フューチャーモビリティ(FM)研究会
12回 2017年12月1日@立命館大学 フューチャープラザ
建山和由(立命館大学理工学部教授)「建設技術の新たなステージ i-Construction」
井上佳三(自動車新聞社 代表取締役)「MaaS最新動向」
講演メモ
- Constructionの目標 : 建設業の体質改善 新3Kの実現
- 具体的な手法 : 生産性の向上。ただし、画一的なモデルはない.会社の社風,社員構成,規模等に応じて, それぞれにあったi-Constructionを創り上げることが必要。
- 成功事例の共通点は,成果の定量的評価の組織内での共有と若手層の活躍。
- 必ずしもICTを導入する必要は無い。ただし,ICTを用いると今までできなかったことができるようになり,問題解決が大きく進む可能性があります。
- ICTを導入することを目的とするのではなく,目的を決めてその達成のために最も良い方法を考えることが重要。
- 機械が優位なところと,人が優位なところを区別して,両方の利点を活かす融合策が有用。
- 現場において常に一段上の技術を目指す雰囲気の醸成により創造的な産業への転換を目指す。絶滅危惧分野からの脱却。
11回 2017年9月15日@立命館大学 朱雀キャンパス
渡邉洋治(SMBC日興証券)「アナリストが占う自動車産業の未来」
林和彦(住友電工 専務取締役)「顧客満足とは?」
講演メモ
デジタルテクノロジーがもたらす変革は3種類あります。
- EVが来るような話になっているが、勉強不足。アナリスト的には、中国以外EVはペイしない。
- 操作データではGAFAにやられてしまったが、industrial & real time dataでは国益死守すべし。
- データを活かしてunkown needsの見える化こそが競争優位の源泉。
- 先が見えない社会だからこそ、ビジョン構築競争。
- イノベーションがものをいう時代には、アリ(ルーティン型)とキリギリス(揺らぎ創出型)の共存が肝要。
- 自動車の稼働率上昇(現状5%以下)による、買い替えサイクルの短縮化。
- 最適なエネルギーミックスの自動選択:短距離はEV、長距離は内燃機関を、配車時に自動的に決定。
- 渋滞の解消、駐車場の郊外への移動
- 自動車でもO2O(Online to Offline)が可能になる:車内で広告を見れば料金を無料に。事故渋滞分散のために周辺レストランへ車を誘導、クーポンのコストは削減されたエネルギーで補てん。
- タクシー会社は、自動運転車車内清掃会社に転換
10回 2017年6月30日@立命館大学 フューチャープラザ
白坂成功(慶応大学SDM研究科教授)「システムデザイン・マネジメントとは」
平鍋健児(チェンジビジョンCEO)「アジャイル開発とスクラム」
講演メモ
- イノベーション実現に向けた思考・行動様式(顧客×経営×技術)のあり方。
- 相克する(と思われている)システムデザイン・マネジメントとアジャイル開発との接点、共存・補完のあり方
→要は状況に応じてバランスよく使い分けること - ともすると,議論は You vs. Me You vs. Us になりがち。
→「問題」と「⼈」とを分離しつつ Problem vs. Usにもちこむ(= ホワイトボードを使う、 座り⽅を替える、 ペアプログラミング)。 - 「最新の正の情報」が、「⼀箇所に」、「⼤きく」書か れていて、それを、「両チームのメンバー」、「審判」 、「観客」が⾒ている。 「次の⾏動」を誘発します。
- アジャイル5原則
- ⾒える化(Management by Sight) – ⽬に⾒えるようにして、⾏動につなげます。
- リズム(Rhythm) – ⼈間活動として定期的なリズムを設計します。
- 名前づけ(Name and Conquer) – 気づいた概念に名前をつけておく。
- 問題 vs. 私たち (Problem vs. us) – 「問題」と「⼈間」を分離します。
- カイゼン(Kaizen) – 継続的に、今の⾃分たちにできる、⼩さいことから。
9回 2017年4月21日@ローム本社
菅沼直樹(金沢大学教授)「自動運転の現状と今後」
井上佳三(自動車新聞社 代表取締役)「業界最新動向」
講演メモ
自動運転の課題
- 技術的課題:コスト,ロバスト性、いずれ解決可能
- 無人化は別問題:
法律的課題=手ばなし運転は違法、現行条約,法制度下
事故の問題=自動運転で事故は削減可能、単独車両の自律化で事故0は難しい、 車両の性能はタイヤの性能で決まります - 通信によるラストワンマイルの実現
単独の車両では察知できない情報を事前取得:事故を限りなく0に近づける(それでも事故0は難しい)、通信への過度な依存は危険
8回 2017年1月27日@立命館大学 フューチャープラザ
湊宣明(立命館大学MOT研究科准教授)「航空・宇宙モビリティの未来」
砂口洋毅(NEDO)「サービス指向IoT技術開発の構想」
講演メモ
- モノづくりを活用したIoTサービス創出
単独のITサービスではなく、日本のものづくりを生かし、モノから集まるデータを活用できる基盤的環境の整備、経験と勘に代わる、ツールやDBを用いるサービスデザイン - AIのためのデータ収集と解析
難しいセンシングデータの収集、オープンなビッグデータの流通と連携、クラウドに集まるデータの保護 - IoTサービス展開のソフトウェア基盤
組込みソフトウェアを共通プラットフォームに載せて展開を容易にすること、サービスモデル化ツールによるソフトウェアの上流設計 - セキュリティとセーフティの確保
高機能暗号やブロックチェーンで安全なIoTのM2M連携、運用時よりも設計時に、バグや脆弱性を排除 - Aerospace Management (航空宇宙経営学)とは、 航空宇宙分野のマーケティング、技術開発、製造、 調達、サービス設計他を、戦略的かつ統合的に企画、実行するための学問です。関連領域は、経営学、技術経営学 • システム工学 • 航空宇宙工学。