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▼▼EVENT(スポーツ/学芸)▼▼ ─────────────────────────────────────── 全国各地で感染者が確認され、イベント・大会の中止や順延が相次いでいます。 ご案内できるイベントがなく、申し訳ございません。 新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息し、皆様にイベントのお知らせができるように願っています。 |
▼▼輝く学生インタビュー▼▼ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第153回 輝く学生インタビュー 目指すは、かるたクイーン?「畳の上の格闘技」を制したい 立命館大学かるた会 西 えりかさん ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている学生や団体を紹介します。今回ご紹介するのは、西えりかさん(産業社会学部1回生・埼玉県出身)です。小学生の頃から競技かるたの選手として活躍され、大学では立命館大学かるた会に入部されました。今回のインタビューでは、これまでの取り組みなどについてうかがいました。 Q.かるたを始めたきっかけについて教えてください。 5歳のときに幼稚園の先生から「漢字かるた」を教えてもらい、初めて遊びました。競技かるたは、すべての歌が平仮名で書かれた札を使用しますが、「漢字かるた」は、漢字と平仮名どちらも使って書かれた札を使います。小倉百人一首のなかの50首のみを使用し、取った札の数を競い合う「散らし取り」で行ないます。 「やるからには勝ちたい」と家でも「漢字かるた」の練習していたところ、小学3年生の時に全国大会で初優勝することができました。その後、両親の勧めで競技かるたに転向、全国大会で小学4?6年生まで3年連続で優勝しました。 Q.競技かるたについて教えてください。 小倉百人一首を使用して1対1で行ないます。全100枚の札から、ランダムに50枚を選び、それを25枚ずつ自陣と敵陣に並べます。読み手が読んだ上の句と対になる下の句の札を取ります。自陣の札を取れば自陣の札が1枚減り、敵陣の札を取ると「送り札」として、相手に1枚札を送ることができます。これを繰り返して、先に自陣の札をゼロにした方の勝ちとなります。選手同士の力が拮抗している場合は、1試合あたり約90分かかりますが、力の差が大きい場合は30分ほどで終わることもあります。 自陣・敵陣の札の並べ方、読まれる歌などによって、毎回試合の状況は異なります。つまり、無限にある組み合わせのなかで「どうすれば試合を有利に進めることができるのか」を追求することに終わりがなく、その奥深さに魅力を感じています。 Q.幼稚園・小学生のころはどのような練習をされていましたか。 歌を単語帳のように綴って、下の句を見た瞬間に上の句を読み上げる練習をしていました。また、「ながらえば またこのごろや しのばれん うしとみしよぞ いまはこいしき」という歌であれば、上の句「ながらえば」と下の句「うしとみしよぞ」の各句の数文字をあわせて、「ながらうし」という風に、語呂合わせのようなかたちで工夫して覚えていきました。 百人一首をわかりやすく漫画で説明した本も購入し、歌の内容・イメージと音をリンクさせて覚えることにも取り組んでいました。 Q.中学時代の取り組みについて教えてください。 学校ではバレーボール部に所属しながら、家では毎日2時間、3歳下の妹と練習試合をするなど、かるたの自主練習に取り組んでいました。 また、埼玉県のかるた会に所属し、週に1回通っていました。そこでは、高校生の方々と練習することができたので、上達につながりました。 一番印象に残っている試合は、中学3年生の最後の全国大会である「第28回全国中学生かるた選手権大会」決勝で、惜しくも1枚差で敗れたことです。 実は、この大会の前にバレーボール部の試合で左膝を痛めました。「すぐに治る。大したことない」と、かるたの練習に取り組んでいたのですが、痛みは増す一方でした。また、「この怪我を打ち明けたら最後の大会に出られないかもしれない」という思いもあり、周りには怪我を隠していました。 どうにか決勝まで辿り着くことはできたのですが思うような動きができず、結果は準優勝でした。膝の怪我が勝負にどこまで影響したかはわかりませんが、とても悔しかったです。その後、怪我について両親に打ち明けて、病院で診察したところ、靱帯を損傷していたことがわかり、手術とリハビリのために高校入学前の春休みに2カ月間入院しました。 Q.入院中はどのように過ごされましたか? どうにか自主練習ができないかと考え、病院のベッドの上にかるたをランダムに並べ、暗記した100枚の配置を紙に書く、という練習を毎日繰り返していました。机に向かい真剣に文字を書く姿を見て、お見舞いに来た母親が「勉強している」と勘違いしていたこともありました(笑)。 今振り返ると、怪我を通して、競技かるたにおける身体の重要性を感じました。競技かるたは「畳の上の格闘技」と言われることがあります。相手より少しでも早く札を取るために素早く動かなければならないので、体幹・膝・腕の振りが特に重要になります。 Q.高校時代はいかがでしたでしょうか。 競技かるたの強豪校である私立星野高等学校に進学し、競技かるた部に所属しました。 毎年7月に開催される「小倉百人一首競技かるた全国高校選手権大会」での団体優勝、同じ大会の個人の部での優勝を目標にしていました。この大会は「かるた甲子園」とも呼ばれ、小倉百人一首の第1首目「秋の田の かりほの庵の 苫を荒み わがころも手は 露に濡れつつ」を詠んだ天智天皇を祀る近江神宮で開催されます。 