私は高校時代から環境問題に興味がありました。そこで、環境や福祉、労働問題といったものを、ヒューマン・エコノミーコースという形で経済学の観点から分析している立命館大学経済学部に興味を持ち入学しました。
まず、1回生では「ミクロ・マクロ経済学」が経済学の基礎を学ぶ上で勉強になりました。需要・供給曲線とは、人の購買意欲の行動パターン、例えば「人は安ければ買うが、高いとなかなか買わない」といったことを抽象化して、グラフに表したものです。これを分析することで、今何が売れ、何が人気がないのか、といったことが分かったり、また、そこに税金が関わってきたとき経済の流れがどう変わっていくのかを考察できるようになりました。また、「ミクロ・マクロ経済学」は数学を使って理論構築をするので、説得力もあります。しかし、一方でこれだけでは全ての経済的側面を説明できないときがあります。そのこともふまえて、考えることができるのが、「社会経済学」という授業でした。今は、この2つをバランスよく捉えて、勉強しているところです。
2回生では、岩田勝雄先生のゼミでアジア経済を中心とした国際経済、国際問題を選択しました。先生からアドバイスをもらいながら、自由に研究ができるスタイルだったので、色々な分野の研究をしているゼミ生がいて、とても刺激的でした。そして私は、環境の他に、貧困問題、開発、環境教育についても興味を持ち、卒論に向けての研究課題が見え始めてきました。
ゼミナール大会では、フェアトレードを実現するための研究をしました。私が考えたフェアトレードというのは、国際貿易に税金を課すことにより、労働者の支援を行おうというものです。
例えば、フィリピンのプランテーションでは地主や税金、物流、卸、小売店などがほとんどの利益をとってしまい、労働者はわずかな儲けしかなく、奴隷的な生活を余儀なくされます。そこで私が考えたフェアトレードでは、年間何兆円とも言われる大規模なお金が動く国際貿易に、0.5〜1%程度の税金をかけ、その税金を豊かな人々が負担し、それを原資として、貧困に苦しむ労働者への援助を行っていこう、というものです。所得が増えれば、きちんとした教育を受けたり、病院に行くこともできます。ゼミナール大会の担当教員からは、貿易以外にも、高所得者が参加し、貿易の10倍以上の取引額が動く金融取引も課税対象としては相応しいのではないか、というアドバイスもいただきました。
また3回生からは、学術的な英語を学ぶことを目的に、立命館・UBCジョイント・プログラムを利用し、カナダへ留学しました。カナダでは語学以外にも、産業革命以前の経済史を学び、基礎的な発展の裏には貧困が存在し、その問題をどのように解決していったのかといったことを学びました。その知識をもとに、現在起こっている貧困問題などにどのように対応していけばよいか考えました。
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