フューチャーモビリティ(FM)研究会
7回 2016年11月11日@立命館大学 フューチャープラザ
富士通テン×立命館大学学生PBL「若者のクルマ離れを食い止めよ」
野辺継男(インテル/名古屋大学)「イノベーションのための標準化:IoT×しクラウド×機械学習=自動運転」
講演メモ
- 毎年2倍で指数関数的に進化するICTによって、今後シンギュラリティに向け人工知能の時代を迎えます。
- コネクテッド・カー(Vehicle IoT)は高度運転支援と自動運転にとって不可欠です。
- ヒトの代わりにコンピュータがクルマを運転し自動運転が実現します。
- 深層強化学習の発展により、2020年頃自動運転は2極化された形で市場導入されると予測。
2極化;高速長距離部分自動運転(レベル3)と狭域型完全自動運転(レベル4)。 - 自動運転の実現はIoTの浸透の代表例の一つ。
6回 2016年9月13日@立命館大学 朱雀キャンパス
中川郁夫(インテック/大阪大学招聘教授)「デジタルイノベーションと市場変革」
井上佳三(自動車新聞社 代表取締役)「業界最新動向」
講演メモ
デジタルテクノロジーがもたらす変革は3種類ある。
- 破壊型の変革(Disruptive Innovation): 既存の業界構造を破壊し、市場に新たな仕組みを作り上げようとする変革。法制度・規制との衝突や既存事業者との訴訟などを伴うことが多い。
- 事業境界の変革(Business Boundary Innovation):既事業の知見をもとに、他市場で新たな価値を生み出す変革.第三者価値発掘。第三者立場では、オープン・イノベーションとして位置づけられます。
- 社会構造の変革(Social Model Innovation):社会構造・社会モデルが変革することを見越した、需要と市場の創出。長期的な社会構造の変革の推進と、その中でのポジショニング戦略が鍵。
→Uber によるタクシー業界の破壊の本質、Nest による「第三者価値発掘」モデル、Google が自動運転の先に狙うもの。
5回 2016年6月20日@ダイキン工業オープンイノベーションセンター
新家伸洋(ダイキン工業)「ダイキン工業のオープンイノベーション」
山村真(国交省)「先進安全自動車の取り組み」
講演メモ
- ダイキンのオープンイノベーションの取り組みと技術センターの5つの機能
- 世界一の技術者であるためにに競争を持てる場 (ライバル情報、グローバル市場情報、最新技術向等のえる化など)
- 世界中の技術者が「またここに来たい」と本気で思う場 (最高の研究開発環境・設備、環境先進建築、ホスピタリティなど)
- 多様な人材が渾然一体となったワイガヤで協創できる場 (大空間オフィス、知の森、フューチャーラボなど)
- アイデアの現化をスピードアップできる場 (デザインプロセスの実践、試作工房、スタジオ型実験室など)
- 逞しく追い込むことで技術者が誇り・ステータスを持てる場 (技術レベルのえる化、技術歴史館での歴代功績者展示など)
- 基準と標準をつなぐ戦略的な検討を行う場を設置し、自動走行に係る重要なテーマについて基準化と標準化の国際動向を共有するとともに、我が国としての将来像を踏まえ、国際的な活動をリードできる戦略づくりを進めていくべきです。
4回 2016年4月22日@立命館大学 大阪茨木キャンパス
正田英介(鉄道技術総研会長/東京大学)「スマートモビリティを実現するCPS」
井上佳三(自動車新聞社 代表取締役)「業界最新動向」
講演メモ
- 情報ネットワーク技術の進歩がさらに進み、それを取り込んだシステムがビジネス面でも運用面でも広がると交通輸送もスマート化せざるを得ない。
- これは道路交通分野でのITS導入の動きとも関連し、鉄道産業の国際化にも影響を与えます。
- その際に妥当性は別として総体的な交通輸送機関に対してスマートさの指標を適用して論じられる可能性は高い。
- 総合的な構想を持ちながら具体的には部分的なスマート化から進まざるを得ない。
- Smart System の実現は制御論的な取り扱いに依存するところが多いので、その方面の基礎力が大切になります。
3回 2016年2月10日@立命館大学 フューチャープラザ
重松崇(富士通テン 会長)「IoT時代のクルマの将来」
善本哲夫(立命館大学経営学部教授)「デジタルマニュファクチャリングとイノベーション」
パネルディスカッション
林義弘(住友電工 執行役員)、白坂成功(慶応大学SDM研究科教授)、村山浩之(デンソー 技監)、徳田昭雄(立命館大学経営学部教授)、司会:田丸喜一郎(IPA/SEC調査役)
講演メモ
- 業界を跨るアーキテクチャ・プロセスの再構築、そのための仲間作り(エコシステム)、標準化活動が重要です。
- 標準化や多様な人材(財)を動機付けするマネジメントの確立に向けて、アーキテクト、インテグレータ、企業家、産業・公共政策(企業家としての国家)を束ねる組込みイノベーション協議会を立ち上げます。
- IoT時代のビジョン経営のための5つの処方箋
- ことづくりファースト、ソフトウェアセカンド、ハードウェアラスト:(戦略)ソフトウェアによる「ことづくり」とエコシステム作り起点の戦略を取れるか
- オープンイノベーション:(プロセス) エコシステムづくりのために、損して得れの社内プロセスを実⾏できるか
- ストック型ソフトウェア開発:(戦術) エコシステムを強化するため、ソフトにノウハウ資産蓄積を継続できるか
- コーディング重視・運用重視:(人事・技術) コーディング、テストを⼯数単価で評価していないか? PF略、課題対応で優秀なコーディング経験者を重⽤しているか? クラウドでは運⽤し、顧客対峙しながら新規機能開発が重要
- 現場へのエンパワーメント:(意思決定) 旧来の価値観のトップマネージメントが居座っていないか
- 量産、開発ともトータルプロセスを考える組織がない
- 組織は縦(製品軸)・横(技術等の機能軸)時代で変わる
→常に両面での思考が重要 - トヨタ生産方式 人、物、情報を考えた一種の量産IoT
開発仕組み、受注仕組みプロセスを追加すればいい