■ 新しく生命科学部・薬学部2つの学部の設置を目指されていますが、その経緯を教えてください。
新学部は2008年の開設を目指し準備を進めていますが、実はこの構想は2004年から始まっていました。2004年から全国の教育機関を調査し、ライフサイエンスに関する学びが各分野において分散し、体系的に学べていない実状が多いことが分かりました。ライフサイエンス分野は多くの領域と関わりの多い分野です。急速に発展する科学技術に対応し、理工学部・情報理工学部を中心に教育・研究を進め、幅広い学びの土壌を培ってきた立命館大学であれば、この分野を体系付けて学ぶことができると考え、開設に向けて動き出すことになりました。
■ この2学部が開設されることにより、特にびわこ・くさつキャンパス(BKC)にどのような影響があるのでしょうか?
立命館大学ではBKC拡充移転を契機として、1994年理工学部に化学を基盤とした生物工学科(現在の化学生物工学科)を立ち上げました。また、2004年には情報理工学部の開設に伴い、生命情報学科を新設しており、理工学部の応用化学科を含めるとライフサイエンス系の展開において、すでに一定の基盤が存在します。これらに加えて新たに医学系・薬学系領域が加わることにより、これまで以上に迫力があり、より魅力的な教育・研究拠点が形成されると考えています。
■ 新学部の特徴を教えてください。
新学部の特徴は「融合型ライフサイエンス教育・研究」へのチャレンジということです。新学部では教学融合や産学融合を目指します。教学融合では、学科の枠を超えて幅広くライフサイエンスを学んでいくカリキュラムを構築していきます。また、文系・理系の学生の枠を超えて全ての人が知っておくべきライフサイエンスについての知識を、他学部で新学部の専門の先生が授業を行うなどが考えられます。産学融合では、企業の研究室を大学内に設けるなどして学生の教育に参加してもらい、企業マインドを学生に伝えてもらうといったことを考えています。
これまでにも、企業から共同研究への資金提供を受けるなどといったことは行われてきましたが、新学部ではさらに深く「連携」・「融合」することで、人的な繋がりを深めることを目標としているのです。こうした考え方は日本でも初めての試みなので、他大学のモデルとなり、一般化されるような取り組みとなれるよう努力していきたいですね。
■ いくつかの大学と協定を結ばれていますが、どのような取り組みをされるのですか?
現在、関西医科大学[リンク→ Headline News]と滋賀医科大学[リンク→ Ritsumeikan News]と学術に関する協定を締結しています。医師免許や医学博士号を持った教授を招くことで、教授間の新たな交流が生まれ、また学生同士が両大学を行き来して講義を受けることで、お互いに足りない分野を補い合うことができます。
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