情報理工学部の研究室
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空間と先端技術のインテグレーション - 空間知能化知能ロボット、ヒューマンインタフェース

アドバンスドインテリジェントシステム研究室

担当教員/李 周浩・櫻井 隆平

人が生活している環境の中に様々なセンサを分散配置し、センサから得られたデータを処理して有用な情報を取り出し、ネットワークを通してその情報を共有します。これにより空間内にいる人々は空間からの総合的な支援が受けられるようになり、複雑なインタフェースやシステムをいじったり学んだりする必要がなくなります。本研究室ではこのような知能化空間の実現を目指し、要素技術から応用技術まで幅広く研究しています。
他にも、テレオペレーションによる災害現場探索用物理エージェント、人工物との持続的なインタラクション、マルチモーダルインタフェース等の研究も行っています。

写真説明
ユーザが注視している場所に空間内の状況をユビキタスディスプレイ(UD)が提示しています。知能化空間が人が必要とする情報を把握するとその情報を知能化空間の物理エージェントであるUDを用いて提示します。人が情報源を探して移動したり、情報源を所持しなくても良いので、真の人間中心型システムと言えます。

安全と利便性を両立するマルチエージェントシステム

インテリジェントコミュニケーション研究室

担当教員/小川 均・マルチュケ モリツ

安全で利便性のある環境を実現するためのマルチエージェントシステムの研究とその応用を行っています。
[アンビエントサービス]
スマートフォンの加速度センサーやGPS等の情報から日頃の行動パターンを学習し、場所と時刻に合わせて、ユーザの目的、機能能力、および、嗜好を推測します。ユーザの滞在する環境における可能なサービスから最適なものを提供します。サービスは、マルチエージェントシステムにより実現される家電制御、および、ロボットにより行われます。
[アドホック社会ネットワーク]
通信設備を使用せずに、スマートフォン間で直接通信を行います。さらに、直接通信が行えないスマートフォンは、その両方と直接通信ができるスマートフォンを通じてデータ交換ができます。このようにして、一定の領域に滞在するユーザがお互いに通信ができ、その地域における一時的な社会ネットワークが構成され、情報交換や議論などを可能にします。
[疫学モデルによる知識伝搬の可視化]
世の中における情報や知識の伝搬する状態やパターンを、医学や生物学に基づいて得られた決定論的疫学モデルを用いて分析し、可視化しています。この応用として、発表された科学論文の内容を解析し、テーマや話題の変化を調べることにより、国ごとの特徴が分かります。

ロボットのエージェント化
複数の実機・シミュレータを個々に制御できます。

エージェント技術によるソーシャルウェアの研究

エージェントコミュニケーション研究室

担当教員/服部 文夫・奥 健太

エージェントと呼ばれる知的なソフトウェアが、実世界とネットワーク社会を融合し、いつでもどこでも人々の生活をサポートしてくれるような世界を目指しています。
【ユビキタス活動支援】
センサなどでユーザの行動を把握し、その時その場に応じた最適なサービスを提供します。ICタグや加速度センサを使ってユーザが何をしているかを判定するシステムを研究しています。
【情報推薦】
時間、場所、状況などのコンテキストに応じた情報推薦、Twitterなどのユーザ生成コンテンツに基づく情報推薦、意外なものを推薦してくれるセレンディピティ指向情報推薦など様々な情報推薦方式の研究を進めています。
【情報セラピー】
認知症者や知的な障がいを持っている方に対する行動支援、コミュニケーション支援の研究を進めています。認知症の方との会話を活性化するために、会話のトピックを画面に表示することで会話のきっかけを与えるシステムを開発しました。

Wikipedia からバラエティに富んだ会話のトピックを抽出することで認知症の方との会話を活性化します。

大規模自律分散協調システムにおける計算機仲介コミュニケーション

グローバルインフォメーションネットワーク研究室

担当教員/西村 俊和

世界規模の計算機ネットワークでは、企業やユーザ端末のみならず携帯端末やセンサなど様々な計算主体が結び付き、集中制御機構なしに相互作用しています。このような自律・分散・協調のネットワーク技術をもとに、計算機ネットワークを介した人と人とのコミュニケーションを実現するネットワーク応用、システム開発を行っています。
【ネットワーク応用】
家電は本来単独での動作が期待される製品ですので、家電ネットワークにこそ自律・分散・協調の機構が必要です。分散型家電ネットワークはこの自律した複数の家電を協調動作させて家族間の家電利用制御を行い、家族のコミュニケーションを支援します。
【オーバレイネットワーク】
オーバレイネットワークは、既存の計算機ネットワークを利用して別の仮想的なネットワークを構築するものです。特許4332000号はオーバーレイネットワークとユーザ認証機構を組み合わせ、既存のインターネット接続を利用者で共有する仕組みを提案するものです。これにより、街中を無線LAN で被う「ホットゾーン」の実現が容易になります。
【携帯電話ネットワークとインターネットプロトコル】
仮想単一セル化マイクロセル連結方式は、微小な通信領域マイクロセルを連結することにより、移動体を追尾する仮想的な単一セルを構成するものです。無線LAN とインターネットプロトコルをこの方式に組み合わせることによって、大規模通信可能な無線技術を実現します。

