仲間と切磋琢磨しながらチームワークで掴んだ論文賞
(左から)山崎怜衣亜さん、徳田晃久さん、米田紗弓さん、関口真菜さん(ともに経済学部4回生)
WESTで優秀論文に選出、ISFJで分科会賞を受賞。
昨年開催されたWEST論文研究発表会で私たちが執筆した論文が優秀論文に選ばれました。WESTは様々な社会問題について、経済学を用いて考え、政策提言を行う学生団体です。また、ISFJ日本政策学生会議では分科会賞を受賞しました。ISFJは学生がそれぞれの専門分野から政策提言を行うことにより、様々な社会問題の解決を目指した学生団体です。
私たちが所属している経済学部の安井健悟先生のゼミでは、計量経済学を用いた研究をしています。計量経済学とは様々なデータを収集して、ある問題についての分析を行う学問です。今回の論文作成ではゼミ内で複数の研究テーマがあり、3回生になって研究したいテーマ別にグループに分かれて8ヶ月かけて論文を完成させていきました。
私たちのグループでは「ソーシャル・キャピタルは出産の意思決定に影響を及ぼすのか」というテーマで研究をしました。ソーシャル・キャピタルとは聞きなれない言葉だと思いますが、人と人のつながりをあらわす概念のことです。仲の良い友達との付き合いというよりは、近所付き合いや地域のボランティア活動のような地域的つながりのことです。この要因が子どもの産みやすさに影響を与えるのかを分析しました。関連するデータを収集したり、少子化の政策に関する論文を読んだり、関連するテレビ番組を見たりして、研究を行いました。
分析をした結果、ソーシャル・キャピタルは出産の意思決定にプラスの影響を与えるということが分かりました。つまり地域のつながりが強いほど子どもをたくさん産むようになるということが分かりました。当たり前の結果のように思われるかもしれませんが、データを用いた単純な分析では見せかけの関係が示されることが多く、見せかけの関係なのか本当の関係なのかを厳密に分析できる点が計量経済学的手法を用いることの醍醐味です。
さらに政策提言の部分では、保育ママ制度(※)について提言しました。現在、全国的に待機児童の数が問題となっており、それを解消するための1つの手段として保育ママ制度があります。保育ママの長所と短所を考え、保育所と保育ママが連携することで、保育ママの負担軽減や多くの人で子どもを支える安心感が生まれると考えました。また、小学生の待機児童の問題については、企業が学童保育を運営している地域もあります。これらの点をどのように政策に取り入れていけばよいかを考え、政策提言としてまとめていきました。
今回は論文作成以外に発表会のプレゼンテーション準備も同時に進めなければいけなかったので、うまく役割分担するように意識しました。WESTやISFJでは論文を質の高いものに仕上げるために、論文の途中経過を発表する中間発表会がありました。この発表会では他大学の教授による改善点の指摘があったり、他大学のゼミの進捗状況が分かったりして、非常に刺激を受ける内容でした。他グループの良い点や悪い点を分析しながら、良いところは自分達のグループに取り入れていきました。そして、高度な分析をするだけでは十分ではなく、論文を読んだ人やプレゼンを聞いた人に分かりやすく伝えることを意識することにより、自分たちがしていることの価値が高まることを学びました。
WESTやISFJは他のグループの発表や論文のレベルが非常に高く、例年国立大学の受賞が多いので、そのようななかで受賞できたことをうれしく思います。忙しいなかで論文を指導してくださった安井先生とアドバイスをくれたゼミ生にはとても感謝しています。
―今回の経験で学んだことは何ですか?