高校1年生のときから団体戦のメンバーに選ばれ、3年間、県の予選大会では優勝、全国大会である本戦に出場することができました。しかし、本選では優勝まで6回戦もあり、高校1・3年生は3回戦、高校2年生は初戦で敗退しました。 また、同全国大会本選の個人の部では、1年生3位、2年生2位、3年生3位と3年連続入賞することができました。毎年、前日の団体戦での敗北の悔しさを個人戦にぶつけて、「自分の持っている力を出し切ろう」と意気込んで勝負に臨んでいました。同じ宿舎にいた部員からは、「勝ちたいというオーラが出過ぎていて、話し掛けられなかった」と言われるくらい、気合いを入れていました(笑)。 特に印象に残っているのは、高校3年生のときの団体の部の本戦です。主将として、「絶対に優勝する」と意気込んで臨みました。結果、3回戦敗退となり優勝はできませんでしたが、「全力を出し切った」という達成感がありました。 上級生に頼り、自分のことだけに集中できた高校1・2年生の頃とは異なり、「チームとしてどうすれば強くなることができるか」を考えながら主将として最後の1年間は取り組みました。 例えば、新たな練習として体幹トレーニングを取り入れました。膝の怪我を経て、競技かるたにおける身体の重要性に気付いたこともあり、部員全員で練習前に必ず15分間の体幹トレーニングを実施することにしました。 最初は、「かるたにトレーニングは不要では?」と言われることもありましたが、継続して全員で取り組んだところ、「練習前に体幹トレーニングを行なうことで、動きがスムーズになった」「安定した動きで札を取れるようになった」といった声に変わっていきました。このトレーニングは、膝のリハビリをしているときに病院で教えてもらった内容を参考にしました。 高校3年間を振り返ると、優勝したかったという思いもありますが、心の底から悔しいと思えるほど、競技かるたと向き合えたことは、自分の誇りです。 Q.高校時代はどのような自主練習をしていましたか? バスと電車で片道約2時間半かけて通学していましたので、その時間を有効に使うことを意識していました。具体的には、頭のなかで仮想の相手とひたすら競技かるたの試合をしていました。試合に負けた次の日は、その対戦相手を思い出しながらイメージトレーニングをすることもありました。このイメージトレーニングは、目を閉じて行なっていましたので、スクールバスの運転手の方に「到着しました。起きてください」と言われたこともありました(笑)。 このイメージトレーニングを繰り返すことによって、様々なパターンを想定した良い練習になり、上達につながったと思います。 Q.札を素早く取るためのコツはありますか。 1つは、並べられた札の配置を覚えるための記憶力、素早く音に反応して札をとる瞬発力を高めるため、日々の練習の積み重ねを大切にすることです。 そして、2つ目は、「心を無にすること」です。素早く札を取れたときを振り返ると、何を考えていたか思い出せず、「無意識に身体が反応していた感覚」だけが記憶に残っています。 この感覚で札を取るには平常心を保つことも必要です。勝ちたい気持ちが強すぎると身体が硬くなって反応が遅くなります。また、弱すぎると集中力が続きません。激しすぎず、弱すぎず、「静かに炎が燃えている」ようなイメージです。その絶妙なバランスを常に保てるようにしていくことが、今後の課題でもあります。 Q.好きな歌を教えてください。 源重之の「風をいたみ 岩うつ波のおのれのみ 砕けてものを 思ふころかな」です。この歌は、「岩にぶち当たって砕ける波のように私の心も打ちひしがれている」というものです。本来の意味とは異なりますが、私はこの歌を思い出すことで「どんな困難にも動じない岩のようになりたい」と自分を奮い立たせています。 Q.東京2020オリンピックの聖火ランナーに選ばれたとうかがいました。選出された経緯について教えてください。 高校の先生から、「聖火ランナーの募集があるから、応募してみたら」と声をかけられたことがきっかけです。「競技かるたの楽しさを日本、そして世界中に発信できるチャンス」と思い、すぐに応募書類の作成に取り掛かりました。なかなか自分の想いをまとめることができず、何度も両親にみせて練り上げました。選出の連絡があったときは、「本当に私が聖火ランナー?」と夢のようでした。出身高校がある川越市を走る予定でした。このような状況ですので、実際どうなるかはわかりませんが、走ることになった場合は、競技かるたに対する情熱を胸に、しっかりと大役を果たせるように頑張りたいと思います。 Q.立命館大学産業社会学部を選ばれた理由を教えてください。 立命館大学かるた会は、競技かるたにおける女性トップのクイーンや男性トップの名人を輩出している名門です。そのような環境で切磋琢磨し、もっと強くなりたいと思い、進学しました。また、競技かるたの面白さをより多くの人に伝えるためには、メディアなどを積極的に活用する必要があると考え、産業社会学部を選びました。 Q.大学ではどのようなことに挑戦したいですか。 立命館大学かるた会では団体優勝、個人としてはクイーンを目指します。入学以降、残念ながら立命館大学かるた会としての本格的な活動はまだ行なえていませんが、埼玉県の実家で自主練習をしています。記憶力向上のために、トランプを使った「神経衰弱」を新たに始めました。効果はまだわかりませんが、新しい刺激を自分自身に与えることによって、競技かるたのパフォーマンス向上にもつながると信じています。 また、競技人口を増やし、競技かるたをプロ化することも目標の一つです。競技かるたでは、機械によるスローモーション判定などは取り入れていないので、判定がつかない場合は、当事者間の話を聞いたうえで、審判が判定します。そのようなルールも今後、プロ化を目指す場合は、整理が必要かもしれません。 映画『ちはやふる』の影響もあり、ここ数年競技かるたは注目を集めるようになりました。今後、より多くの方に楽しんでもらえるように競技かるたの普及に努めていきたいと思います。 ??? このような時期ですので、今回もインタビューは電話で行ないました。 現在自宅で行なっている自主練習について「毎日新しい発見があるのでモチベーションが下がるということは全くありません」とのこと。どのような状況でも前向きで、努力を惜しまない西さん。クイーンを目指す彼女から目が離せません。 |
