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  • 松村 浩由教授
  • Hiroyoshi Matsumura
  • 生物工学科
  • 研究室構造生命科学研究室
  • 専門分野構造生命科学、酵素工学
  • 担当科目酵素工学、生命物理化学
    • 創薬
    • バイオテクノロジー
    • 環境浄化
Q1研究の内容を教えてください。

 光合成のしくみを調べることと、病原菌(MRSAなど)に効く薬の開発を行っています。この関係なさそうな二つに共通することは、タンパク質。例えば、植物では、11種類のタンパク質(酵素)が協力して光合成でCO2を吸収しています。それらタンパク質を細かく見て調べると、光合成を改良するために必要な情報が得られます。最近でも、光合成の進化の起源が古代地球に存在したメタン生成菌という細菌にあることがわかり、光合成改良のきっかけを掴みました(Nature commun. 2017, Yahoo!ニュースや産経ニュース)。
 また薬は、タンパク質にくっついてタンパク質の働きを抑えたり、促したりすることで効果を発揮します。薬のタンパク質へのくっつき方を見ることで、さらに効く薬を設計・開発できます。最近、病原菌に対する新しい薬の種を開発することができました(ACS Chem Biol 2017, 京都新聞)。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 「光合成」の研究は私が学生のときから続けているテーマです。光合成は調べれば調べるほど素晴らしいシステムですが、人類の活動による地球環境の悪化や食料問題を解決するために、人為的に改良する必要があります。何とか人類・地球に役に立てればというモチベーションで進めているテーマです。創薬のテーマは、たまたま2014年に私がある論文を発表したところから始まりました。発表からしばらくして、アメリカのラトガース大学の先生から「共同研究をしませんか?」というメールを頂き、共同研究が始まりました。最近、その共同研究で病原菌の新しい薬の種を作ることができ、その成果をまた論文として発表しました(ACS Chem Biol 2017, 京都新聞)。その論文を読んだ、他のアメリカのグループがまたメールで連絡してくれて、また違う共同研究もスタートしています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 私は高校・大学時代、ぼんやり将来への不安を持ちながら、体育会でテニスに没頭していました。成績も悪く、自分に何があっているか何をしたいのかがわからない。そうした中で大学4年生になって卒業研究をして、まぐれで実験がうまくいって先生に褒められて、少し有頂天になって、大学院に進みました。さらに研究が面白くなって、もしかして自分に研究があっているかもしれないと思うようになり(今から考えると勘違い)、運良く大学の先生になれました。その後、自分の研究をすすめつつ、異分野の先生達と一緒に新しい技術を開発してベンチャー会社を作ったり(文部科学大臣賞を受賞)、イギリスのケンブリッジに留学して異分野のバイオインフォマティクスを学んだりしました。あまり参考にはならないかもしれませんが、皆さんも周りと違うことを恐れず、自分の中にある壁を超えて、まず面白そうなことをやってみてはいかがでしょうか?