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室⻑挨拶

大学院で学び、研究する皆さんへ

大学院を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。大学院の重要性は、大学院生の皆さんの学問的・キャリア的な成長において非常に大きな意味を持つと同時に、人生においても貴重な財産になることは間違いないと考えています。その上で、以下の点が大学院には求められています。専門知識の深化、研究スキルやキャリアの向上、人脈形成と共同研究の推進、新しい知識やイノベーションの創出、国際的な競争力の向上です。これらの要素を総合すると、大学院での学びは、個人の知的成長やキャリアの向上だけでなく、社会や産業の発展にも大きく寄与するものとなっています。これら実現のための一助となるべく、大学院キャリアパス推進室は様々な活動を展開していきます。

大学院キャリアパス推進室の活動は大きく次の3点を重視します。
1点目は、経済的支援の充実です。学費負担などを少しでも和らげるために、とりわけ学費に寄らない学外資金による充実を目指します。現在、我が国において特に博士後期課程の学生は、日本の科学技術・イノベーションの将来を担う存在ですが、近年、「博士課程に進学すると生活の経済的な見通しが立たない」「博士課程修了後の就職が心配だ」といった理由から、修士課程から博士後期課程への進学者数や進学率が減少傾向にあり、全国的に危機的な状況が指摘されています。そうした状況を踏まえ、政府や民間の経済的支援プログラムに積極的に関与し、博士後期課程の学生への生活費や学費支援に努めて参ります。

2点目は、社会共創力・社会実装力の体得です。大学院では、指導教員が学生に対して研究指導やアドバイスを行います。研究テーマの選定や、論文執筆、学会発表のサポートも含まれます。大学院キャリアパス推進室では、さらに社会共創力・社会実装力ともに兼ね備えた挑戦的な次世代研究者を育成すべく、さまざまな企画を計画していきます。とりわけ学内には充実した大学院研究科の他に50を越える研究組織や多様な産学官の協働ネットワークがあり、それらを有機的に連携・活用しながら課題解決型・分野横断型の研究・教育プログラムを構築していきたいと考えています。

3点目は、博士後期課程学生の多様なキャリアパス支援です。
高い研究実践力により社会課題を解決し、未来社会を創造できる博士人材の創出を目指します。大学院研究科で高い研究実践力を身につけるとともに、社会に目を向け、自分の行っている研究で未来社会をどのように創造するのかといった社会実装力をも体得することが、次世代を担う博士人材に求められることと言えます。文部科学省は、2024年3月に「博士人材活躍プラン」を取りまとめました。非常に共感するところも多く、大学などのアカデミア等で活躍する我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ博士人材の育成を目的とした日本学術振興会(JSPS)特別研究員-DCのみならず、実践的で多様なキャリアに繋がる提起をしています。企業インターンシップの推進やスタートアップ創出支援、そして関係省庁と連携して、産業界や国際機関、中央省庁・地方自治体などの公的機関、学校教員、リサーチ・アドミニストレーター(URA)など、博士人材の社会の様々な分野でのキャリアパスに向けた取組を展開することは、我々、大学院キャリアパス推進室としても、大いに協業していきたいと考えます。

最後に、大学院キャリアパスは、非常に重要な本学の取り組みです。大学院で学び、そして研究する皆さんに寄り添いながら、共に前進していければこんなに嬉しいことはありません。大学院キャリアパス推進室をよろしくお願い致します。

野口 義文
大学院キャリアパス
推進室長