教学理念と目標
教学理念
中国・朝鮮半島・日本によって構成される東アジア地域は、漢字文化圏としての共通性を基礎に、人々の直接的往来を通じた深い文化的交流を行なってきました。近年では、人・モノ・資本・技術の国境を超えた移動が進み、錯綜した様相を見せながらも、東アジアという大きな枠組での経済・文化圏(東アジア共同体)が構想されるまでに至っています。
本専攻では、越境が進みつつある東アジアという視点から、ダイナミックに変容する中国(台湾を含む)と朝鮮半島における現代的課題について専門的に学びます。現在、東アジアでは、「華流・韓流・日流」が流行語になっているように、大衆文化などを通じた相互交流が活発に進んでいる一方で、過去の歴史や冷戦体制によって生じた未解決の問題も数多く残されています。今後、活発な域内交流を通じて文化の共通性を再発見し、21世紀的な価値観を創造しながら、様々な問題を平和的に解決していくことが期待されています。
本専攻では、中国語または朝鮮語の実践的なコミュニケーション能力を培いながら、同時代の東アジア各地域における文化や社会、歴史に対する理解を深めます。また、東アジアの人々と直接触れ合う現地実習プログラムを通じて、異文化理解と複文化共生について体験的に学びます。こうした実践的な学びを通じて、21世紀のアジア新時代を担い、国際的な舞台で活躍できる人材の育成を目標とします。
教学目標
- 漢字文化圏としての東アジア伝統文化をめぐる基本的知識を理解した上で、グローバル化によって変容する現代東アジアの現状について理解することができる。
- 現代の中国(台湾を含む)・韓国などの文化コンテンツ(文学・映画・ドラマ・アニメ・言語など)の分析を通じて、各国・地域の社会・生活・歴史・メディア状況を理解することができる。
- 中国語または朝鮮語の実践的学習や現地実習、中国・韓国の大学との遠隔講義などを通じて、東アジアの人々と積極的に交流し、国際的な舞台で活躍することが可能なコミュニケーション能力を身につけることができる。
- 中国・朝鮮半島・日本をめぐる様々な問題について、共通の伝統文化を経験してきた東アジアという視点から分析ができ、未来志向的で平和的・共生的な問題解決を目指すことができる。