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439 -  日本と西洋の文化を繋ぐ架け橋でありたい  Vol.2

日本と西洋の文化を繋ぐ架け橋でありたい Vol.2

WASSERMAN   MICHEL(ワッセルマン・ミッシェル)教授
国際関係学部

  • No.439
  • 2012年9月14日更新

前回のお話はこちらをご覧下さい。

私は、毎年6月に京都の長岡京市で公演しているオペラの総監督を務めています。オペラの作製は公演の約1年前から出演交渉および会場予約を行ない、約半年前には本格的な準備がはじまります。最初の2ヶ月間で作品について細かく調べ、演劇全体の演出イメージを決めます。次の2ヶ月間で、台本と楽譜を読み、細かい演出を決めます。直前の2ヶ月間で、出演者に対して考えたことを伝える作業を行なっています。
使用する会場の収容人数は1000名です。この会場規模のオペラでは、40名のオーケストラと20名の合唱団、7名のソリスト、そしてスタッフを含め、約100名が参加します。私は、オペラほどの総合的な芸術はないと思っています。

総監督を指揮する中で、私は典型的なフランス人ですので、時として感情を前面に打ち出したいことがあります。しかし、日本人に対して感情的になると、大抵後味が悪くなります。特に相手側に不快な感情がずっと残り、仲直りが簡単に出来ないときがあります。フランスでは、ケンカしたり、仲直りしたりするのが日常茶飯事です。自分の意見はストレートに伝えなくてはいけません。日本では、ある程度自分の感情を抑え、相手のことを「聞きましょう」というスタンスが求められます。そこがフランス人である私にとって、やや難しく感じるところです。例えば、オペラの練習で誰かに注意すべきときがあるとします。フランスでは、みんなの前でも思ったことはすぐに伝えますが、日本では、みんなの前で注意はしません。個別に呼び出して、「もう少しこうして欲しい」と伝えます。直感で感じたことについても、相手にそれをどう伝えればうまくいくかを考えてから、表現するようにしています。自分の気持ちをストレートに表現するかしないか、この違いは非常に大きいです。ただ、この違いは良いことだと思っています。1549年にフランシスコ・ザビエルが描写した「侮辱は耐えられない」「自分の気持ちは抑える」というような当時の日本人の価値観や特徴は、現在にも通じます。国民性というのは、簡単に変えることはできませんし、そんなに変わらないのです。欧米でも、注意をされたりすることは嬉しくはありませんが、納得できなければ自分の意見を言い返します。そういった場面を日本ではあまり見かけません。よく日本人は感情表現が苦手といわれますが、私は“苦手”というネガティブな意味で捉えず、日本人の特徴だと思っています。日本に住み、日本人と一緒に仕事をしたい私にとっては、この特徴に合わせて演出を行なっています。これからもオペラに関する活動も自ら実践し続け、日本と西洋の間に立つものとして、文化を繋ぐ“架け橋”でありたいと思っています。
みなさんへのメッセージ
衣笠キャンパスの周りには、金閣寺や龍安寺、仁和寺や等持院もあります。日本の文化・伝統のゆりかごのなかで学んでいることは、学生にとって貴重な財産です。素晴らしい街の、特別な界隈にいることを理解した上で、「もっと京都を見てほしい」と思っています。私の「Kyoto and Japanese arts」という講義の第1回は、学生とともに等持院へ行きます。そこで、室町幕府との関係や京都と日本芸術の歴史を語り、学生たちにその文化を実際に目で確かめ、感じてもらいます。これができるのは立命館の大きなメリットだと思います。このような自国の文化への理解を基にして、世界にも目を向けてもらいたいです。


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