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370 -  立命館災害復興支援室「私たちにできること」

立命館災害復興支援室「私たちにできること」

北川 真理子さん(立命館大学総合企画課職員)
立命館災害復興支援室 専任スタッフ
災害復興支援のさまざまな取り組みに携わる

  • No.370
  • 2012年3月26日更新
私は、立命館大学総合企画部総合企画課に在籍。現在は、立命館災害復興支援室の専任スタッフとして、災害復興支援の取り組みに携わっています。

東日本大震災発生後、大学の対応として当初は、「東日本大震災関連特別検討プロジェクト」を設置。学生の安否確認や、被災した学生への経済的支援の決定、ボランティア活動の窓口設置などを行ってきました。その後、より円滑に大学の取り組みを推進するために、「立命館災害復興支援室」が設置されました。
災害復興支援室では、学内外の情報の取りまとめや「立命館災害復興支援基金(復興+R基金)」の設立、対外的支援要請の窓口、学生・教職員の支援活動のサポートの他、学内外への情報提供のためのwebサイトの構築、TwitterやFacebookの運営を行っています。
立命館が教育・研究機関として、東北とは遠く離れた関西から、様々な復興支援に取り組んでいることを効果的に発信しつづけていくことは、今後も息の長い支援を展開していく上で重要だと考えています。

また、学内のボランティア活動の支援を行っている他、災害復興支援室が企画し「後方支援スタッフ派遣」と銘打った独自の学生ボランティア派遣も行っています。2011年末から2012年3月までの春期休暇の期間で、計6便のバスを運行、各便に約15名の学生が参加しました。毎回スタッフの半数近くはボランティア経験のない学生です。昨年12月に運行した第1便は、クリスマス期間に学生スタッフがサンタの衣装で被災地の方にプレゼントを届け、その後の第2便は、年末年始期間に、被災した小学校の掃除や、被災地で開催された年越しイベントのお手伝いに取り組みました。

 

実際に被災地を訪れて感じることは、地域の特色や暮らす人が違うように、復興していく上での課題は多様で、その解決方法も答えが一つではないということです。まだ瓦礫すら片付いていない場所もありますし、震災から1年が過ぎた今も3000人以上もの方が行方不明のままです。津波により大切な人やお仕事を奪われて、まだ一歩前に踏み出せない方も大勢いらっしゃいます。
東北の復興の状況を一言で表現することはできませんが、多くの方々がそれでも前に進もうとされています。いつも驚かされるのは、現地でお会いするみなさんが、私たちにとても明るく、優しく接してくださるということです。関西から来た私たちに興味や親しみを持って接してくれますし、「こんな遠くまで来てくれてありがとう」と温かい言葉で気遣ってくださいます。

   

後方支援スタッフとして参加する学生たちもこうした現状を目の当たりにし、復興という複雑な課題をいかに乗り越え、以前の暮らしを取り戻すかということを、肌で感じて知ることができます。現地での短い活動時間の中でも、この震災が他人事ではなくなって、長期的に被災地を支援するために、学生である自分たちに何ができるかと考えるようになります。東北が好きになった、また来たい、いつか東北で働きたいという学生もいました。被災された人と実際に接し、それぞれが大学で学ぶ分野や、これから社会人になることを通じて、復興に貢献したいと考えるようになったと話してくれた学生もいます。学生の皆さんと一緒に東北を訪れるたびに、私個人としての震災に対する思いもですが、大学生が東北に訪問しボランティアをする意味について、いつも新鮮な発見があります。

以前、被災した地域を現地の方に案内して頂いた時に「大学生のボランティアに、被災地の方々はどんなことを期待していますか?」という学生スタッフの質問に、仮設住宅で暮らす地域の方は「遠く京都から東北まで来てくれたその気持ちと、今こうして一緒に被災地に立って私の話を聞こうとしてくれていることが何より嬉しい」と返答がありました。その言葉を聞いて、私は、移動時間をかけて被災地を訪れ、現状を知り、現地の人の声を直接聞くことの意味の大きさをあらためて感じました。大学生の皆さんには、関西から募金をしたり、大学での学びや専門性を支援に活かしたりする一方で、被災地を訪れて、自分の目と耳で被災地を知ってほしいと思います。復興という難しい課題のなかで、大学生のもつ力の大きさを信じています。そのための機会を今後もつくっていきたいと思います。

 

復興支援を継続していく上で、誰が何をどうするべきなのか、その明確な答えはないと思いますが、震災を、東北で今も頑張る方々のことを、より多くの人たちが「忘れない」ことが大切だと感じています。そのためにできることを、今後も職員として全力で取り組みたいと思っています。

■立命館災害復興支援室HP
■Twitter
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  • 取材・文
  • 梅田友裕(政策科学部1回生)

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