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  • 西 良太郎助教
  • Ryotaro Nishi
  • 生命医科学科
  • 研究室病態細胞生物学研究室
  • 専門分野分子生物学、放射線生物学
  • 担当科目生物科学1、微生物学実験、応用分析化学実験、分子生物学実験
    • ゲノム
    • 創薬
Q1研究の内容を教えてください。

 ゲノムDNAにコードされる遺伝情報を安定に維持することは生物の生命活動にとって欠かすことの出来ない基本的な事象です。しかしながら、ゲノムDNAは紫外線等の外的要因や活性酸素等の内的要因によって常に損傷(DNA損傷)を受ける危険に曝露されています。このようなDNA損傷による有害な現象を未然に防ぐ為に、生物はDNA修復機構によりDNA損傷をゲノムから除去しています。DNA修復機構の異常は遺伝性、あるいは散発性の癌の原因となることが知られており、この機構がゲノム恒常性の維持に非常に重要な役割を果たしていることは明らかです。我々はタンパク質翻訳後修飾の一種であるユビキチン化を通じて、DNA修復の中でも特に、放射線等によって発生するDNA二重鎖切断と呼ばれるDNA損傷の修復制御機構を解明することを目的としています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 薬学部の学部生時代は製薬会社への就職を希望していましたが、3回生の時に分子生物学の授業を受け当時の最先端の研究内容を紹介して頂き、その新しさや面白さに衝撃を受けたことが研究を志すきっかけになりました。その後、現在の研究分野とは異なる生命現象に興味を持っていたのですが、大学4回生の時に指導して頂いた先生の研究のレベルの高さに引かれ、現在の専門であるDNA修復研究の世界に入りました。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 私たちの体を秩序立て、日々の生命活動の根幹となっている情報はゲノムDNA上にコードされています。我々の研究は放射線等によりゲノムDNAが傷ついた時に細胞がどのように対応しているかを明らかにすることを目的としています。ところが、我々の体の中では、積極的にDNA二重鎖切断を生じる反応も生じており、この反応も生命の維持に重要な役割を果たしています。このことからも分かるように、生命現象はその一面だけを見ていても生命の全体像を正しく理解することは出来ません。高校、大学では多様な生命現象に興味を持つことが自分自身の視野を広げる上で非常に重要かと思います。

おすすめの書籍

小松 賢志 著『現代人のための放射線生物学』