◆ 病態薬理学研究室の研究テーマ
「消化管をまもる:種々の消化器疾患の予防と治療法を提案すること」
消化器は、食道・胃や腸などの消化管と、肝臓や膵臓などの付属消化器官から構成されており、当研究室では主に消化管に注目していきます。
高齢化社会において汎用されている各種疾患に対する治療薬は、期待される主作用の反面、副作用として消化管粘膜に対する傷害性が問題視されている場合が少なくありません。そこで、消化管傷害などの副作用の少ないより安全かつ適切な薬物療法の提案を目指し、臨床で用いられる様々な薬剤による消化管傷害の病態解析をin vivoおよびin vitroの両面から行うと共に、予防ならびに治療法の提案を目指して研究を展開しています。
◆ 研究内容
薬剤性消化器疾患の病態解析と予防・治療法の提案
- 薬剤起因性消化管傷害
非ステロイド性抗炎症薬、抗がん剤、抗血小板薬、ビスホスホネートなど - ドラッグリポジショニングを利用した副作用の少ない抗炎症薬の開発
消化器疾患の病態解析とその発展
- 食道炎・胃十二指腸潰瘍
- 小腸炎(薬剤性、虚血性など)
- 大腸炎(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
- 肝炎(肝線維化など)
等の病態に関わる因子の探索を行うと共に、疾患の予防・治療において、グルタミン酸、天然薬物や、プロバイオティクスなどの応用の可能性と、新しい治療薬の提案を、実験動物および細胞を用いて研究しています。


共同研究(学内・学外)
- 薬剤起因性腸炎に関する検討
- 肝線維化の予防に関する検討
- 膵癌担がんマウスに対する化学療法に関する検討
- ドキソルビシン誘発心毒性の保護に関する検討
- 気道上皮細胞におけるイオン輸送および線毛運動に関する検討