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  • 武田 陽一教授
  • Yoichi Takeda
  • 生物工学科
  • 研究室生体分子化学研究室
  • 専門分野糖鎖生物学、糖質化学
  • 担当科目生命有機化学、生体分子工学、有機化学実験
    • バイオテクノロジー
Q1研究の内容を教えてください。

 糖鎖が生体でどのような働きをしているかに興味をもって研究しています。糖鎖とは文字通り糖(砂糖の仲間)が鎖のようにつながった分子です。皆さんが日常栄養源としているデンプンもグルコースという糖がたくさんつながったものですし、甲殻類の外皮を構成しているキチンはN-アセチルグルコサミンという糖がつながったものです。一方で糖鎖はタンパク質の表面や脂質と結合しても存在しており、細胞同士のコミュニケーションやウイルスの感染に関わっています。このような糖鎖は生体には微量しかないためにその機能を調べることが困難です。そこで、この糖鎖を化学的に合成して、その機能を調べる研究をしています。分子を創ること、生物の仕組みを理解すること、両方の楽しみを味わっています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 今となっては記憶が曖昧ですが、中学生の時に利根川進博士がノーベル賞を受賞されたことで、漠然と分子生物学を研究することへの憧れを持っていたのかもしれません。大学では生物工学科で学びましたが、研究室配属では後に指導教員となる先生が他の先生とは少し違った雰囲気で、ちょっと面白そうという理由もあって、特に好きというわけでも得意というわけでもない有機化学の研究室を選びました。実験を始めてから初めて合成した化合物のNMRスペクトルを見たときに、自分で分子を創ったんだ!と妙に感動して以来、実験に明け暮れ、今に至っています。ですから、研究を始めてから研究に興味を持ったという方が正確なのかもしれません。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 私自身は高校では特にこれといって特徴のない生徒だったと思います。数学の成績が良くなかったので、3年生になるときに理系クラスに進むと言うと担任の先生に驚かれました。生命科学に対する興味はありましたが、特に強い意志で進路を選択してきたわけでは無く、ふらふらと興味の向くまま進んできて今に至っています。情報が溢れる現代では、皆さんの前にはさまざまな選択肢が示されており、高等学校におけるキャリア教育も盛んだと聞きます。しかし、選ぶことよりも選んだ後にどのように行動するかの方がずっと大事だと思います。理系の大学は高度な専門知識を学ぶ場ではありますが、学部・大学院での学びを通じて自分はどのような人間なのか、自分の可能性(と限界)はどこにあるのかということを知り、自分自身を成長させてほしいと思います。

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笠井 献一 著『科学者の卵たちに贈る言葉 -江上不二夫が伝えたかったこと-』