テレビや映画が好きで番組制作者を志し、映像学部に進学した。入学後、先輩が企画するファッションショーのイベントに参加しゼロからイベント企画・運営する姿に刺激を受けた。自分も何かしたいという思いが湧き上がった。その時頭に浮かんだのが高校3年の文化祭で実施したお化け屋敷だった。当時、文化祭の取り組みとしては成功したものの予算や技術力が備わっておらず、自分のイメージ通りのものをつくることができなかった。杉浦さんの中に“不完全燃焼”という思いがその頃から残っていた。

実施に向けて調査を進める中で、地域活性化を狙う商店街の空き店舗を活用したお化け屋敷の事例を知り、自分たちがつくるお化け屋敷でも、ただ単に面白いお化け屋敷をつくるだけでなく、人の役に立てるものにしたいいと考えた。それから、SNSを使いお化け屋敷製作へ参加を呼びかけたところ、同じ映像学部の学生やアートサークル「REM」、京都造形芸術大学で舞台美術や照明を学ぶ学生、京都府立大学で建築を学ぶ学生など延べ約20人が杉浦さんの「大学生が自らの学びを生かしてつくるお化け屋敷で地域活性化を」という想いに賛同して集まった。そして、「京都お化け屋敷大作戦実行委員会」が立ち上がった。それぞれが専攻分野を生かせるように演出・広報・地域活性・営業に分かれて活動している。

杉浦さんは京都市中京区にある三条会商店街をお化け屋敷の会場に選んだ。若い世代の「商店街離れ」が進む今、賑やかさや人々のあたたかさといった三条会商店街独特の魅力をより多くの若者に知ってもらいたいと思ったからだ。商店街の方々は、「面白そうだし、期待しているよ。」「自由にやったらいい！」と温かく受け入れてくれた。一緒にお化け屋敷を盛り上げようと親身になってくれる応援が支えになり、“必ず成功させたい”という想いが強くなった。「お化け屋敷が商店街の魅力を知るきっかけになってほしいです。“イベント終了後にも商店街を訪れてもらう”これが実現してこそお化け屋敷の成功だと考えています。」と地域への想いを語った。

まだ2回生の杉浦さんにはプロジェクトの 代表として、チームをまとめるという難しさもある。個々の専門性を発揮してもらうために担当者の考え尊重するように気づかっている。チーム内の温度差によって、負担が偏ることも。負担や不満を迅速に解消できるように各部署に決定権をおき、チーム内の結びつきを強めることにした。「大変なことばかりですね。（笑）」「でも“代表がワクワクしていないと、みんなはついて来ないから、誰よりもワクワクするようにしています。」とリーダーとしての一面を見せた。
「挑戦することに恐怖心がなくなった」と自身の成長を語る杉浦さん。イベントづくりの魅力について「何もない0の状態からつくり上げていくことがおもしろい。大変だけど、周りからのリアクションが刺激的で、次もやりたいと思える。」、課題を克服し回を重ねるごとに進化していくところもイベントづくりの醍醐味だそうだ。今回のプロジェクトだけで終わらせるのではなく、徐々に規模を大きくしながら来年以降も続けていきたいと目を輝かせる杉浦さん。杉浦さんの“霊”がどこまで進化するのか、イベントが楽しみだ。




イベントの詳細
開催期間：７月１０日（木）～７月１５日（火）
時間 　　：平日１６時～２０時、土日：１３時～２０時
開催場所：京都三条会商店街事務所　　
入場料　 ：５００円

立命館大学　ヘッドラインニュース
http://www.ritsumei.jp/news/detail_j/topics/12885/year/2014

京都お化け屋敷大作戦実行委員会「七三軒目の家」
WEBサイト
http://bigoba1006.wix.com/big-oba