研究内容 Research

用途志向型の新構造モータに関する研究

アウターロータ型モータ

AGV用のダイレクトドライブモータや、ICT用ファンモータ、ドローンなど、比較的小型なモータでアウターロータは広く用いられています。ロータが磁石とフレームのみで構成され、集中巻構造が用いられます。オーバハング磁石を用いた高トルク化や、ステータを中心に新規構造を開発しています。



同期リラクタンスモータ

同期リラクタンスモータは、レアアースを用いないことから、コストメリットの大きいモータ方式です。一方、リラクタンストルクのみでトルクを発生させるため、パーミアンス分布に起因するトルクリップルや、トルク密度が設計課題となります。本研究室では、前述の設計課題を視野に高性能化を目指しています。


永久磁石モータ

自動車・家電等で広く用いられるモータ方式で、特に市場拡大が顕著な方式です。本研究室では、洗濯機・自動車・コンプレッサ・航空機など、多くの製品を対象に研究しています。また、企業との共同研究が多い研究テーマとなっています。



巻線界磁モータ

自動車をターゲットに、巻線界磁モータを研究しています。数ある可変磁束方式の中で、最も可変範囲の広いモータ方式で、高効率範囲を広くとれる高効率モータです。界磁巻線のみで磁束を作る方式や、磁石磁束も活用したハイブリッド界磁など、広い視点で巻線界磁モータの応用研究に取組んでいます。



多相モータ

極数切替や、冗長系を目的に多相モータの研究に取組んでいます。特に、故障時の特性維持に効果的な方式で、電動航空機への応用を視野とした研究に力を入れております。1-fail, 2-fail条件での特性を、数値解析・回路シミュレーション・実機検証を用いてモデル化・高性能化に取組んでいます。


AIや数値最適化を用いたモータ最適設計法の研究

トポロジー最適化

次世代の設計技術として、トポロジー最適化の研究に取組んでいます。本最適化法は、高い設計自由度で最適形状を模索でき、既存の知見に捉われない革新的な構造を獲得することができます。一方、その自由度から効率的な解探索に課題があり、こういった課題を解決する新たな最適化法の実現を目指いしています。


機械・深層学習

数値最適化と機械・深層学習は相性がよく、最適化計算の高速化に有効です。また、実機データドリブンの効率化にも効果があります。本研究室では、最適化との融合や、データ取得の効率化を目的に、機械・深層学習の研究に取組んでいます。


量子アニーリング

量子計算機は、様々な応用が期待される次世代の高性能計算機です。高い計算性能を持つ一方で、その応用については発展途上であり、モータ設計における有効性は未だ明らかになっていません。本研究室では、モータ設計の技術革新を狙い、量子計算機を用いた最適化法の研究に取組んでいます。


実験装置

試験ベンチ

本研究室では、設計から実験までの一気通貫をコンセプトにしています。考案したモータを最適化し、試作、負荷試験まで取組みます。写真のようなモータベンチが3式あり、学生が奪い合って負荷試験を実施しています。



試験備品

モータの測定に必要な計測器を一通り保有しており、波形を取得するオシロスコープ、効率測定のためのパワーメータ、定数測定のためのLCRメータ、温度計測に必要なデータロガーを主に使っています。また、負荷モータとしてサーボモータやスピンドルモータ、電力供給に必要な回生直流電源やインバータ、トルク計測に必要なトルクメータ、など充実した設備が揃っており、詳細な実機検証を実施することが可能です。