フューチャーモビリティ(FM)研究会
第27回 2020年12月18日
~アマゾンでお求めできない価値だけを津々浦々のあなたと共に~
演題「定額住み放題 多拠点生活プラットフォーム ADDress×モビリティ」by アドレス
代表取締役社⻑ 佐別当 隆志 氏
講演メモ
- ADDressは「都市と地方の人口シェア」を可能にする→「地方」のあり方を変える
- ADDressプラットフォーム×サービス(農具+教育+文化+部活+医療…)=コミュニティ/共同体≒「まちやど」
→地域の価値を上げる+オーガニックな生産性向上(交流人口&生産人口↑) - プライシング政策は「4万円ありき。4万円で成立するモデルを構築した」
- かつてのAirbnbが捨てた価値の堅持
→その肝は「家守(やもり:物件管理者×コンシェルジュ)」の存在とその品質
→家守に紐づくリピーター - ADDressのプラットフォームから生み出されるサービスは、アマゾンのプラットフォームでは買えないものばかり(非アマゾン的)
- 佐別當氏(スナック好き)の世界観が反映されたコミュニティのようだ(アップル的)
- 日本の大学(社会科学系)の役割の一つは「政策起業家」の育成にあり
第26回 2020年11月13日
~化けずとも 生きながらえる 里ありや 人のカオした 緑のタヌキ~
演題:データサイエンティスト 原 泰史 氏(一橋大学)『「ものづくり」と「DX」はどのくらい仲良しになれるのか? - データと実務から見る現状分析』
司会:徳田昭雄
講演メモ
- データサイエンティスト(=原氏)は、プログラミングスキル、数学、エンジニアリングスキル、因果関係を特定するためのスキルを有するひと。
→将来コンサルのおじさんに騙されないくらいに、文理関係なくプログラミングの「いろは」はマストなり。 - DXとは、データサイエンス、データ分析で業務や事象の数値化・自動化やデジタル化を行い個別の事業プロセスを最適化することを、社内機構の変革を含めて全社的に行い社内の取引コストを最適化すること。
→取引価値の創造に向けて取引コスト最適化
→①ビジョンの策定、②駆動目標策定、③既存部局をベースとしたデータ(機能)プール&分析、④駆動目標への紐付け、⑤組織再編(機能のタスク、プロジェクト、組織への再配分)、⑥中位下位目標に対するKPIの策定、⑦PDCA - データの効力が期待されるのは、国家予算争奪戦の「ポンチ絵」として活用されるとき。
→という場合もある(^^)
→標準化政策で「ポンチ絵」よく書いたなぁ。主語をDXとかAI、IoTに変えても そのまま使える「ポンチ絵」。「経済性、効果を数字で‼︎」っよく言われて半分聞き流してたのを思い出した。 - カンバンとか言ってるけど、部署ごとにデータがバラバラ、繋がっていないのがリアリティ。解析を行うための方法論や理論もない。
→方法論や理論はサイエンティストに「ある程度」お任せしたとしても、それを使ってストーリーに仕立てようとする経営者か否か。そこが全て。 - データ集めて分かりたいことが、車に塗装する色、しばらく青が来るよ!ってこととか 4限終わりの学生、湿度30を切った今 呑みたいジュースは炭酸系、ってことか、、、、
- 「データはあくまで数をみているだけ。経営者の心の機微や組織体制の細やかな変容や経営者の意思決定の変化を、細かくデータで追うことは出来ない。」という言説。
→データがあれば、かなり色々なことがわかるし、データ分析の技法は取得したほうが良い。
→データで説明しきれない特殊性や特筆性については、まだ定性分析に出来ること「は」ある。
→特殊性や暗黙知も出来るだけデータ化(形式知化)してみる。 - データレイクは、さまざまなタイプの分析を実行し、的確な意思決定に役立てることができる。先ずはデータをかき集めろ。
→意外に楽しそう。「目的のための」データ集めが好きな権力者(経営者)×サイエンティスト
→データの「どんぶり勘定」から始めよう。
→「形式どんぶり×暗黙どんぶり」連関面白そう。
→どんぶりから特徴や因果抽出はオートでできるものなのだろうか?その手法がインテリジェンス(秘中の秘)なの?そこは内製化ってことだよね。おせーてウサギさん。 - データレイクのような、社内の各部署にあるデータセットを接合しあい機械学習や予測などを行うための、組織上の課題は何か?
→デジタルビジネス・プロデューサー、バランス、beyond border。今はそれらを行う人材の内製化のメリット大きい。 - "Make or Buy" syndrome for DX/IT? 外部からわかるやつを持って来て外付けはNG。主要部門にできる内部の者を配置。育てる。
→ Make or Buy、どのフェーズにいるのかを見定める(市場のケイパビリティの成熟度、社内のケイパビリティ活用効果)。
第25回 2020年9月04日
~スピードが 肝の世界で じっくりと 我が身ひとつは 波のまにまに~
講演者:大川泰蔵さま(株)JVCケンウッド理事 DXビジネス事業部長(阪大(工)修了、NTT、GCAサヴィアン、産業再生機構、 産業革新機構を経て現職)
演題 : 「JVCケンウッドのDXとモビリティ事業」
解題 : 立命館大学 依田 祐一先生
司会:徳田昭雄
講演メモ
- メーカーであるJVCケンウッド社にて、新規事業を担当し、AI等を駆使したテレマティクス分野にて、インドネシアのGrab社とのオートモティブサービスを提供するなど、4年間で100億円超の事業規模に成長。
老舗企業にてdx事業が開花した要素
- タフで明るく前向きで、企画力、交渉力、プロデュース力に長けた、やり甲斐至上主義の外様(異分子)を見出し、自由にやらせた
→登用する側の目利き、覚悟、運
→登用される側の運、人間性、経験値、ネットワーク、能力 - ︎社内に眠っている人的資源に目を向け 手をかけ、新しいケミストリーで活性化した
→野村再生工場、過小評価されているプロパー社員重視、新しい「駆動目標」の設定、ナビゲート力 - ︎スピード重視。社内の品質基準、社内リソースに拘らず 3ヶ月かかるところを3日でカタチにした
→完成度120%より 3日で50%、アジャイル
→社内のルール、カネ、モノに拘らない
→事業ターゲットを決めるまではじっくり、決めた後は一気に - 日本企業による海外資本出資ネットワークと和僑との繋がり
- 挑戦心
- Digital Transformationは「デジタル技術が人々の 暮らしに与える様々な変化」として理解される ( Stolterman and Fors 2004, p.689)
- Digital Business Transformationは、「デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを用いて組織を変化させ、業績を改善すること」 (Wade et al. 2019, 訳p.27)
- 企業が、戦略的な優先事項として DXを設 定する必要性について問い直すまでもない (程度に重要だ)。 しかし、どのように享受するか?、が問いである(Hess et al. 2016, p.123 )
第24回 2020年1月31日@公益財団法人鉄道総合技術研究所 国立研究所
第1部 施設見学会
第2部 講演会
徳田昭雄(立命館大学)「MaaS研究の一丁目一番地」
西岡靖一氏(セゾン自動車火災保険執行役員)「自動運転の法と保険」
井上佳三氏(自動車新聞社代表取締役)「MaaS最新動向」