受賞したお気持ちをお聞かせください・・・・
本当に嬉しいです。長編映画を作るのは初めてだったのですが、精神的には沢山の人と組み上げる撮影よりも、膨大な映像素材を管理するためのワークフロー構築や、カット編集などポスプロ部分が孤独な作業でとても大変でした。また、今回は4年間の集大成という事で、モンタージュ理論やフラッシュカット、チャプター制など、様々な編集の技法を取り入れています。結果的にポスプロのプロの方から評価を頂けて、本当に報われたなと感じました。
作品に込めたメッセージについて・・・・
作品では嘘が見える主人公が人間不信に陥り、自分の中の正義感から攻撃的になってしまう描写が有ります。近年のSNSなどでも同様に、自分と異なる考えの人に対して一方的にレッテルを貼って攻撃してしまったり、勝手に断罪してしまったりという事例が沢山起きています。自分と違う意見を持つ人も尊重して、決して正義に溺れないようになって欲しい、という思いを、最後の10分間のエピローグに込めました。
後輩に向けたメッセージ・・・・
カッコいい映像やエモい映像がソフト・ハードの進歩で氾濫する時代になったと感じます。画のカッコよさやエモさを突き詰めていくのは楽しいし、自分もそういった映像は大好きです。でも、今だからこそシナリオや演技、カットのリズム、そもそも制作する意義など原始的な部分をもっと見つめて欲しいなと思います。「プロっぽい作品」「雰囲気はいい作品」「ただスケールがデカい作品」で終わらないように、その作品が膨大な映像作品の中でどう意味を持つのか、いっぱい悩んでください。(自分も今でも悩んでいます)
鏡を見ると相手の隠し事・嘘を文字として浮かび上がらせる力を持っている高校2年生、倉田廻麻(えま)。力を手にしてからというもの極度な人間不信となってしまった彼女は、ある日嘘をついた事が無い少女、正羅と出会う。正羅との交流を通して廻麻は少しずつ心を開いていくが…。
■会場:ユーロライブ(in渋谷)
■公式HP:http://tougakusai.jp
作品ページ:https://tougakusai.jp/33rd/program/fc/enmasan/
【一般社団法人 日本ポストプロダクション協会ホームページ】