分散型家電ネットワーク

マルチメディア情報検索技術の研究と会話エージェントの研究

コミュニケーションソフトウェア研究室

担当教員/川越 恭二・黄 宏軒

写真、音楽、映像、行動などのマルチメディア情報を効率に検索するための技術の開発をすすめています。具体的には、マルチメディア情報の類似検索技術の研究とその音楽データベースへの応用をすすめています。例えば、好きな音楽の一部を口ずさめばそれに類似した楽曲を検索してくれるシステムや、医療や経済などで使われる時系列データの類似検索、類似写真や観光地での行動の類似検索等の技術開発を行っています。また、Web 情報検索技術の高度化を目指して利用者の意図に適した検索などの研究を進めています。そして、大量の情報を効率よく管理、分析するデータ工学(データベース)やネットワークサービスの研究開発を行っており、情報爆発時代での効率的情報アクセスの実現を目指しています。さらに、エージェントを用いて人間とのコミュニケーションを円滑にするための会話エージェントとその基盤ソフトウェアや応用の研究を行っています。

マルチエージェントに基づく人間社会のデザインに関する研究

コラボレーションデザイン研究室

担当教員/服部 宏充

新しいデバイス、サービス、技術が生活を便利にする一方で、社会はいっそう複雑化・高度化が進み、個人がどう行動すれば良いのか、社会でどんな問題が起こり、どうすれば解決できるのかを知るのはとても難しくなっています。そこで、社会の動きを予測・分析するためのマルチエージェントシミュレーションをコアの技術として、未知の社会をデザインするための研究を行います。これまで、主に、交通、エネルギー、災害などの分野で研究を行ってきており、特に交通に関しては、秒単位で意思決定し、行動を刻々変えていく車両数万台による都市の交通流を計算する大規模シミュレーション基盤を開発し、その上で、京都市の交通社会実験を再現するシミュレーションなどを実現してきました。
シミュレーションは未来を正確に言い当てるというより、起こり得る未来を示すためのツールとなる技術です。例えば、自動走行車がひしめく交通の制御、未曾有の大規模災害での避難誘導など、未来の社会で起こる問題の解決方法を、人とシミュレーションが協働し、試行錯誤しながら探り出していく、そんな技術・システムを実現するための研究開発を行います。

京都市中心部の交通流シミュレーション

コンピュータネットワークに関する研究

コンピュータネットワーク研究室

担当教員/岸本 了造

企業情報システムは、従来、個々の企業が有していた企業情報システムから、インターネット上で多くの企業が利用する企業情報サービスに変貌している。これらの情報技術は、クラウドコンピューティングと総称されている。クラウドコンピューティング上で多様サービスを実現するには、検索や推薦サービスを実現する集合知と呼ばれる知識を発見するアルゴリズムが求められる。研究室では、新たな検索アルゴリズムや推薦アルゴリズムを研究している。また、21世紀においては、化石燃料の枯渇と温暖化問題に対処するため、太陽光等の自然エネルギーを用いた電力ネットワークが求められている。しかし、自然エネルギーの出力は変動するため、既存の電力系統では対処できない。研究室では、電力ネットワークを革新するスマートグリッドのアーキテクチャの提案とプロトコルの開発を行う。

Web上のコラボレーションに関する研究とグループ作成に関する研究

セマンティックコミュニケーション研究室

担当教員/桑原 和宏・大田 直樹

Webは新しい情報や知識を共に創る協創のプラットフォームへと発展しています。
当研究室では、Webを一つのプラットフォームとして、人々の活動やコミュニケーションの支援を目指すWebコラボレーションの実現に取り組んでいます。特に次世代のWebといわれるセマンティックWeb技術やマルチエージェント技術を応用し、具体的なアプリケーションの構築をすすめています。例えば、言語グリッドが提供する機械翻訳などの言語資源を活用して、複数の言語を使ったテキストチャットを可能にする多言語チャットシステム「Mixcha!」を開発しています。 また、失語症や認知症などの言語や記憶などの認知機能に障害をもった方々のコミュニケーションを支援することを目的として、Webブラウザを活用して遠隔地間で会話の題材となる単語や画像を共有する「指差しチャット」を開発しています。 さらに、Web上で複数の人たちが協調し、よりよい情報や知識を創ることができる環境を整えるため、チーム作りに関するマッチングの研究や、チームメンバ間の報酬の分配方法に関して協力ゲームの研究を行っています。

