立命館大学 教育開発DXピッチ 2023年度最終報告
DX pitch 2023 Report
デジタルを活用した新しい教育手法の開発と実践にチャレンジする教職員の支援を目的とした「教育開発DXピッチ」。
この取り組みで、最優秀賞と優秀賞を受賞した3チームによる、2年間の成果発表の場として、2024年2月29日(木)に「教育開発DXピッチ最終報告会 D.I.G.」が行われました。
「教育開発DXピッチ最終報告会 D.I.G.」について
「教育開発DXピッチ最終報告会 D.I.G.」では、受賞3チームが2年間の成果を報告する「受賞チームステージ発表」、受賞チームと意見交換ができる「交流/意見交換会」のほか、教職員による教育創造に向けた学内プロジェクトや協力企業を紹介する「教育DX関連ブース」も同時開催されました。
受賞チームステージ発表
開会挨拶
<発表1>Ritsumeikan Writing Support Group / AIがレポートをフィードバックするシステム開発
「レポートの汎用的なルーブリックを用いて、誤字脱字のチェック、引用の方法、主張への独自性など7つの観点を基礎として、AIのフィードバックシステム「Ri:write」を作り上げました」と大田さん。
ステージでは、「Ri:write」のデモンストレーションも行われ、立命館大学のライティング・サポート室でチューターとして活躍している大学院生2名による解説も交えながら、観点毎に評価し、フィードバックする様子が披露されました。
発表後、コメンテーターによる「全学での展開や独自性、課題について」の質問に対して、「今後の構想として、専門分野ごとのAIを開発できれば、幅広い学問へ活用できるのではないかと考えています」と回答されました。
<発表2>プロジェクト発信型英語プログラム / PBL型次世代英語教育プラットフォームで英語発信力を向上
「これからの語学運用能力に欠かせない新たな4技能として、①必要な情報を調べる“Research”、②収集した情報を編集する“Authoring”、③みんなで議論し分析しあう“Collaboration”、④成果や成果を発信・表現する“Output”を定義しました」と木村先生。
「ICTを最大限に活用できるよう、AI自動翻訳や発音強化アプリ、XR空間などの最新技術を集めたPBL型次世代英語教育プラットフォームを構築しました。これらのツールを使って、学生は主体的に学び、教員はサポートに注力してきました」と山下先生。
発表後、コメンテーターより「学ぶことの本質を考え、挑戦と実績を積んでこられたことを高く評価します」「新しい扉を開いていく場所としての大学らしい教育のありようだと思います」というコメントがありました。
<発表3>「学生の自分探しを応援する探究型AIコンシェルジュ」構想グループ / 最適解のヒントを提案
「AIの力で一人ひとりにマッチする授業の提案をできないかというのが発想の始まりでした。授業と直接的には結び付かない趣味・生活に関する質問に回答することで、その内容から自然言語処理技術を使って学生の興味の領域を抽出し、授業のシラバス情報を突き合わせて、6種類の授業を推薦できるアプリを開発しました」と仲田先生。
発表では実演を交えながら、アプリの使い方の説明もありました。
発表後、コメンテーターより「学生自身がいろいろな視点を持って、自分の興味に関する範囲を広げていくことが期待できます。実用化されることを楽しみにしています」とコメントがありました。
参加者からのコメントと意見交換
会場では、QRコードを用いて、参加者から寄せられたコメントをもとに、会場全体での意見交換が行われました。
閉会挨拶
報告会の最後には、松原副総長より「AIもDXも人間がいないと始まりません。だからこそ、DXの可能性を追求して、失敗してもいいから、もっと自由に挑戦して欲しいと考えます。学生、大学院生、研究者、教員、職員の皆さんと連携し、知恵を絞って、さらなる試行錯誤をしていきたいと思います」とコメントがありました。
交流/意見交換会
受賞3チームの報告会後は、場所を移して、意見交換会が行われました。開始から、多くの方が各チームのブースに訪れ、デモンストレーションの体験や質問をされていました。いずれのチームにおいても、学生目線の活用方法や新たな視点での提案がされるなど、活発な意見交換が行われていました。
同時開催:教育DX関連ブース
同時開催として、教職員による教育創造に向けた取り組み、受賞3チームの取り組みに協力いただいた関連企業による成果報告が行われました。取り組み内容や企業の詳細紹介、実演や体験などもあり、参加者は興味あるブースを訪れていました。
〇株式会社PKSHA Workplace様 / 受賞チーム「学生の自分探しを応援する探究型AIコンシェルジュ」と一緒に「AIコンシェルジュ」を開発
〇立命館宇治高等学校 硬式野球分析チーム
〇教職協働が拓く「障害」支援と教学の未来・アクセシビリティプロジェクト
〇異なる障害当事者の学内外における活動の実態と支援のあり方-問題解決に向けて―
〇株式会社アルベッジ様 / 受賞チーム「Ritsumeikan Writing Support Group」と一緒に「Ri:write」を開発
〇株式会社みらい翻訳様 / 受賞チーム「プロジェクト発信型英語プログラム」に「Mirai Translator®」を提供
〇教職大学院での遠隔授業システム
〇VR技術を効果的に活用した学習教材の開発
〇BLOOMTALK-言葉の壁を超えるアプリ―