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スポーツ健康科学部・立命館グローバルイノベーション研究機構 専門研究員(助教)の神崎真実さんが取り組まれた研究論文が、「日本サイエンスコミュニケーション協会誌」に実践報告として掲載されることが決定しました。

スポーツ健康科学部・立命館グローバルイノベーション研究機構 助教の神崎真実さんが、スポーツ健康科学部教授 山浦一保先生、立命館グローバルイノベーション研究機構 補助研究員 藤田泰煕さん、金沢大学 専任研究員 王天一さん、理工学研究科 博士後期課程 増田葉月さん、理工学部 教授 岡田志麻先生と共同で取り組まれた研究論文「『総合知』の共創:心の可視化技術に関するワークショップの成果と課題」が「日本サイエンスコミュニケーション協会誌」に研究報告として掲載されることが決定しました。

 

私たちのプロジェクトチームでは、顔画像をもとに頬部分の毛細血管の色情報を抽出し、自律神経状態を計測する非接触センサを開発しています。こうした技術開発にあたっては、心身相関に係る「自然科学の知」と、健康状態の可視化が私たちの社会や人間関係に及ぼす影響を検討する「人文社会科学の知」を融合して、両者の総合知を共創していくことが求められています。

 

本研究では、高校生と大学院生を対象としたワークショップを実施し、可視化技術に対する参加者の考えを探索的に明らかにし、そして結果をもとに参加者とどのようにして総合知を共創するのかを考察しました。ワークショップの前後でアンケートを実施・分析した結果、非接触センサに対する量的な評価はプレポストで差がみられませんでしたが、自由記述の内容には変化が見られました。自由記述には前向きな意見と後ろ向きの意見、拒否的な意見が見られ、拒否的な意見のうち一部は議論を通して生産的な意見へと変化することが示唆されました。参加者の意見をもとに、技術による<媒介ありきの問題点>と<媒介そのものの問題点>という観点を導入して、共創の方向性について考察を行いました。

 

神崎真実・山浦一保・藤田泰煕・王天一・増田葉月・岡田志麻(印刷中)『総合知』の共創:心の可視化技術に関するワークショップの成果と課題 日本サイエンスコミュニケーション協会誌12(1), 42-48.

(ニュース)20220609-1