「月面フロンティアSX拠点」第2回進捗報告会を開催しました
2026年7月1日・2日、宇宙戦略基金SX研究開発拠点(共用型)「月面探査・利用を産業化するための宇宙機器開発・人材育成拠点(通称:月面フロンティアSX拠点)」の第2回進捗報告会を、連携機関である福島県会津大学の先端ICTラボにおいて開催しました。
本報告会は、本事業のプログラムオフィサー(PO)の角南篤氏(以下、角南PO)、JAXAゼネラルプロデューサー(GP)の佐々木宏氏(以下、佐々木GP)をはじめとするJAXA宇宙戦略基金関係者10名を迎え、代表機関である立命館大学および連携機関である東京大学、株式会社島津製作所、会津大学、岡山大学、慶應義塾大学、港湾空港技術研究所、横浜国立大学の研究者・企業関係者を含む総勢約40名が対面・オンラインで参加しました。本事業の研究開発の進捗状況を共有するとともに、今後の研究開発方針や拠点整備の方向性についても意見交換を行うことを目的として開催したものです。
会議では、研究代表者である立命館大学の佐伯和人教授による事業全体の説明に続き、各技術開発項目の進捗を確認しました。各研究グループからは、コアサンプラー、ボアホールプローブ、レゴリスTG-DTAなどの観測装置群に加え、レゴリス分析ラボ、ダスティチャンバー、模擬フィールド、月・火星面シミュレーションプラットフォームなどの共用研究基盤について、開発状況や今後の計画が示されました。
質疑応答では、角南POおよび佐々木GPから、各技術開発項目の進捗状況や技術的課題、ステージゲート評価に向けた考え方が示されるとともに、研究成果の社会実装や共用研究基盤の運用方針などについて活発な意見交換が行われました。また、本事業で開発を進めるコアサンプラー、ボアホールプローブ、レゴリスTG-DTAなどの探査・観測機器については、BBM(ブレッドボードモデル)レベルまで技術成熟を図り、その後の月・火星探査ミッションへの展開を見据えて開発を進める方針が共有されました。さらに、レゴリス分析設備やダスティチャンバーなどの共用研究基盤については、企業や研究機関による利用を想定し、利用環境の整備や情報公開を進めていく方針が示されました。
講評では、角南POから、研究開発が着実に進展していることへの評価とともに、本拠点が国際競争力を支える研究基盤として発展することへの期待が示されました。また、研究セキュリティや知的財産管理の重要性についても助言がありました。佐々木GPからは、月面探査分野におけるオールジャパン体制への期待に加え、大学・企業による探査ミッションへの参画につながる成果創出への期待が寄せられました。
あわせて、今回は、会津大学が本事業で整備を進めるレゴリス静電浮遊チャンバー(愛称:「箱庭チャンバ」)が一般公開されました。
本設備は、月・火星表面のレゴリス(砂塵)が静電気によって浮遊する環境を再現できる国内でも特色ある研究設備であり、参画機関および宇宙戦略基金関係者を対象に、概要説明と施設見学を実施しました。今後は、本設備を活用した宇宙機器の評価・実証試験や企業・研究機関との共同研究など、共用研究基盤としての活用が期待されています。
次回は、約半年後に定例進捗報告会を開催し、事業全体の進捗状況を共有する予定です。
進捗報告会の様子
レゴリス静電浮遊チャンバーの説明をする会津大学 出村教授
<本事業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による宇宙戦略基金の委託事業として実施しています。>