「想像」をカタチに
加藤千江さん(経営学部3回生)
松浦総一ゼミ所属、Student Innovation College2010に出場し、毎日新聞社賞を受賞
普段は、松浦先生のゼミで会計関係の勉強をしている私たち。先生から、「Student Innovation College2010」のことを聞いた時も、商品開発のノウハウは「ゼロ」で、まさに手探り状態からのスタートでした。
「自分がほしいと思う商品を作りなさい」という先生のアドバイスを元に、いろんなジャンルの中から、私たちが選んだのは、「枡」です。商品を考えるにあたり、枡の特性である「量る目的」と「調湿効果※1」を調べ、そこから枡の持ち味を最大限に活かしたいと思い、オリジナルの調味料入れを作ることにしました。(※1調湿効果・・湿度の高いときには湿気を吸収し、乾燥しているときには水分を放出して湿度を快適に調整すること。)
そこで、この特徴を活かせるものは塩や砂糖のようなものだけだと思い、そこから試作品作りに取りかかりました。これが本当に大変で、ダンボールや発砲スチロールと、さまざまな素材を試しましたが寸法を間違ったり、思うように組み立てられなかったりと、失敗の連続でした。私たちのこだわりは、使った時に、自然と「大さじ1杯」を量れるようにすることだったので、調味料がつまって出てこなかったり、細かい作業だったりしてなかなか思うようにうまくいきませんでした。
夏休み中にあった進捗状況を報告するプレゼン会では、まだ大まかな企画案しか出せなかったので、そうとう焦りましたね。それでも諦めず、少しずつ構造を変えて実験していった4回目の試作品。やっと思い描いた構造が「カタチ」に変わりました。うまく砂糖が出てくれた瞬間は、言葉にならないぐらい嬉しかったですね。
私たちは、完成した商品にすごく自信を持っていたわけではありません。コンテスト直前にゼミ内のプレゼン会で指摘された問題点や自分たちが気になっていた問題点など、気になることが多くとても不安でした。コンテスト当日も他校の班のアイデアがどれも素晴らしく思い、ただただ圧倒されたのを覚えています。しかし私たちのアイデアが賞に選ばれた時は、とても驚きましたね。一瞬ウソだと思いました。(笑)
私たちはコンテストを通じて、チームで動く大変さを学びました。そして商品企画するうえで大切なことは、凝り固まった私たちの意見を崩してくれるのは他の人の意見であり、良いものを追求していくためにはその意見を率先して受け入れていくべきだと思います。
自分の想像していたものが「カタチになる」ことは、楽しいし、嬉しいですね。さらに考えたアイデアが的外れではなく、他の人に認められることは、「商品を作る」上での大きな魅力ですね。今回、賞をいただいたことによって、これまでの苦労が吹っ飛びました。将来は企画する仕事を目指し、その気分をもう一度、味わってみたいです。
最後に同じチームだった渡辺 旭さん、田尾 彰裕さん、また企画に関わっていただいたみなさん、本当にありがとうございました。