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音情報を利用したインターフェース技術に関する研究

音声言語研究室

担当教員/山下 洋一・新妻 雅弘

音声や音楽などの音に含まれる情報を有効に活用、伝達、生成するための要素技術やアプリケーションの開発を行っている。(1)音声は言語情報だけでなく、感情・意図・態度などの「パラ言語情報」と呼ばれる情報も伝達する。音声からこのような情報を取り出すことによって、ユーザの“気持ちを察することのできる” 音声対話システムを開発している。(2)音声は、話者の心的な状態が変わると様々な調子で発声される。特定の声質での高品質な読み上げ音声が合成できるだけでなく、多様な声質や感情豊かなイントネーションでの音声合成を目指している。(3)大量に蓄積された講演音声や音声ブログなどの音声を含むマルチメディアコンテンツから欲しい情報を効率良く取り出すために、音声データを対象とした情報検索の研究を行なっている。(4)音信号に情報を埋め込んで情報伝達を実現する手段として、人が知覚できない非可聴域の高周波音を用いる方式の開発を行っている。また、(5)自然言語処理やパターン認識からのアプローチに基づいた音楽情報処理に関する研究も行っている。

音環境の解析・理解・再現・合成などの研究開発

音情報処理研究室

担当教員/西浦 敬信・中山 雅人

人々が快適に暮らせる音環境の構築を目指して、音響信号処理を中心にメディアとしての音環境の解析・理解・再現・合成に関する研究を行っています。特に、『音のカーテン』騒音を音で打ち消す技術、『音のスポットライト』音を領域内に閉じ込める技術、『音像プラネタリウム』壁や天井に音像を表現する技術、『音像ホログラム』任意の空間内に音源を表現する技術を含む立体音響再生技術について重点的に研究しております。また、『音センサー』異常音を検知する技術、『騒音の快音化』不快な騒音を快音に変える技術、『報知音・危険音の設計』万人が危険と感じる音源の設計など、快適な暮らしを目指して『音』をキーワードに日々研究を行っております。これまでは音響分野を中心に研究しておりましたが、近年は聴覚、超音波分野にも活動の幅を広げ、将来的には音響、聴覚、超音波分野を横断した新しい音響システムの研究開発を展開したいと考えています。

音響信号解析の実験風景

3次元CG・可視化の技術開発と最先端科学への応用

コンピュータグラフィックス研究室

担当教員/田中 覚・仲田 晋・長谷川 恭子

3次元CG、可視化、および関連テーマを研究している。とくに、科学、数学、医学、地理学、歴史学、防災、芸術、エンタテインメントなどの様々な分野にCG を役立てる研究を行っている。例えば理工学関連では、3次元物体の変形シミュレーションとその可視化の研究、プラズマ現象の4次元CG 技術を使った可視化の研究、地球規模の海流シミュレーション結果を精密に可視化する研究などを行っている。医学関連では、癌の病巣部の自動検出と可視化、癌の放射線治療シミュレーションを支援するCG の研究などを行っている。文理連携の研究としては、レーザー計測した彫像などの文化遺産を陰関数曲面や稠密3次元点群を用いて精密にデジタル・アーカイブ化して保存する技術の研究、京都の歴史的・文化的建造物を精密CG 化して分析する技術の研究、歴史的な都市空間をGIS データから自動生成して体験する研究などを行っている。また、上記の全てに関連する技術として、CG・可視化のための大規模データ圧縮技術も研究している。

プラズマ衝突の可視化

形状モデリングと構造解析

ロボットの目としての3次元ビジョンの研究

3次元ビジョン研究室

担当教員/徐 剛・李 亮

当研究室では、人間にとって当たり前の3次元視覚をコンピュータで実現するためのアルゴリズムとシステムを研究開発し、ロボットの目として搭載し実環境で動作することを目的に、様々なテーマに取り組んでいる。また、研究の中で生まれた技術は株式会社三次元メディアで製品化され、生産ラインなどで活躍している。産業用ロボットアーム、移動ロボット、人型ロボットが1台ずつあり、学生にとってはちょっと高価なおもちゃとして楽しまれている。産業用ロボットが目を持つことにより、自分で物を取り出し、組み立てることができるようになった。移動ロボットに目を持たせて、建物内の道案内ができるように研究を進めている。人間の動作を実時間で真似できる人型ロボットも実現できた。これら以外には、フィールドスポーツにおける選手の動きを16台の同期カメラを用いて実時間で追跡するシステムを開発した。また、ステレオカメラの実時間自己位置推定を開発し、シースルーヘッドマウンティッドディスプレイを用いたミックスドリアリティを実現している。

