微力だけど、無力ではない
沈 懿さん(経営学部4回生)写真:右
楊 洋さん(産業社会学部3回生)写真:左
世界遺産 仁和寺でスタッフとしてPR活動を行う
私たちは、京都にある仁和寺でスタッフとしてPR活動をしています。「仁和寺で留学生のスタッフの募集をしている」と聞き、応募したのがきっかけ。活動を始めるまでは、「お寺」いうと堅苦しく、「新しいことにはなかなか挑戦できない」という勝手なイメージがありました。ですが、仁和寺の職員の方は、みなさんとても柔軟で、自分達が出したアイデアを実現するためにとても協力してくださったことに驚きました。「グローバルなお寺だな」と(笑)。
実際に活動を始めたのは4月。具体的な活動内容は、外国人観光客の案内と中国語・英語版のホームページを充実させること。また、活動する中で感じる日々のことや、仁和寺の歴史や情報、写真をブログにアップし、海外に向けて情報発信しています。
とは言っても、日本の文化を発信するためには、まず自分たちが理解を深めなければなりません。そのため、仁和寺の歴史だけでなく京都の歴史や寺院、茶道についてなど幅広く学びました。また、日本特有の文化やしきたりをどう分かりやすく翻訳するかというのにもとても苦労しています。ガイドとしての知識はまだまだ足りませんが、実際に案内をした観光客の方が「なるほどね、ありがとう」と喜んでくれた姿をみると、とても嬉しいです。そこにやりがいを感じ、さらに勉強しようと励んでいる毎日です。留学生の視点から日本文化を世界へ発信することは、京都の大学に通っているからこそ、実現できたことではないかと思います。
また最近は、東日本大震災の影響などで外国人観光客の足が遠のいているのを感じています。日本で学ぶ留学生として私たちにできることは、「日常」を伝えること。「日本は安全だよ」と強調するのではなく、美しい庭園や人々の笑顔、平和な日々の事を伝えることで、安心安全で美しい日本の姿を伝えていきたいです。「微力だけど、無力ではない」。そう信じています。より多くの方に私たちの大好きな「日本」を知ってもらいたいです。またぜひ、仁和寺にもお越しください。日本の“美しさ”を十分に堪能して頂けると思います。
- 取材・文
- 中田千里(国際関係学部3回生)