研究活動
日本語学
本専攻の日本語研究の特色は、「コーパス日本語学」です。
コーパスとは、実際に書かれたり、話されたりした言葉を大量に集め、コンピューターで検索できるようにしたデータベースのことです。
2000年以降、国立国語研究所が中心となって様々な日本語コーパスが作られ、公開されています。近年の日本語研究では、「コーパス日本語学」が新しい研究領域として注目され、研究が活発に行われています。
日本語は、世界の諸言語の中の一つです。日本語を研究する際には、日本語だけを見るのではなく、世界の諸言語の一つとしての日本語という幅広い視野を持つことが大切です。
世界の諸言語を対象とした言語学では、理論的な研究に関する厚い蓄積があります。コーパス日本語学を通して、明らかにした日本語の特徴や規則性などを言語理論の知見に基づいて検証したり、言語理論に反映したりすることも日本語研究の重要な課題です。
本専攻では、「コーパス日本語学」を日本語研究の柱に据えた上で、コーパスを活用した研究と理論的研究との往還を通して、これからの時代に求められる新しい日本語学の創造を目指しています。
これは、立命館大学だからこそできる新しい日本語研究です。
3回生ゼミ
あらかじめ設定されたテーマの下、コーパス日本語学に必要な知識、分析方法を学びます。春学期にはグループで、秋学期には個人で研究課題を設定し、コーパスを活用して調査・分析を行い、その成果を発表します。既存のコーパスを使うだけでなく、自分でコーパスを作る学生もいます。
「現代・古代日本語研究―コーパスを中心に―」をテーマにしたゼミと、「コーパスを活用した現代語の語彙、表記、文体の研究」をテーマにしたゼミを開講しています。
3回生の研究課題の例を以下に挙げます。
- CHJを用いた『源氏物語』における「もや」の分析
- 恋愛マンガにおける“別れ”シーンの言語表現
- コーパスを用いた「凄い」「とても」「非常に」の研究
- 「汲む」と「掬う」の違い
- 宝塚歌劇における役割語についての考察
- 補助動詞「いただく」の表記
- 漫画における男子大学生が用いる二人称表現
- 重複表現「違和感を感じる」
- 日常会話における「やばい」の使用実態
- 男性アイドルグループ楽曲の歌詞の変遷についての一考察
4回生ゼミ
大学における4年間の学びの集大成として卒業論文を執筆します。4回生ゼミは、卒業論文執筆のためのゼミです。
4回生ゼミでは、各自が設定した研究テーマの下、調査・分析を行います。コーパスを活用した研究テーマが多くありますが、方言調査などコーパスを使わない研究テーマもあります。
個人発表で、各自の研究の進捗状況を報告した上で、受講生全員での議論や教員からの個別指導を通して、卒業論文としてまとめていきます。
これまでの卒業論文のテーマは、「卒業論文」を参照してください。