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立命館大学 | Infostudents

2006年4月、立命館小学校の開校により、立命館に小学校から大学・大学院までの一貫教育システムが完成しました。そこで附属校や一貫教育の中で立命館が育成する人材像について、本郷真紹常務理事(初等中等教育担当)にお話をうかがいました。

本郷真紹 常務理事
(初等中等教育担当)

立命館小学校が開校しましたが、どのような教育を進めようと考えていますか。

「確かな学力」、「豊かな感性」、「国際的な感覚」、「倫理観の確立」が教育の柱になっています。この柱は小学校教育に特化したものではなく、中学・高校・大学、そして大学院まで一貫して求められています。中でも基軸になるのは「確かな学力」です。子どもたちに過剰な負担を強いるのではなく、むしろ自発的な学びとそれによる達成感を大切にしています。例えば10月に行なわれた漢字検定では、全ての児童が受験し合格しました。学年修了時の到達目標を、学年の途中で全員が達成したのは画期的なことです。体調不良で周りが休むように勧めたにも関わらず、「今まで頑張ってきたから受験したい」と言う児童もいたほどです。これからは、多感な時期を迎える子どもたちのどんな期待にも応えられるように、理想のみを掲げるのではなく、本物の学校づくりをしていかなければならないと感じています。

一貫教育での立命館小学校の意義について教えてください。

例えば小学校のアフタースクールでは、子どもたちがフラッグフットボールやチアリーディングなどに触れて楽しんでいます。彼らが進学してくる中学校や高等学校、そして大学でも、先ほどお話した自発的な学びや課外活動が継続できるよう保証する必要があります。学力も課外活動も同じで、今まで積み上げてきた意欲や到達度をそのまま受け継ぎ、違う次元でより高められる環境を整えないといけません。その意味でも、立命館小学校で挙げた一定の成果は、中学校や高等学校、大学の高度化の原動力となります。

小学校から大学までのつながりや一貫教育を通して、どのような人材を育成したいですか。

一貫教育のなかでは、今まで以上に学生相互の学び合いが大切になります。学生数の多い立命館大学では、友達、先輩、後輩など多くの人々から刺激を受けられることが大きなメリットです。今小学校で学んでいる子どもたちは、これから進学して新たな出会いや交流によって、人間としての成長を遂げることができます。中学校や高等学校、大学から新たに入ってくる学生と互いに切磋琢磨しながら様々な刺激を与え合い、人間として大きな成長を遂げられるのが理想だと思います。立命館は頭でっかちのエリートではなく、集団のリーダーとなれる人材の育成を目指しています。そのために常に反省と新たな検討を心がけ、ありとあらゆる資源を全て人間の成長に還元できるよう取り組んでいかなければならないと考えています。

これからますます深まるつながりの中で、立命館大学生に期待することは何ですか。

子どもたちにとって、先生だけでなく学校の枠を越えた先輩の姿勢を見て、立命人であることを誇りに思い、学ぶことがとても大切です。例えば立命館大学のオリターは、学生が自発的に正課をサポートしています。先輩と後輩の交流が重要な意味を持っていることは、学園の一つの特色として認識しています。APUの開学、大学コンソーシアム京都、アメリカン大学とのデュアルディグリープログラムなど、これまで様々な可能性を模索し今日の立命館の展開を生んできました。後輩に胸を張って「立命って面白いよ」と勧められる大学にするために、私たち大学側の人間も努力していきます。学生の皆さんにはこうした大学の取り組みを通して、より多くの人と交流を深め自信を持ってほしいですね。

 
 
取材・文 山元裕介(経営学部2回生)
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