インタビュー

Q&A

Profile

大学時代は、コンクリートを題材にした小中学生への環境教育をテーマに研究に取組む。大学3回生の夏期休暇中に参加したインターンシップをきっかけに建物の設備管理に興味を持ち、現在の職場を選ぶ。

理工学部 環境システム工学科卒業
イオンディライト株式会社所属
櫻井 千裕

理工学部 環境システム工学科卒業 イオンディライト株式会社所属 櫻井 千裕
大学ではどんな研究をされていましたか?

コンクリートを題材にした小中学生への環境教育をテーマに卒業研究を行いました。
「コンクリート」と「環境教育」は一見すると相反するキーワードのような印象を受けると思いますが、実はコンクリートの原料であるセメントを製造する過程では、多くの廃棄物(ゴミ)が燃料として使用されています。そのような知識を題材に小中学生のみなさんに授業を行ったり、空隙がたくさんあるコンクリートを使って栽培をしたトマトを食べていただいたりし、参加前後の意識の変化についてアンケート調査を実施しました。この結果から、参加前は受講生の多くがコンクリートに対して「冷たい」「暗い」といったマイナスイメージを持っていましたが、参加後には「コンクリートは環境にやさしい」「未来の素材」といったプラスイメージを持っていただけたことがわかりました。この結果について、セメント、コンクリートに関する学会で発表させていただき、コンクリート業界における環境教育の推進を図りました。

なぜ、現在の職場を選ばれたのですか?

弊社は、イオンモール等の商業施設の設備管理を中心に行う総合ファシリティマネジメント会社です。私は大学3回生の夏休みにある電機メーカーのインターンシップに参加しました。その中で工場の環境負荷を最小限にしながら、製造する製品や働く人たちにとって適切な環境(温度、湿度、清潔さ等)をつくるための設備(電気設備、空調設備等)を見学させていただきました。これをきっかけに建物の設備管理に興味を持ち、身近なイオンのお店で設備管理を行う弊社を選びました。

今のお仕事の内容は?

ISO事務局の仕事を1年ほど担当しています。弊社では、ISO9001(品質マネジメントシステム)とISO14001(環境マネジメントシステム)を取得しています。環境マネジメントシステムでは、環境関連法令についてインターネットを利用して法令の文章を読んだり、環境影響評価の分析を行ったりすることがあります。その際、学生時代に講義を受けた環境関連の知識や環境統計学の知識が役立っています。またISOを取得している会社は、年に一度社内の業務についてチェック(内部監査)を行います。ISO事務局は、その結果を集約し社長へ報告し、業務の改善につなげるというPDCAサイクルを回す役目があります。具体的には、社長の方針や事故防止のためのルールを文書化したり社内の業務マニュアルを改訂したりしています。人に伝えることの難しさを感じながら、上司や先輩に指導していただき経験を積んでいます。

仕事をしていてやりがいを感じたことは?

イオンのお店で設備管理の仕事をしていた頃、2011年3月に東北大震災が発生し日本各地で大幅な節電が必要となりました。商業施設では天井の照明が大きなエネルギー消費源であるため、私たち設備管理員で天井照明(蛍光灯)の取り外しを行いました。イオンの天井は3m以上あるため、大きな作業台を使用して作業を行います。営業中に作業をしていると、お買いものに来られていたお客さまがじっとこちらを観察されており、作業中に「さすがイオン、対応が早いね。」とお言葉をいただきました。このとき私は、自分の仕事に大きな誇りを感じました。社会やお客さまの要求事項に対し、臨機応変に対応することがどんな仕事でも必要不可欠だと思います。

今後の目標は?

将来的には、イオングループ全体の環境・社会貢献活動に携わる仕事をしたいと考えています。イオンが新しいお店をオープンする前に行っている植樹やお子さまを対象とした体験ツアーの企画などに興味があります。そのためには現在のISO事務局の経験をさらに積んで知識を身につけるとともに、自己啓発の一環としてエネルギー管理士などの資格取得にも挑戦したいと考えています。
また個人的には今後出産や子育てが予想されるので、仕事と家庭の両立をすることもひとつの目標です。弊社には出産後も仕事を続けている女性の先輩が多くいるので、私も時短勤務等の制度を活用して仕事を続けていきたいと思っています。

最後に、理系死亡の女性に一言

立命館大学の理工学部は、あらゆる進路への対応が可能な学部だと思います。
今はまだ将来やりたいことがわからない方も、大学で様々な人と出会い、交流し、いろいろなことを経験していく中でビジョンがみえてくると思います。
この大学には、途中で進みたい方向が変わっても支援してくれる体制があります。
私はもともと立命館大学が第一志望ではありませんでしたが、卒業して社会に出て改めてこの大学を選んでよかったと感じています。みなさんが今一番興味をもっていることが学べるかどうかをポイントに、志望校の検討をしてみてはいかがでしょうか。