▼▼編集後記▼▼ 4月30日(木)、「未来のBeyond Borders 応援サイト」を公開しました。そして、5月25日(月)、新たに3名の動画を公開しました。 立命館大学での学生生活のイメージを少しでもお届けしたいと思い、「STORY Beyond Borders -挑戦者の物語-」を企画しました。 STORY #07「失敗や試行錯誤の連続 そこから見えたのは、成功の道筋」松原翔吾さん(生命科学研究科2020年修了) STORY #08「“やるしかない” ただそれだけが自分の軸」近藤礼さん(経済学部2018年卒) STORY #09「“奈良の町をつくる” それが誇りであり、天職」胎中謙吾さん(理工学部2007年卒) 動画視聴アンケートはコチラ≫ (立命館CLUB事務局 坂東) |
▼▼第184号読者プレゼント▼▼ 今回は、「クリアファイル(Beyond Borders)」を10名様にプレゼントします。 プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。 なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします。 <応募締切:6/8(月)> 【パソコンの方はコチラ】 【携帯電話の方はコチラ】 ※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、 立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。 応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp) 応募必要事項 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: (3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想: (5)プレゼント発表時の氏名公開:可 否 (否の場合はイニシャルで表記いたします。 ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。) ▼183号読プレ当選発表▼ 多数のご応募ありがとうございました。183号の読者プレゼント当選者の発表です。 プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。 ・T.H.さん(兵庫県)・けいやんさん(石川県)・T.Aさん(福岡県)・reigomafさん(宮城県)・ななさん(大阪府)・Sさん(三重県)・野村祐一さん(北海道)・T.T.さん(香川県)・まあちゃんさん(京都府)・中田雄司さん(千葉県)・nancyさん(広島県)・C.M.さん(大阪府)・理工親さん(神奈川県)・たけちゃんさん(愛媛県)・M.H.さん(愛知県)・薬師桂子さん(東京都)・高水佳代さん(和歌山県)・なつごろうさん(新潟県)・坂本慎司さん(山口県)・ぜんちゃんさん(徳島県) 次回のご応募もお待ちしています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 次回配信予定は6月12日(金)です。お楽しみに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆バックナンバー https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/magazine/ ◆立命館CLUBホームページ https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/ ◆立命館大学ホームページ https://www.ritsumei.ac.jp/ ◆配信先の変更・解除 https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-meljr-a849c83c0a4b477a2a6d631dde627b21 [注意] ※リンク先は、時間の経過と共に変更・消去されることがあります。 ご了承ください。 ※メールマガジンを転載、その他の利用によって生じる事象につい て、立命館大学では一切の責任を持ちません。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ 発行:立命館大学立命館CLUB事務局 ■■ 〒604?8520京都市中京区西ノ京朱雀町1番地 ■■ TEL:075?813?8118 ■■ FAX:075?813?8119 ■■ ご意見、お問い合わせなどは、下記までお願いいたします。 ■■ メール rclub@st.ritsumei.ac.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
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