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イベントのご案内
2026年度 法学部同窓会 総会・講演会・懇親会のご報告
- 日時:
- 2026年6月28日(土)11:30~15:00
- 場所:
- ホテルグランヴィア京都(JR京都駅直結)5階【竹取の間】
令和8年6月28日(日)ホテルグランウィア京都「竹取の間」において
2026年度立命館大学法学部同窓会総会・講演会が、
仲谷総長ご臨席のもと多数の参加者を迎え開催されました。
総会では議長である平林幸子会長が議事進行を務めました。
青谷知栄美財務委員長より2025年度活動報告並びに決算及び監査報告、そして2026年度の活動計画・予算案について説明があり、審議の上承認されました。
総会後、植治(うえじ)次期十二代(小川治兵衞)小川勝章氏に「『立』ちつくすほどに」「『命』の美を実感する」「『館』と庭との関わり」と題してご講演いただきました。
【法学部同窓会 講演会】
「庭は教科書」〜植治の哲学と自然との対話〜
1996年に本学法学部を卒業された作庭家の小川様(次代を担う「植治」)をお招きし、貴重なお話を伺いました。今回はその講演内容をダイジェストでお届けいたします。
一、立命館宇治中学校・高等学校の庭に込められた「物語」
小川様は毎年、立命館宇治中学校・高等学校にて「作庭」を題材にした授業を行われています。同校には、自然の奥行きと味わいを感じさせる見事な「家」と「庭」があります。
「作法室」から「お茶庭」を望み、露地へ出ると水をたたえた「手水鉢」が佇んでいますが、実はこれらの石をよく見ると、どこか立命館の「R」の文字に見える遊び心が隠されています。さらに、飛び石の形や配置は「U」「J」「I」の文字を想起させ、石灯籠は平等院鳳凰堂を模したものになっています。
雨の日に足を運べば、大地が潤い、石が艶やかな表情を見せてくれます。このように、同校の庭には近代日本庭園の先駆者である「植治(うえじ)」の物語と、昔と今の技法の違いを感じさせる意匠が凝縮されています。
二、「庭は教科書」自然を支配するか、共存するか
かつては巨大な松の木を移動させるのにも膨大な時間をかけ、複数の根を生やさせる「根回し(ねまわし)」という丁寧な作業を行っていましたが、現代ではクレーンを使い、木が「空を飛ぶ」ように移動させることもあります。そこに「自然を支配するのか、あるいは共存するのか」という植治の深い哲学があります。また、京都の周辺で採れる鞍馬石や貴船石といった銘石を、先人たちは時間をかけて探し出し、庭へと運んできました。無鄰菴(むりんあん)や平安神宮など、京都の名庭はまさに「庭を通じて先祖と対話ができる場所」なのです。
庭園には「正面の顔」が存在しますが、あえてそれを見せない庭もあります。「くぐる」「しゃがんで、また起きて見る」「石の上から見る」といった人の動きや、石の角度・向きによって、先人は私たちに「どこから見るべきか」を問いかけて(試して)いるのです。まさに「庭は教科書」です。
部屋から庭を見る客として正面に座り、手前で目線を落とした後、ふと顔を上げると美しい山の稜線が目に飛び込んできます。「どんな山をご覧になりますか?」という問いかけから始まる、自然との向き合い方。そこへ虫や鳥が訪れ、時を経て自然に定着していきます。
毎日見ていると当たり前になってしまう景色ですが、庭にも「ハレ(特別)の日」と「ケ(日常)の日」があります。奥の部屋や床の間、畳によってあえて隠された空間の奥に、滝として水が流れる限られた場所があるなど、時の流れとともに徐々に姿を変え、隠れていく美学がそこにはあります。
三、伝統を受け継ぎ、次代へ紡ぐ「新たな血」
講演の後半では、百二十年ぶりに植治が手を入れた北野天満宮の貴重な映像が上映されました。
小川様は「大学時代の私は、毎日『存心館』の地下食堂に直行する以外は、庭掃除に明け暮れる毎日でしたと振り返ります。家業としての庭掃除は厳しく、周囲のお姉様方から「あんさん、こんなことも知らへんの?」と言われ、草引きの難しさに悩み続ける日々。一般的な大学生の「就職活動の成功」とは程遠い、泥臭い家業の毎日だったと言います。
しかし時は流れ、現代は「自宅に庭のない家」や「均質な緑地帯」が増加しています。次期十二代を担う今、小川様は「物語の多い、当世風(現代)の庭を手掛け、伝統に新たな血を注ぎたい」と語ります。言葉にならない施主の想いを奥ゆかしく可視化するなど、木、石、水、風といった自然から教わった知恵を、これからも多くの人々へ伝えていく決意を示されました。
法学部同窓会でのこの素晴らしい出会いと、自然の美学に触れる豊かな時間に、参加者一同、深く感謝の拍手を送りました。
講演会終了後は、同会場にて懇親会を開催いたしました。講師の小川様を交え、終始和やかな雰囲気の中で意見交換や歓談が行われました。
広報担当幹事 宮西徳明・古角博子