キャンパス内に里山を 「育てる里山プロジェクト」で茨木の里山を再現
田中 力 教授(経営学部)
2011年、新キャンパス施設整備部会の委員になったのを機に、大阪いばらきキャンパス(以下OIC)を北摂茨木の植生を生かして緑化し、生物多様性に富んだキャンパスを造りたいと思うようになりました。いろいろ調べているなかで、茨木市「里山センター」の存在を知り、訪ねてみました。そこで茨木の豊かな里山を案内していただきました。いろいろな方々を紹介いただき、お話をうかがうなかで、里山というのは、人里の近くにあり、薪や炭その他、集約的に利用されてきた林野のことで、昔から人々の暮らしと文化を支えてきたものだということがわかってきました。
市内では、早くから里山の保全と利用に関係する様々なボランティア団体が活動されていたのですが、それらの団体が今から8年前に「里山サポートネット・茨木」を結成、里山センターを拠点に活動しています。ちょうど、開発によって失われつつある千提寺の共有林の樹木の避難先をさがしていた「里山を守る会」の古川伸夫さん(故人)たちとの出会いもあり、それなら新キャンパスに移植しましょうということになり、2012年の秋に「消える里山引っ越しプロジェクト」を立ち上げました。
構成メンバーは、里山サポートネットに集うボランティアのみなさん、立命館大学の教職員と学生。イベントも行い、市内の高校生、市民の方々の参加もありました。毎月第一第二日曜日を活動日として、苗木や樹木の採集と移植に取り組んできました。採集した苗木はまず「里山センター」の苗畑に移植して根を生長させ、その後OICに移植しています。
4月の開設に合わせて、OICの里山エリアには500本ほどの木を植えましたが、秋以降は残りの500本を持ってきて1000本ぐらいにしたいと思っています。またマウンドの地盤は粘土質で固いので、これからは実生の木にも挑戦していこうと考えています。山野草も移植し、茶道部や華道部のみなさんに使ってもらえればと思っています。

今はまだ木が細く緑も少ないので禿げ山のようですが、やがて木や野草が生長すればキャンパス内に里山が再現できるでしょう。そのためにOIC内に立ち上げたのが「育てる里山プロジェクト」で、里山についての勉強と、里山エリアの世話を始めました。何十年もかかる息の長い計画ですが、学生の皆さんが主体の活動として成長し、近隣の市民のみなさんとともに、このキャンパスで学ぶ学生の皆さんに代々引き継がれていけばと願っています。
経営学部の教員がなぜ里山、と思われるかもしれませんが、私は統計学が専門で、土地・住宅や農林業の統計分析をテーマにしてきました。実家が和歌山の桃農家だったということもあり、農業や自然にはずっと縁がありました。考えてみれば、子供の頃は井戸水や薪を使っていました。震災を経て、最低限のライフラインを確保する方法を考えたとき、「自然を利用する」というのが一つの答えになるのではと思います。

学生のみなさんには「自然を使う」経験が必要だと思います。里山エリアではクサイチゴやナツハゼなど食べられる樹木も植える予定です。里山でOIC(おいしい)をぜひ体験してください。里山センターとともにOICを拠点として、生物多様性に配慮した茨木市域の緑化が進んでほしいというのが私たちの願いです。世界の都市で始まっている食料自給の取り組みとシンクロして、「里山都市」の創造へと、夢は枯れ野を駆け巡っています。
※「育てる里山プロジェクト」では現在、里山エリアの水遣りボランティアを募集中です。興味のある方は、OIC地域連携課までメールにてお問い合わせください。
お問い合わせメールアドレス:
satoyama@st.ritsumei.ac.jp(OIC地域連携課)
市内では、早くから里山の保全と利用に関係する様々なボランティア団体が活動されていたのですが、それらの団体が今から8年前に「里山サポートネット・茨木」を結成、里山センターを拠点に活動しています。ちょうど、開発によって失われつつある千提寺の共有林の樹木の避難先をさがしていた「里山を守る会」の古川伸夫さん(故人)たちとの出会いもあり、それなら新キャンパスに移植しましょうということになり、2012年の秋に「消える里山引っ越しプロジェクト」を立ち上げました。
構成メンバーは、里山サポートネットに集うボランティアのみなさん、立命館大学の教職員と学生。イベントも行い、市内の高校生、市民の方々の参加もありました。毎月第一第二日曜日を活動日として、苗木や樹木の採集と移植に取り組んできました。採集した苗木はまず「里山センター」の苗畑に移植して根を生長させ、その後OICに移植しています。
4月の開設に合わせて、OICの里山エリアには500本ほどの木を植えましたが、秋以降は残りの500本を持ってきて1000本ぐらいにしたいと思っています。またマウンドの地盤は粘土質で固いので、これからは実生の木にも挑戦していこうと考えています。山野草も移植し、茶道部や華道部のみなさんに使ってもらえればと思っています。
今はまだ木が細く緑も少ないので禿げ山のようですが、やがて木や野草が生長すればキャンパス内に里山が再現できるでしょう。そのためにOIC内に立ち上げたのが「育てる里山プロジェクト」で、里山についての勉強と、里山エリアの世話を始めました。何十年もかかる息の長い計画ですが、学生の皆さんが主体の活動として成長し、近隣の市民のみなさんとともに、このキャンパスで学ぶ学生の皆さんに代々引き継がれていけばと願っています。
経営学部の教員がなぜ里山、と思われるかもしれませんが、私は統計学が専門で、土地・住宅や農林業の統計分析をテーマにしてきました。実家が和歌山の桃農家だったということもあり、農業や自然にはずっと縁がありました。考えてみれば、子供の頃は井戸水や薪を使っていました。震災を経て、最低限のライフラインを確保する方法を考えたとき、「自然を利用する」というのが一つの答えになるのではと思います。
学生のみなさんには「自然を使う」経験が必要だと思います。里山エリアではクサイチゴやナツハゼなど食べられる樹木も植える予定です。里山でOIC(おいしい)をぜひ体験してください。里山センターとともにOICを拠点として、生物多様性に配慮した茨木市域の緑化が進んでほしいというのが私たちの願いです。世界の都市で始まっている食料自給の取り組みとシンクロして、「里山都市」の創造へと、夢は枯れ野を駆け巡っています。
※「育てる里山プロジェクト」では現在、里山エリアの水遣りボランティアを募集中です。興味のある方は、OIC地域連携課までメールにてお問い合わせください。
お問い合わせメールアドレス:
satoyama@st.ritsumei.ac.jp(OIC地域連携課)