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研究案内(2018年9月7日改訂)!!


研究室テーマ:“マイクロ波加熱による有機反応の開発と新規化合物の合成”



 有機反応化学は、結合の切断・生成にかかわるメカニズムを解明する基礎科学であると同時に、社会に対して有用な有機分子を提供する応用的な役割をも合わせもっています。本研究室では、サステナブルで環境に優しい"ものづくり"の手法「Green Chemistry」により、優れた物性・機能を持つ物質を設計「分子デザイン」することを目指しています。


 以下に示す二つのテーマに大別できますが、現在は主に「[1] 有機化学反応に及ぼすマイクロ波照射効果」をフェロセン誘導体の種々の反応に適用しています。
 フェロセンは、二つの炭素五員環(シクロペンタジエニル環;Cp環)が鉄原子をはさんだ形(=サンドイィチ形)をした非常に安定な有機金属化合物です。フェロセンからは、ベンゼン類似の芳香族求電子置換反応により、種々の誘導体を合成することができます。また、溶液中においてフェロセンのCp環は、Cp-Fe-Cp結合軸回りに自由に回転していることが知られています。


[1] 有機反応に及ぼすマイクロ波照射効果

 電子レンジに用いられている2.45GHzのマイクロ波は、比較的簡単に利用でき、適当な条件下では有機化学反応に対して劇的な促進効果,すなわち反応速度・収率の著しい向上をもたらしたり、位置あるいは官能基選択的な反応が可能になったりする場合があります。この分野は、有機反応を電子レンジの中で行うという現象論だけが報告されている領域で、マイクロ波の作用機構の詳細は全くと言ってよいほど未知な領域です。現在、本研究室では、フェロセンが電子豊富な鉄原子を含んでいること、および、Cp環が自由に回転できるという特徴をいかして、フェロセン核を分子内に含む化合物に対するマイクロ波照射効果を検討しています。


[2]フェロセンを含む機能性化合物の合成

 優れた物性・機能をもつフェロセン誘導体を設計「分子デザイン」・合成し、その性質を調べています。現在は、フェロセンの配位子交換反応によりCp環を多環芳香族化合物に置き換えた誘導体を合成し、その物性を測定する予定です。


 研究テーマに関わらず、全員が「合成」に関わります。「合成」は、「反応仕込み→ 反応操作→ 反応後処理(抽出、溶媒留去、etc.)→ 目的物の単離・精製(カラム、蒸留、etc.)→ スペクトル・クロマト測定(NMR、 MS、IR、HPLC、GC、etc.)→ 同定」という流れになります。卒研生は、1年間で、反応操作や精製操作、特にカラムクロマト法・TLC法に習熟し、スペクトル、特にNMRを使いこなす能力(勿論解析を含む)を身につけてもらいます。
 各自のテーマは、希望を聞いた上で仮配属中(3月上旬まで)に決定します。本配属(4月)後、研究実験を進めていきます。開講期間中に数回のデータ検討会、8月・12月に中間発表、および年度末に最終発表を行い、「卒業論文」を提出します。研究をスムーズに行うため、毎週月曜日に、前の週に行ったこととその週の予定ついて報告書(週報)を提出してもらいます。また,毎週一回,セミナー(雑誌会)を開きます。


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