦点を当てた役割に就けるようになりたいと考えています。さらに向こう5年以内には、博士号の取得を考えています。そして10年後には、もし大学でセキュリティとサイバーセキュリティを専門とする大学教員、もしくは、IT分野で政府などのセキュリティチームの一員として活躍し続けていたいです。そして最終目標は……オーストラリアの首相になりたいと思っていますが、CIAに相当するような職務を実行できるのなら、それもいいですね！