座布団の上で蘇る、江戸の暮らし
中尾彰宏さん(法学部3回生)
立命館大学落語研究会 立命亭 翡翠(りつめいてい かわせみ)
僕は中学生の頃、おじいちゃんに連れられて東京へ落語をよく見に行きました。落語を見るまでは「落語なんてつまらない」と思っていました。しかし、初めて見た時、印象が変わり、落語に魅せられましたね。落語を好きになりました。そして、「おじいちゃんに落語を披露できたらいいな」という気持ちもあり、大学では落語研究会に入部しました。今ではおじいちゃんより落語が好きですね。
立命館大学の落語研究会は、古典落語を主体に現代風アレンジをきかせた改作を披露しています。演目(ネタ)の練習と、落語の歴史や落語家の特徴を学ぶ勉強会も行っています。公演の行先で「落語っていつ始まったの?」や「あの落語家さん知っている?」と質問されることもあり、落語や落語家の代表的な作品を知らないと、お客さんとの会話を広げることができません。また落語をやっている者として答えられないと恥ずかしいので、意識を高めるためにそうした勉強会を行っています。

落語は、言葉遊びがおもしろいですね。「ことば」と「ことば」を掛ける。音の違いだけで面白みが生まれ、話を通して“落ち”をつけるところに魅力を感じています。また、落語は町民の生活を演目からうかがい知ることができます。例えば、江戸の人は「そば」が好きだったので、「時そば」という演目があり、箸に見立てた扇子で「そば」をすすります。これが上方落語になると「時うどん」となって「そば」から「うどん」に変わるのです。こうして、座布団の上に座って話しているだけで、その江戸の世界が見えてきます。「あぁ。今、長屋を歩いているんだな」と景色が浮かんできます。僕が落語に魅せられたとろですね。
僕は、昨年から可能な限り地域交流の依頼は受けるようにしています。その甲斐あって、今年は昨年のリピーターの方からの依頼が多くなり、1年間で約100回の公演をおこないました。見知らぬ土地に行って、落語を披露することで、見知らぬおじいさんやおばあさんと出会うことができます。いろんな価値観を持つ人の話をきくことで自分自身の人間性に深みが増したと思います。それはとても貴重な人生経験だと思いますね。また、単純に、お客さんが喜んでくれている姿をみると、自分も楽しくなっていきます。
公演の依頼がたくさんあるのにもかかわらず、昨年の新入部員は1名でした。僕たちの部は、存続の危機に瀕しています。今年は9名の入部があり、なんとか危機を回避することができましたが、来年度以降も心配が続きます。寄席にも同世代の人には、ほとんど見にきていただけないので、若者の落語に対する感心が薄れてきていることを実感します。若者文化も多様化し、また落語の「落ち」に対する感じ方も時代の流れで変化していると思います。僕は、これからも学生に落語のおもしろさを伝えていきたいです。また、地域交流を通じて、限界集落の村には、落語や芸能の需要があるが供給ができていない現状があることを知りました。将来は伝統芸能を地方に送り込めるイベント団体をつくりたいですね。学園祭では三題噺・11月には僕の独演会を開催する予定です。みなさん、ぜひ見に来てください。

学園祭・公演情報
○11月3日(土)・4日(日)12時30分開演
場所:びわこ・くさつキャンパス(BKC)プリズムハウス109号室
○11月10(土)・11日(日)12時30分開演
場所:衣笠キャンパス 存心館ラウンジ
立命館大学落語研究会HP
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/1686/index.html
立命館大学の落語研究会は、古典落語を主体に現代風アレンジをきかせた改作を披露しています。演目(ネタ)の練習と、落語の歴史や落語家の特徴を学ぶ勉強会も行っています。公演の行先で「落語っていつ始まったの?」や「あの落語家さん知っている?」と質問されることもあり、落語や落語家の代表的な作品を知らないと、お客さんとの会話を広げることができません。また落語をやっている者として答えられないと恥ずかしいので、意識を高めるためにそうした勉強会を行っています。
落語は、言葉遊びがおもしろいですね。「ことば」と「ことば」を掛ける。音の違いだけで面白みが生まれ、話を通して“落ち”をつけるところに魅力を感じています。また、落語は町民の生活を演目からうかがい知ることができます。例えば、江戸の人は「そば」が好きだったので、「時そば」という演目があり、箸に見立てた扇子で「そば」をすすります。これが上方落語になると「時うどん」となって「そば」から「うどん」に変わるのです。こうして、座布団の上に座って話しているだけで、その江戸の世界が見えてきます。「あぁ。今、長屋を歩いているんだな」と景色が浮かんできます。僕が落語に魅せられたとろですね。
僕は、昨年から可能な限り地域交流の依頼は受けるようにしています。その甲斐あって、今年は昨年のリピーターの方からの依頼が多くなり、1年間で約100回の公演をおこないました。見知らぬ土地に行って、落語を披露することで、見知らぬおじいさんやおばあさんと出会うことができます。いろんな価値観を持つ人の話をきくことで自分自身の人間性に深みが増したと思います。それはとても貴重な人生経験だと思いますね。また、単純に、お客さんが喜んでくれている姿をみると、自分も楽しくなっていきます。
公演の依頼がたくさんあるのにもかかわらず、昨年の新入部員は1名でした。僕たちの部は、存続の危機に瀕しています。今年は9名の入部があり、なんとか危機を回避することができましたが、来年度以降も心配が続きます。寄席にも同世代の人には、ほとんど見にきていただけないので、若者の落語に対する感心が薄れてきていることを実感します。若者文化も多様化し、また落語の「落ち」に対する感じ方も時代の流れで変化していると思います。僕は、これからも学生に落語のおもしろさを伝えていきたいです。また、地域交流を通じて、限界集落の村には、落語や芸能の需要があるが供給ができていない現状があることを知りました。将来は伝統芸能を地方に送り込めるイベント団体をつくりたいですね。学園祭では三題噺・11月には僕の独演会を開催する予定です。みなさん、ぜひ見に来てください。
学園祭・公演情報
○11月3日(土)・4日(日)12時30分開演
場所:びわこ・くさつキャンパス(BKC)プリズムハウス109号室
○11月10(土)・11日(日)12時30分開演
場所:衣笠キャンパス 存心館ラウンジ
立命館大学落語研究会HP
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/1686/index.html