22人の気持ちを1つに!ドラゴンボートで世界を目指す
柏原陽太さん(経営学部3回生)
ドラゴンボートの選手(漕ぎ手)として国際レースなどで活躍
初めて自分で舟を動かしたのは、小学5年生でカヌーの体験会に行ったときでした。印象的だったのは、舟の上から見る新鮮な光景です。水の上から景色を見る機会って、普段はなかなかありませんよね。何気ない景色でも、驚くほど違って見えました。この感覚がすっかり気に入りましたが、中学にはカヌー部がなかったので、高校生のときからカヌーを本格的に始めました。
ドラゴンボートを始めたのは、大学2回生のときです。高校のカヌーの先輩に誘われたのがきっかけでした。大学に入学したときには「いろいろな経験をしてみたい、勉強にも集中したい」という思いがあり、カヌーはやめていたので、水上に出るのは1年半ぶりでした。体力の衰えを痛感しましたが、水上スポーツが好きという気持ちは変わっていませんでした。あの感覚をもう1度味わいたい、という思いが強くなり、ブランクを経て水上スポーツを再開することを決心しました。
ドラゴンボートは、12人または22人で1つの舟を動かし、その速さを競う競技です。現在僕は「関西龍舟」という社会人のチームに所属しています。兵庫県の芦屋を拠点としているので、練習場所に行くまで掛かる時間は、片道2時間30分ほど。朝早くに集合してトレーニングが始まり、暗くなるまで練習をします。練習は土曜日と日曜日に行うので、休日にゆっくりする時間はとれません。将来は研究職に就きたいので、スポーツと同じくらい勉強も大切にしたいと考えていますが、文武両道を実現させるのは大変です。ですが、少しでも時間があったら本を読むなどして、時間を有効に使うようにしています。
僕は中途半端が嫌いなので、やるなら100%の力を尽くし、最後までやり抜きたいと思っています。とことん突き詰めて、本気で考えたからこそ、見えてくるものってありますよね。ドラゴンボートも、この1年間を全力で走り抜けたからこそ、これまで味わったことのない団体競技ならではの難しさや、やりがいが見えてきました。
ドラゴンボートはとても頭を使うスポーツです。たとえば、レースでは舟の持ち込みができないので、会場の舟に合わせて漕ぎ手の配置を変えたりします。大会の出場チームによって、前半から攻めよう、後半から追い越そう、などの戦略も考えますね。また、競技中は漕ぎ手の息を合わせてパドルを動かさないと前に進みません。気持ちを1つにするため、「舵取り」という舟のリーダーや、ドラムをたたいて漕ぎ手のリズムを合わせる人がいますが、22人全員の呼吸をぴったり合わせることはなかなか難しいです。

自分一人の力で改善できるカヌーと比べて、全員のコンディションや気持ちが揃わなければいけないところに難しさを感じますね。そのぶん、全員の心が1つになったときは本当に気持ちいいですよ。この瞬間こそが、ドラゴンボートの1番の魅力だと思います。このときだけは明らかに何かが違い、舟が「進んでいる」という感覚が、全身に伝わってきます。その感覚のまま先頭でゴールしたときの喜びは、何にも変えられません。だから1位になりたいですし、試合では常に勝ちにこだわっています。
7月14日には、大阪で日本代表最終選考会があります。去年は0.1秒の差で優勝を逃し、悔しい思いをしました。そのときの思いを忘れず、この1年間は短い時間でも、走りに行ったり、パドルを漕ぐ自分をイメージしたりして、ドラゴンボートのトレーニングに費やしてきました。優勝すると、より多くの国際大会に出場できるようになるので、ここからが本番です。これまで支えてくれたチームのメンバーに恩返しするためにも、これからの1つ1つの試合に全力を尽くし、チームに必要とされる人間でいたいと思います。
~編集後記~
新しいことを始めると、自由な時間も減り、できなくなることも増えますよね。それを受け入れる強い覚悟と、純粋な「水上スポーツが好き」という気持ちが、取材のときの表情から伝わってきました。柏原さんの今後に注目です!

ドラゴンボートを始めたのは、大学2回生のときです。高校のカヌーの先輩に誘われたのがきっかけでした。大学に入学したときには「いろいろな経験をしてみたい、勉強にも集中したい」という思いがあり、カヌーはやめていたので、水上に出るのは1年半ぶりでした。体力の衰えを痛感しましたが、水上スポーツが好きという気持ちは変わっていませんでした。あの感覚をもう1度味わいたい、という思いが強くなり、ブランクを経て水上スポーツを再開することを決心しました。
ドラゴンボートは、12人または22人で1つの舟を動かし、その速さを競う競技です。現在僕は「関西龍舟」という社会人のチームに所属しています。兵庫県の芦屋を拠点としているので、練習場所に行くまで掛かる時間は、片道2時間30分ほど。朝早くに集合してトレーニングが始まり、暗くなるまで練習をします。練習は土曜日と日曜日に行うので、休日にゆっくりする時間はとれません。将来は研究職に就きたいので、スポーツと同じくらい勉強も大切にしたいと考えていますが、文武両道を実現させるのは大変です。ですが、少しでも時間があったら本を読むなどして、時間を有効に使うようにしています。
僕は中途半端が嫌いなので、やるなら100%の力を尽くし、最後までやり抜きたいと思っています。とことん突き詰めて、本気で考えたからこそ、見えてくるものってありますよね。ドラゴンボートも、この1年間を全力で走り抜けたからこそ、これまで味わったことのない団体競技ならではの難しさや、やりがいが見えてきました。
ドラゴンボートはとても頭を使うスポーツです。たとえば、レースでは舟の持ち込みができないので、会場の舟に合わせて漕ぎ手の配置を変えたりします。大会の出場チームによって、前半から攻めよう、後半から追い越そう、などの戦略も考えますね。また、競技中は漕ぎ手の息を合わせてパドルを動かさないと前に進みません。気持ちを1つにするため、「舵取り」という舟のリーダーや、ドラムをたたいて漕ぎ手のリズムを合わせる人がいますが、22人全員の呼吸をぴったり合わせることはなかなか難しいです。
自分一人の力で改善できるカヌーと比べて、全員のコンディションや気持ちが揃わなければいけないところに難しさを感じますね。そのぶん、全員の心が1つになったときは本当に気持ちいいですよ。この瞬間こそが、ドラゴンボートの1番の魅力だと思います。このときだけは明らかに何かが違い、舟が「進んでいる」という感覚が、全身に伝わってきます。その感覚のまま先頭でゴールしたときの喜びは、何にも変えられません。だから1位になりたいですし、試合では常に勝ちにこだわっています。
7月14日には、大阪で日本代表最終選考会があります。去年は0.1秒の差で優勝を逃し、悔しい思いをしました。そのときの思いを忘れず、この1年間は短い時間でも、走りに行ったり、パドルを漕ぐ自分をイメージしたりして、ドラゴンボートのトレーニングに費やしてきました。優勝すると、より多くの国際大会に出場できるようになるので、ここからが本番です。これまで支えてくれたチームのメンバーに恩返しするためにも、これからの1つ1つの試合に全力を尽くし、チームに必要とされる人間でいたいと思います。
~編集後記~
新しいことを始めると、自由な時間も減り、できなくなることも増えますよね。それを受け入れる強い覚悟と、純粋な「水上スポーツが好き」という気持ちが、取材のときの表情から伝わってきました。柏原さんの今後に注目です!
- 取材・文
- 山内快(経営学部3回生)