関口さん……目標に向けたチームのスケジュール管理ができたのがいい経験でした。チームで問題を解決する力を社会に出たときに活かしていければいいと思います。
山崎さん……大人数の前で発表する機会が多かったので、プレゼンテーション力が身につきました。また、数字的・論理的なものの見方ができるようになったので、今後に生かしていきたいです。
徳田さん……論文作成を通じて、客観的なものの見方が身につき、他の人の意見を上手に取り入れられるようになりました。この経験を自信にして、今後も結果を残せるようになりたいと思います。
米田さん……それぞれが切磋琢磨できる環境が非常に大切だと感じました。チームが力を発揮できる環境をつくれるように、積極的に動いていきたいです。
※ 自治体から認定を受けた人が保護者に代わって、昼間に児童を保育する制度

私たちが所属している経済学部の安井健悟先生のゼミでは、計量経済学を用いた研究をしています。計量経済学とは様々なデータを収集して、ある問題についての分析を行う学問です。今回の論文作成ではゼミ内で複数の研究テーマがあり、3回生になって研究したいテーマ別にグループに分かれて8ヶ月かけて論文を完成させていきました。
私たちのグループでは「ソーシャル・キャピタルは出産の意思決定に影響を及ぼすのか」というテーマで研究をしました。ソーシャル・キャピタルとは聞きなれない言葉だと思いますが、人と人のつながりをあらわす概念のことです。仲の良い友達との付き合いというよりは、近所付き合いや地域のボランティア活動のような地域的つながりのことです。この要因が子どもの産みやすさに影響を与えるのかを分析しました。関連するデータを収集したり、少子化の政策に関する論文を読んだり、関連するテレビ番組を見たりして、研究を行いました。
分析をした結果、ソーシャル・キャピタルは出産の意思決定にプラスの影響を与えるということが分かりました。つまり地域のつながりが強いほど子どもをたくさん産むようになるということが分かりました。当たり前の結果のように思われるかもしれませんが、データを用いた単純な分析では見せかけの関係が示されることが多く、見せかけの関係なのか本当の関係なのかを厳密に分析できる点が計量経済学的手法を用いることの醍醐味です。
さらに政策提言の部分では、保育ママ制度(※)について提言しました。現在、全国的に待機児童の数が問題となっており、それを解消するための1つの手段として保育ママ制度があります。保育ママの長所と短所を考え、保育所と保育ママが連携することで、保育ママの負担軽減や多くの人で子どもを支える安心感が生まれると考えました。また、小学生の待機児童の問題については、企業が学童保育を運営している地域もあります。これらの点をどのように政策に取り入れていけばよいかを考え、政策提言としてまとめていきました。
今回は論文作成以外に発表会のプレゼンテーション準備も同時に進めなければいけなかったので、うまく役割分担するように意識しました。WESTやISFJでは論文を質の高いものに仕上げるために、論文の途中経過を発表する中間発表会がありました。この発表会では他大学の教授による改善点の指摘があったり、他大学のゼミの進捗状況が分かったりして、非常に刺激を受ける内容でした。他グループの良い点や悪い点を分析しながら、良いところは自分達のグループに取り入れていきました。そして、高度な分析をするだけでは十分ではなく、論文を読んだ人やプレゼンを聞いた人に分かりやすく伝えることを意識することにより、自分たちがしていることの価値が高まることを学びました。
WESTやISFJは他のグループの発表や論文のレベルが非常に高く、例年国立大学の受賞が多いので、そのようななかで受賞できたことをうれしく思います。忙しいなかで論文を指導してくださった安井先生とアドバイスをくれたゼミ生にはとても感謝しています。
―今回の経験で学んだことは何ですか?
関口さん……目標に向けたチームのスケジュール管理ができたのがいい経験でした。チームで問題を解決する力を社会に出たときに活かしていければいいと思います。
山崎さん……大人数の前で発表する機会が多かったので、プレゼンテーション力が身につきました。また、数字的・論理的なものの見方ができるようになったので、今後に生かしていきたいです。
徳田さん……論文作成を通じて、客観的なものの見方が身につき、他の人の意見を上手に取り入れられるようになりました。この経験を自信にして、今後も結果を残せるようになりたいと思います。
米田さん……それぞれが切磋琢磨できる環境が非常に大切だと感じました。チームが力を発揮できる環境をつくれるように、積極的に動いていきたいです。
※ 自治体から認定を受けた人が保護者に代わって、昼間に児童を保育する制度
- 取材・文
- 松下 健太郎(情報理工学部2回生)