名取 私は法学研究科への進学が決まってまして、最終的な目標は税理士になることです。税の分野は経済学や経営学からのアプローチもありますが、法律を知らなくては理解できない面がありますので、法学でしかできない税法の勉強を大事にしたい。ただ、税理士試験で、修士を出れば科目免除になりますが、それは良くないという議論もありますね。先生はどう思われますか。
國廣 僕はいいと思いますよ。現場の税理士でも大学院で勉強したいという人がいるでしょう。現場で仕事をしていると、実務の専門家にはなれても、全体像が見えなくなったり、新しい問題が出てきたときに、それを解決する理論や方法論がなかったりする。今税務で問題なのも、国際課税といった新たな現実問題です。理論から入っても実践から入っても、それだけだと偏った考え方で終わるだろうけど、今の大学院はインターンシップもあるし、体験しながら考えられる。
名取 学費の面も気になりますが。
國廣 立命館大学大学院特別奨励奨学金制度が発足し、全体で5割の院生に奨学金が給付されます。成績優秀者の約1割を対象に50〜75万くらい支給されるA給付と、約4割を対象に20万〜30万くらい支給されるB給付があって、かなり負担が軽減されます。日本育英会の奨学金も同時に受けられるんですね。ほかにも各種の奨学金制度が整備され、M1の院生の約9割が利用しています。
名取 先生も大学院に行かれて、研究者の道を歩まれたわけですね。
國廣 僕は最初から院に行きたかったんじゃなくて、先生が好きになって、勉強が面白くなったんです。知的好奇心というとかっこいいけど、簡単に言えば、勉強することが楽しい、好きだと。好きなことは一生懸命できるし、楽しみながらやると、興味も湧くし、視野も広がる。大学院というと難しく考える人もいるんだけど、自分のやりたいことができる場所です。学問はある種の挑戦だけど、挑戦することは楽しいことだし、楽しみながら新しい学問分野も開けていく。後になって立命館で大学院に行ってよかったと思ってもらえるように僕らも努力しています。学内進学者の募集は、前々年度の2月から始まりますので、学部生の諸君はぜひ、大学院も視野に入れてほしいと思います。
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