「自然言語処理」「感性情報処理」「インタラクション支援」

自然言語処理研究室

担当教員/福本 淳一・山西 良典

人が使う言葉である自然言語をコンピュータ上で扱うための自然言語処理技術と人の感性を扱う感性情報処理技術を基盤技術として、インタラクション支援、エンタテイメント、感性処理の研究を行っています。
[インタラクション支援]
インタラクション支援では、質問文に対してインターネット上の大量の文書データから答えを探し出す質問応答システムをベースに、喩え表現による回答の生成やあいまいな質問に対するシステムによる問い掛けや、インタラクション時の身振り・手振りなどの処理との融合のマルチモーダルインタラクションの研究を行っております。
[エンタテイメント]
観光地のさまざまな評判や関連する様々な情報を獲得して適切な情報を提示することで観光支援を行う観光情報処理や、漫画に対して漫画での表現と感性的な表現との関係を解析することにより、新たな電子コミックの可能性を探る研究を行っています。
[感性処理]
言葉から得られる感性処理として、X のようなY といった喩え表現から感覚的に適切な語句の選択や言葉の印象値を推定する研究と、音楽情報処理として音楽にかかわる歌詞や楽譜情報などの様々な情報と感性との関係を究明する研究を行っています。

人と人とのコミュニケーション、データとのインタラクション環境のデザイン

対話デザイン研究室

担当教員/西原 陽子

人が新たな知見を発見し、自らの活動に活かすことを目標として、人とのコミュニケーションや、データとのインタラクションの環境をデザインする方法を研究しています。
[テキスト・データマイニング]
大量のテキストやデータの中から、頻出するパターン、希少だが価値のあるパターンを発見する手法を提供します。応用すると、流行する商品や、今後流行る可能性がある研究分野を予測することができます。
[情報視覚化]
人が直感的に理解できるように、数値やテキストのデータを変換し、視覚化する手法を提供します。例えば、小論文やメール等のテキストデータが与えられると、分かりやすい部分には光を当て、分かりにくい部分には影がついているように視覚化することにより、テキストの分かりやすさを光と影の分布で直感的に理解させることができます。
[会話分析]
会話の盛り上がりを特定したり、大事な発言を抽出する技術を提供します。会議の議事録の整理などに適用できます。

テキストの分かりやすさを光と影で視覚化するシステム

柔軟かつ信頼性の高い画像システムの実現とその応用に関する研究

知的画像処理研究室

担当教員/陳 延偉・健山 智子

[医用診断支援システム]
人体内部構造の電子アドラス(データベース)を構築するとともに、様々な病気に寄与する成分(基底関数)を抽出し、解剖学知識と医師の経験を組み込んだ計算機診断支援システムを開発します。
[画像・映像の自動認識システム]
画像や映像の中に何が映っているかを機械学習によって自動的に認識・理解するシステムを開発し、画像コンテンツを容易に検索したり、登録時に自動的にキーワードを付与したりします。
[顔の美観に関する研究]
多視点・多照明化粧顔データベースを構築し、統計手法で魅力的な外観に寄与する要素を特定します。さらに、顔画像をより魅力的な顔にモーフィングします。

肝臓腫瘍の手術ナビゲーションシステム

ディジタル図書館における情報アクセス技術

ディジタル図書館研究室

担当教員/前田 亮

主に言語メディアを対象として、膨大な情報を整理して利用しやすくするための情報アクセス技術について研究を行っています。現在ウェブ上では膨大な量の情報が提供されていますが、これらの中から必要な情報を探し出すことは簡単ではありません。利用者が求める情報へのアクセスを支援するため、その基礎となる情報検索の技術をはじめ、膨大な情報の中から隠れた有用な知識を発見するマイニング技術、利用者の嗜好に応じて役に立つ情報を推薦する情報推薦技術、近年ディジタル化が進んでいる貴重な古典史料を対象とした検索およびマイニング技術、世界中のさまざまな言語で書かれた情報へのアクセスを実現する多言語情報アクセスなどの研究を行っています。