「指差しチャット」の画面イメージ

認知工学による防災、交通、感性の支援

ソーシャルコミュニケーション研究室

担当教員/仲谷 善雄・泉 朋子

心理学や認知科学の知見に基づいて、人間の心理や行動のモデル化を行い、システム設計に活かす「認知工学」と呼ばれる方法論の研究をしています。適用分野として、①防災(住民や観光客の避難誘導、企業の災害時事業継続管理支援、災害情報の収集/管理/提供支援、防災教育訓練など)、②高度道路交通支援(ドライバーへの情報提供、観光ナビ、方向音痴支援、ペーパードライバーの復帰支援、冬季道路管理支援など)、③感性工学(服との対話によるファッションコーディネート支援、音楽リズムによる行動の維持/変化の支援など)、④思い出工学(思い出の想起の支援、思い出データによるコミュニケーション支援など)の4つの柱を立てています。学生には、現場のニーズの発掘、ニーズに基づいた設計仕様の作成、想定ユーザによるシステムの評価など、システム設計の全過程を経験することで、これまでにない新しいシステムをユーザ指向で考案・設計・実装する方法を学んでもらいます。

観光現場で作成した写真ベースの四コマ物語を共有することによる観光スポット推薦支援システム

ストリートダンス初学者を対象とした姿勢投影による動作の自習支援システム

ワイヤレスネットワークの研究

ネットワークシステム研究室

担当教員/川合 誠・野口 拓

ワイヤレスとインターネットが融合したネットワークの高度化に向けた研究を行っています。IPマルチキャスト、アドホックネットワーク、衛星通信ネットワークに関して、信頼性・セキュリティ・スループットの向上、P2P(ピアツーピア)ネットワーク実現のための通信プロトコルなどの研究を行っています。また、防災情報の収集・蓄積・分析・表示・発信を行うとともに、緊急時には設備の被災やトラフィック集中の影響を受けずに効果的に災害復旧を支援する情報ネットワークシステムの研究を行っています。
写真は、PDA(携帯情報端末)とwebカメラで構成した映像モニタシステムです。アクセスポイントなしに端末のみでアドホックネットワークを構成し、多くのカメラからの映像情報を収集し、インターネットを通じて多地点でモニターすることができます。災害の影響を受けにくい、拡張性の高いシステムを実現しています。

アドホックネットワークを用いた映像モニタシステム

モバイル情報端末による情報強化空間体験に関する研究

モバイルコンピューティング研究室

担当教員/柴田 史久

実世界移動中や外出先で可搬型情報機器を利用する「モバイルコンピューティング」を、近未来社会での利用形態・サービス形態も含めた形で考えています。携帯電話や携帯情報端末は年々高機能化しているので、その個々の仕様の違いに捕らわれず、様々な行動を知的に・さりげなく・優しくサポートする共通基盤システムの研究を行っています。
特に注力してきたのは、現実世界を電子情報で強化した空間を体験する拡張現実感(Augmented Reality; AR)や複合現実感(Mixed Reality; MR)をモバイル端末で体験できる汎用アーキテクチャの研究です。その応用として、キャンパスガイト、配線・設備点検、災害シミュレーション、防災訓練等のシステムを開発しました。
 AR/MR技術の要となるのは、幾何位置合わせ技術で、その評価基準・評価方法を確立すべく、国際標準化作業のリーダーシップをとって活動しています。

複合現実感をモバイル端末で体験している様子

新しい電波資源の開拓とワイヤレスシステムの研究

ワイヤレスネットワークシステム研究室

担当教員/前田 忠彦

ユビキタス社会の実現にむけて、超高速なデータ伝送ををおこなうワイヤレスネットワークの研究と高度電波利用社会を支えるための新しい電波資源の開拓の研究を進めています。超広帯域のUWB無線システムへの応用として、独自の折りたたみ構造を取り入れた広帯域放射素子を研究しています。携帯端末はそれを操作する人体の影響を受けますが、その人体の影響を軽減できる自己適応型電力分配アンテナシステムを提案し、アンテナに人体が近接したことを電磁波的に把握して、影響を軽減する独自の電力分配方式の研究を進めています。測定評価技術では、電磁波に関わる評価をおこなうための人体等価ファントム、病理組織を模擬する人体病理ファントム、さらにこれらの病理組織を検出するための電波応用・レーダ方式の研究を併せて進めています。

無線通信システム伝送評価試験装置

人体の影響を軽減するアンテナシステム

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