研究プロジェクト

現行の研究所重点プログラムの実施体制および研究内容

地域情報研究所(以下、本研究所)は、政府、自治体、企業、住民等との社会的ネットワークを形成することを通じて、「地域」を基軸とする研究領域・方法の開拓と、より良い地域社会の形成に貢献するという「地域科学」(Regional Science)の実践を目指してきました。第3期研究高度化中期計画(2016-2020年)においては、本研究所が拠点を置くOICのキャンパス・コンセプト(以下、CC)である「アジアのゲートウェイ」という視点を取り入れた研究展開を図るために、アジア地域の諸課題へと対象を拡大しました。ローカルな意味における地域や都市が一定の自立性を有しつつも、広域(リージョナル)、国民国家(ナショナル)、世界(グローバル)という各圏域の社会的・経済的・政治的な動向の影響を否応なしに受けることから、圏域の重層性を意識した地域科学を構築することが必要となっています。逆に、ローカルな地域実践が国の制度改革へつながる政策サイクルを体系化することも重視しています。現代における総合的な地域科学を確立することを共通目的として、本研究所の3つの重点プロジェクトは個別性と総合性をらせん状に往復する取り組みを展開しています。

アジア・フューチャー・プロジェクト

代表者: 上久保 誠人
研究概要: OIC のCCの一つ「アジアのゲートウェイ」の理念の発展に資するアジア・フューチャー・プロジェクトは、アジア各所で顕在化しつつある多様かつ複雑な資源問題を中心に、政治学や環境学の観点からアジアの将来を展望する研究に「グローバル」な視点から取り組むことを中心テーマとしています。

北摂地域における社会文化資源の再発見と発信に関する学際的研究(通称、北摂プロジェクト)

代表者: 稲葉 光行
研究概要: 大阪府茨木市を中心とした北摂地域を対象とし、社会学、歴史学、経済学、経営学、社会心理学などの学際的なアプローチによって、同地域に蓄積されてきた社会文化的・歴史的資源を、「ローカル」な視点から整理・再発見し、オープンデータ化して発信することを目指します。本プロジェクトはCCの一つ「地域・社会連携」を担います。

人口転換期におけるアジアの都市政策研究プロジェクト

代表者: 森 裕之
研究概要: 日本とアジア諸国に共通する問題を「グローカル」「リージョナル」「ナショナル」な視点で研究します。主に、アジア諸国の都市の拡大・縮小過程における都市問題の新たな局面に着目しつつ、それらの動向に関連した政策科学上の小テーマの積み上げを行っています。その一つとしての日本の都市問題については、研究メンバーによるチーム調査と茨木市等の自治体との連携を通じて実践的研究を進めています。本プロジェクトはCCの一つである「都市共創」に重点を置いています。