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りつまめ納豆のおいしさの秘訣、大公開!  ~食卓で地域貢献~

山田大地さん(社会学研究科 博士課程前期課程2回生)
産業社会学部 京北プロジェクト  所属

  • No.430
  • 2012年8月24日更新

 「りつまめ納豆」は、産業社会学部と右京区のNPO法人フロンティア協会とが包括連携協定を結び、納豆発祥の地である京都市右京区京北地域の活性化に取り組む教学プログラム「京北プロジェクト」の一環です。今、農林業を主要な産業としてきた中山間地である京北地域は、深刻な高齢化と過疎、それに伴う農林業の持続や環境保全の課題に直面しています。その問題を解決すべく、京北地域に古くから伝わる「わらつと納豆」の文化に注目しました。京北地域を「納豆の里」として京北をPRし、まちづくりにもなるオリジナルの納豆をつくろう!と2011年10月「京北・りつまめ納豆」が誕生し、販売を開始しました。

                     

京北プロジェクトは、これまでも“わら”でつくる伝統的な納豆づくりの伝承や大豆栽培を通じて第一次産業の意義を再認識し、地域おこしをさまざまな方の協力のもとで行ってきました。この「京北・りつまめ納豆」は、明治十年創業の京都の老舗納豆メーカーである(株)森口加工食品さんや、わらつと納豆づくりを指導してくださっている京北の上野農園さんにも協力と連携をしていただきながら完成させた新しい試みです。 この「京北・りつまめ納豆」は、売り上げの一部が京北地域のまちづくり基金として積み立てられ、地域が活性化する商品となっています。
2011年10月の販売当初は、月間1000パックの生産でしたが、今年5月には5000パックまで増え、売れ行きは好調です。理念や企画の段階から自信がありましたが、浸透するまでは、がんばる覚悟をしていました。でも、これほど手に取っていただけているのは、想像以上で、まだ自分でも信じられないです。

企画会議は、白紙の状態からスタートしました。「どんな納豆にするか?」「納豆の里であることをどうPRするか?」をテーマに、みんなでアイディアを出してコンペを行った結果、僕が提案した「りつまめ」という名前が採用されました。立命館大学が携わる納豆という意味を込めて立命館の“りつ”と大豆の“まめ”を合わせたネーミングです。1番苦労したのはパッケージのデザイン。「京北はどんな地域か?」「どんな意味があるのか?」「売上げの一部が京北地域のまちづくりに活用されるというコンセプトを、パッケージ上の限られたスペースでどのように伝えるか」、他の商品のパッケージを研究したりデザインの本を読んだり、ゼロから勉強しました。

りつまめ納豆の最大の魅力は、豆の大きさです。大豆は、「オオツル大豆」を使用しています。大粒であるため、大豆がもつ本来の味が濃縮したおいしさを味わうことができます。さらに美味しさが増す「4つの理由」があります。1つ目は、大前提ですが、京都の老舗納豆メーカー森口加工食品さんが丹精を込めてつくっている「味」への信頼です。「りつまめ」は京都の信頼食品に与えられる「京都ブランド」(※1)にも認定されました。2つ目は、納豆発祥の地の文化を伝えるものであること。3つ目は、京北が過疎化しているという社会問題の提起に対して、「食べる」ということでまちづくりになるということ。4つ目は森口加工食品(産)・NPOフロンティア協会(民)・立命館大学(学)・上野農園(地)、そして学生が、京都で活動するものとして協力し合い、つくり出している商品だということ。これらが「りつまめ納豆」の美味しさの秘訣だといえます!

             

学生である僕たちは、農作業や商品の企画、営業や販売も未経験でしたが、大豆のつくり方や納豆の漬け込み方、京北地域の状況を理解しながら商品をPRできたと思います。今では販売店の方から「りつまめ納豆を販売させてください」「今度りつまめ納豆を販売するので、学生の方にPRしてもらえませんか?」と声をかけて頂けるようにもなりました。僕たちの熱意がダイレクトに伝わり、注目されているんだなと肌で感じられて、嬉しい瞬間ですね。今回のプロセスを通じて、商品がどのように売れていくのか、大豆づくりから商品の販売までを経験できたことが貴重な勉強になりました。また、自分たちの食べているものが、どのような環境や人々の思いでつくられているのか、身をもって分かることができました。そして、この「りつまめプロジェクト」を、六次産業ネットワークの構築による、過疎地の第一次産業や土地環境の持続可能性を高める新たなまちづくりの突破口として、今後も発展させていきたいと思います。地域の抱える課題を消費者のみなさんと共有し、商品購入を通じてお金の流れや認知を過疎地にもたらすシステムづくりに、産業社会学部が関われたことは、学部全体のアクティブラーニングとしても良い影響があったと思います。

今は、「京北産」の大豆の生産にも取り組み、上野農園さんやNPOのみなさんに教えていただきながら、僕たちも毎週、農作業に励んでいます。学部生や院生だけではなく、プロジェクトのOB・OGのみなさんや他学部生も参加してくれています。しかし、新しい農地をつくっていただき、地域のみなさんの負担が増えてしまっている現状もあり、解決すべき課題も残っています。今後は、産業社会学部として第一次産業(農業)のあり方にふさわしい学部の学び方をつくっていきたいと考えています。

「りつまめ納豆」には、これからも長く愛されていってほしいですね。プロジェクトの夢は、京北地域の「納豆の里」をより大きくし、納豆工場をつくること。そして、「納豆」を切り口に、より多くの人たちに農業の楽しさにも目をむけてもらいたいですね。
「京北・りつまめ納豆」は、大学内の食堂や、お近くの生協、百貨店、スーパーなど広くお買い求めいただけます。「りつまめ」を通じて、立命館大学で農業や自然環境、そして経済の研究をしたい方は、ぜひ京北プロジェクトに参加してみてください!

      

※1)参考URL:京都吟味百選「京都ブランド認定食品」のサイト
http://www.kyo-hyakusen.com/



「京北プロジェクト」くわしい活動内容は、下記をご覧ください!
*京北・りつまめ納豆公式HP
http://www.ritsumame.jp/
* 京北プロジェクトFacebook
http://www.facebook.com/keihoku.project
* 京北プロジェクトTwitter
@keihoku_PJ

* NPO法人フロンティア協会
http://www.nethousing.co.jp/frontier/index2.html
* 牛若納豆(株式会社森口加工食品)
http://www.kyoto-ushiwaka-na.co.jp/

お問い合わせ
keihoku.project@gmail.com 


 


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