キャンパスのごみについて、どれだけ知っていますか?
山田 諒さん(理工学部4回生),日下部祥さん(理工学部4回生)
佐藤浩一さん(理工学部4回生),鬼頭祐介さん(理工学部4回生)
学園創立110周年記念学生企画「ごみ革命2010」を推進中
みなさんは大学で1日どれくらいのごみが捨てられているのか、知っていますか?
今の立命館大学は、ごみの分別に対する意識が決して高いとは言えません。
例えば、BKCだけでも、プラスティックごみ・燃やすごみ・資源ごみが含まれる一般廃棄物の分別を、指定どおりにまだまだ実行できていないのが現状です。私たちは、みんなに今のキャンパスの状況を知ってもらった上で、ごみの見方を変えてほしいと思い、この企画を考えました。ごみが、自分の手から離れたら終わりではなく、捨てた後にも責任があることを知ってもらいたいと思っています。
私たちの団体では、実際の現場に行き、どんなごみが多く捨てられているのか、ごみの分別率はどうなっているのかを、5月ごろからデータをとって調査してきました。集積場に集められた山のようなごみを目の前にし、クレオテックの方や、声をかけて集まってくれた友達と一緒に、1日がかりで、細かく分別作業を行いました。ごみによっては、危険なものがそのまま捨てられていたり、学内では出ないような家庭ごみも見つかりました。その結果、資源ごみ、燃えるごみだけで、種類は45種類にもなりました。そのほかにも、学園祭で環境イラスト展を行ったり、ごみの分別作業に参加してもらうため、学生に声をかけたりして、イベントを行ってきました。
調査を進めていくと、分別率の低さの要因に、ごみ箱のラベル表記のわかりにくさがあることがわかりました。建物ごとに調べると、ごみの分別表示の仕方がまちまちなんです。それでは、ごみを捨てる側にも分かりにくいと思ったので、イラストにしたり、ラベルを統一したりして、より分かりやすくする取り組みも始めています。
私たちは、研究的な視点からごみの分別問題を考えているので、イベントとは、また違った成果が表れるのではないかと思います。キャンパスでのごみの現状を把握し、それを伝えていくことで、みなさんにも些細なことから取り組んでいってほしいと思っています。また、立命館大学は多くの大学が発行している環境報告書を、まだ一度も作ったことがありません。今回の報告書をそういったものにも使われるように仕上げて、未来に残るものを作っていきたいです。
この活動を通して、大学に通う人全員が、分別方法について、もう一度考えてくれるきっかけになってくれればうれしいです。分別率が高まれば、毎日、一生懸命、分別作業をして下さっているクレオテックのみなさんの負担も大きく減ります。そしてなにより、環境問題について考えるきっかけにもなり、大学全体がもっとよくなるきっかけにもなると思います。この企画はクレオテックのみなさんに協力してもらわなければ成り立たなかったものです。いろんなものが一緒になったごみ袋の分別って、本当に大変です。自分たちが体験してみて、よくわかりました。私たちは、みんな大学院に進学するので、来年以降も研究の1つとして続けていきたいと考えています。興味のある人にも、ぜひ参加してもらえると嬉しいですね。
- 取材・文
- 土田 嘉宏(経済学部3回生)