みんなで歩けば頑張れる!〜WEBサービス「てくペコ」を開発〜
鈴木真生さん(情報理工学部4回生)
鈴木さんは、情報理工学部野間研究室にて、歩行距離を可視化・共有できるWEBサービス「てくペコ」を開発。昨年12月に滋賀県長浜市で行われたウォーキングイベントにも導入された。「てくペコ」とは「てくてく歩いてお腹がペコっとへこむ」の略称だそう。現在は非公開だが、一般公開も視野に入れて研究を続けている。
情報の力で、運動に興味のない人にも動機付けすることはできないかと思い、開発を始めたのは昨年の3月。当初は個人の歩数をWEB上で管理できるサービスだった。1日の歩数を可視化し、目標をクリアしたら景品をもらえるなどのインセンティブを考えた。しかし、被験者へのインタビューでは「はじめは頑張れるけどなかなか続けられない」という意見が多かった。運動が苦手な人たちも「続けたい」と思えるような、さらなる仕組みが必要だった。
そこで、チームを組んで声を掛け合えば、運動する気持ちを維持できるのではないかと考えた。長浜市にゆかりのある黒田官兵衛が「1晩で200 km歩いた」とされる伝説を聞き、これをチームの目標にすることにした。「1人では無理がある距離でも、誰かと一緒なら達成できる。これが運動を続ける動機になるかもしれない」。新たに、チームで歩行距離を共有したり、他のチームのランキングを見たりできるシステムを加えた。試しに研究室のメンバーで使ってみると、「あいつがこんなに歩いているなんて…負けてられない」と盛り上がった。

迎えた昨年12月の長浜市のウォーキングイベント。参加者は3人または5人でチームを組み、10日間で目標距離の達成を目指した。計測には、スマートフォンにインストールした「てくペコ」を利用し、3人チームは合計120km、5人チームは合計200kmを目標にした。
始まってみると、1日で60キロを歩いた人や「メンバーに負けるのが悔しいから、膳所駅から彦根駅まで歩いた」という人まで出てきた。イベントの結果は「9割以上の参加者が目標距離を完歩する」という驚異的なものだった。「誰かと一緒なら頑張れる」という鈴木さんの思いはユーザーに届いていた。
もうひとつ嬉しいことがあった。「てくペコを使ってから日常のコミュニケーションが増えた」というユーザーからの声だ。「出勤すると、てくペコの画面を職場で見せ合うんです。“見て!昨日はこんなに歩いたぞ”“俺たちの部署の勝ちだな”なんて言って(笑)」。鈴木さんは話す。「これまで“自分の作りたいものを作れれば良い”と思っていましたが、ユーザーとコミュニケーションを取りながら作っていくことの重要性がわかりました。厳しい意見も嬉しい意見も大切に、さらにいいものを作っていきたいです」。「てくペコ」は誰かと頑張れる喜びを鈴木さんにも教えてくれた。

情報の力で、運動に興味のない人にも動機付けすることはできないかと思い、開発を始めたのは昨年の3月。当初は個人の歩数をWEB上で管理できるサービスだった。1日の歩数を可視化し、目標をクリアしたら景品をもらえるなどのインセンティブを考えた。しかし、被験者へのインタビューでは「はじめは頑張れるけどなかなか続けられない」という意見が多かった。運動が苦手な人たちも「続けたい」と思えるような、さらなる仕組みが必要だった。
そこで、チームを組んで声を掛け合えば、運動する気持ちを維持できるのではないかと考えた。長浜市にゆかりのある黒田官兵衛が「1晩で200 km歩いた」とされる伝説を聞き、これをチームの目標にすることにした。「1人では無理がある距離でも、誰かと一緒なら達成できる。これが運動を続ける動機になるかもしれない」。新たに、チームで歩行距離を共有したり、他のチームのランキングを見たりできるシステムを加えた。試しに研究室のメンバーで使ってみると、「あいつがこんなに歩いているなんて…負けてられない」と盛り上がった。
迎えた昨年12月の長浜市のウォーキングイベント。参加者は3人または5人でチームを組み、10日間で目標距離の達成を目指した。計測には、スマートフォンにインストールした「てくペコ」を利用し、3人チームは合計120km、5人チームは合計200kmを目標にした。
始まってみると、1日で60キロを歩いた人や「メンバーに負けるのが悔しいから、膳所駅から彦根駅まで歩いた」という人まで出てきた。イベントの結果は「9割以上の参加者が目標距離を完歩する」という驚異的なものだった。「誰かと一緒なら頑張れる」という鈴木さんの思いはユーザーに届いていた。
もうひとつ嬉しいことがあった。「てくペコを使ってから日常のコミュニケーションが増えた」というユーザーからの声だ。「出勤すると、てくペコの画面を職場で見せ合うんです。“見て!昨日はこんなに歩いたぞ”“俺たちの部署の勝ちだな”なんて言って(笑)」。鈴木さんは話す。「これまで“自分の作りたいものを作れれば良い”と思っていましたが、ユーザーとコミュニケーションを取りながら作っていくことの重要性がわかりました。厳しい意見も嬉しい意見も大切に、さらにいいものを作っていきたいです」。「てくペコ」は誰かと頑張れる喜びを鈴木さんにも教えてくれた。
- 取材・文
- 山内 快(経営学部4回生)