古典史料の解析により推定した人物関係の推移

古典史料の解析により得られた人物相関図

メディアによって社会の諸問題の解決を目指す研究

メディア エクスペリエンス デザイン研究室

担当教員/野間 春生・ロペス ロベルト・松村 耕平

テーマパークでは、映像や音、座席の動きを巧妙に組み合わせ、ゲストに仮想的な体験を与えています。映画”Matrix"では、究極に進化した神経接合技術によってコンピュータの構築した世界で主人公がごく普通の生活を体験する未来を描きました。このように進化したメディアによって提供される仮想世界は、人類の好奇心を物理的な制約から解放する究極の手段といえます。
メディアエクスペリエンスデザイン研究室では、メディアを手段として用い、メディアが提供する体験の研究、そしてメディアが真に役に立つサービスの研究を行います。医療、介護、交通、教育、ゲームなどの多様な分野を対象として、まず現場に出て行き、実際の社会で起きている問題を観察し、理解することからはじめ、その問題を解決するために必要なメディアとは何か、そして開発した新しいメディア体験がいかに我々の実生活をどう変えるか研究していきます。

触れる仮想環境

MEMS触覚センサ

小型行動計測装置

センシングの基礎と画像処理、センサーネットワーク、脳信号処理への応用

メディアセンシング研究室

担当教員/平林 晃・ジェレミー ワイト

我々の研究室では信号や画像のセンシング技術、および情報技術を利用した英語教育法に関する研究・開発を行っています。センシング技術に関しては、通常は10の情報を知るために10の観測(センシング)を行いますが、圧縮センシングやスパースサンプリングと呼ばれる技術を用いれば、7や5の観測を行うだけで10の情報を得ることができます。これをカメラ撮影に応用すれば、取得したデータ以上の画素(ピクセル)を持つ画像を生成できてしまいます。医療画像技術の一種である磁気共鳴画像法(MRI)に応用すれば、狭い装置の中に入っている時間を短縮できます。また、脳波や心電などの生体信号に適用することにより、遠隔モニタリングにおける通信負荷を減らせます。我々の研究室ではこれらの研究・開発を、スポーツ健康科学部や企業など、各種機関と連携しながら行っています。また、英語教育についてはBYOT(Bring-Your-Own Technology)、モバイル学習、ゲーミフィケーションを利用した教育手法の開発や実習を行っています。とりわけ、情報端末を用いた児童に対する英語教育手法の開発に力を入れています。

圧縮センシングカメラの開発

脳波センサー

MRI装置

情報端末を用いた児童英語教育

複合現実感技術と次世代ヒューマンインタフェースに関する研究

リアリティメディア研究室

担当教員/木村 朝子・橋口 哲志

現実世界と仮想世界を融合する複合現実感 (Mixed Reality; MR) 技術の研究と、直観や経験を活かした次世代ヒューマンインタフェース (HI) の研究を行っています.MRの研究では、現実空間と仮想空間の幾何学的整合性や光学的整合性の精度向上を図り、これを設計・製造、建築・都市計画・防災、芸術・教育・娯楽等の分野への応用に役立てています。視覚的MRに留まらず、聴覚的MRや触力覚も併用する「三感融合型MR」や、目の前の物体を視覚的に隠蔽・消去するビジュアルマジック「隠消現実感」の研究も行っています.次世代HIの研究では、現存のPCの主流であるWIMP (Window, Icon, Menu, Pointing-device)型インタフェースを超えるインタフェースとして、大型スクリーンや卓上面を利用する「広視野電子作業空間」の実現、既存の道具のメタファを活かして直観的に利用できる「道具型デバイス」などの開発を行っています。

映画制作を支援するMR-PreViz の撮影風景

筆型描画デバイスを用いた電子彩色作業

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