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▼▼特別企画 箱根駅伝への道 後編▼▼

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  特別企画 箱根駅伝への道 後編
   “予選会の見どころ”
   “監督、コーチ、主将からのコメント”
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いよいよ「箱根駅伝」予選会の開催が来月14日(土)に迫ってきました。本学駅伝チームは、9月16日(土)に現地で試走会を行ってきました。「特別企画 箱根駅伝への道 後編」では、試走会を終えた山菅監督に予選会の見どころをお聞きしました。また、監督、コーチ、主将からの立命館CLUB読者のみなさんへのメッセージもご紹介します。

Q:箱根駅伝予選会はどのよう形式で開催されるのか教えてください。

箱根駅伝の予選会は東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地スタート-国営昭和記念公園内ゴールとするハーフマラソン(21.0975キロ)を各大学10人-12人の選手が走り、上位10人の合計タイムで競われます。例年、予選会の上位10校がお正月の箱根駅伝に出場できるのですが、今回は第100回の記念大会のため、上位13校が箱根駅伝に出場できます。

Q:予選会のコースについて教えてください。

予選会のコースには、大きく分けてスタート地点の立川駐屯地の飛行場、立川市街地、昭和記念公園の3つの特徴があります。まず、立川駐屯地ではスタートしてから広大な飛行場の滑走路を3周します。500名を超える選手が一斉にスタートしますので、転倒に気をつけながら、周囲のペースに惑わされずに早めに自分の設定ペースと同じペースの集団を見極めなければいけません。滑走路ですので、コースは平坦に見えますが、実は滑走路の南北で5メートルほどの高低差があるそうです。ちなみに、映画『シン・ゴジラ』を観た方は気付かれると思いますが、立川市の災害対策本部予備施設や立川駐屯地一帯は『シン・ゴジラ』のロケ地としても有名です。立川駐屯地と昭和記念公園を出た8kmあたりから市街地に入り、一般車道を走ります。レース前半でうまく位置取りできなかった選手は、市街地で設定しているタイムや順位に合わせるためにそれぞれの集団で動きがあります。ここで無駄にペースを上げ下げしてしまうと、後半にツケが回ってくるので注意が必要です。とは言え、慎重になりすぎて後方に位置取りすると、後半に追い上げられなくなるなど、レースの流れで難しい判断が求められます。市街地を約半周して昭和記念公園に入ります。公園内は細かなアップダウンが続くうえ、急な曲がり角があり、レース後半で選手達も疲労が溜まっているので、コースの変化にうまく対応できないと大幅にペースダウンしてしまう恐れがあります。ラスト400mは下りますので、選手たちは予選会通過に向けて、ゴールを目指して死に物狂いで公園内を駆け抜けます。上位で予選会を通過できる力のない大学の選手にとっては、昭和記念公園に入ってから、タイムや順位を落とさず、どれだけ踏ん張れるかが予選会通過の大きなポイントになります。

Q:予選会の雰囲気とはどんなものでしょうか。
以前、昭和記念公園で予選会を観戦したことがあります。どの大学も予選会通過を目標に必死で練習してきたので、スタート前は、選手やスタッフのピリピリした緊張感が伝わってきて、その緊張感で立川駐屯地が異様な空気に包まれていました。あの雰囲気の予選会で実力通りに力を発揮できる選手を最低10人揃えて出場するのは本当に難しいと感じました。箱根駅伝でシード校争いも注目される理由がよく分かります。500名を超える選手が一斉にスタートする様子は、まるで戦国時代の合戦の始まりのようで、迫力があります。また、レース終了後の結果発表は、1位から順に大学名が読み上げられ、出場大学の選手、スタッフ、関係者、一般の観客がみんなドキドキしながら結果を聞きます。一か所に集まる人数が多すぎて、スマホのインターネットが繋がらないほどでした。箱根駅伝予選会は、大学の一部活動の大会ではなく、大学のプライドを賭けて戦う大会という感じがしました。本学では硬式野球部の立同戦やアメフト部のの関学戦など、代表的な対校戦がありますが、それらとはまた違った対校戦の景色だと思います。

Q:立命館大学が予選通過するためのポイントを教えてください。
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これまでハーフマラソンを主戦場にしてこなかった本学が予選会を通過するためには、競う相手を間違えないことが大事だと思います。過去5年間の結果を見てみると、1位の大学の一人当たりの平均タイムは1時間3分30秒です。これは本学のエースよりも早いタイムで、正直に言って1年間厳しいトレーニングに励んだとしても、全員が到達するには相当難しい水準でしょう。これが10位の大学だと1時間4分38秒、11位の大学で1時間4分41秒、13位の大学で1時間4分55秒・・・と本学の選手達も頑張れば手が届きそうなタイムに近づいてきます。個人成績を見ても、各大学の上位選手は確かに強いのですが、下位順位で通過した大学の6番目以降の選手の成績は、関東地区以外の大学の選手でも十分通用するレベルです。予選会の上位の成績だけを見ると「関東はレベルが高くて箱根駅伝出場なんて不可能」と思いたくなりますが、過去の成績をよくよく見れば、本学が予選会で競うべきポジションが見えてきます。とは言え、それは他の大学にも同様のことが言える上、関東の大学の競技レベルの高さと選手層の厚さを考えると、厳しい挑戦であることには変わりありません。しかし、他大学の選手のレベルや各大学がどれだけ強化に取り組んできたかなど、自分たちでコントロールできないことを考えていても仕方ありません。本学としては、どの辺りを自分たちの通過ラインとするかを明確にし、予選会に向けて準備してきた自分たちの力を出し切ることが予選通過のポイントと考えています。

Q:最後に、山菅監督、田中コーチ、北辻駅伝主将から一言抱負をお聞かせください。
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山菅監督
学生達と共にお正月の国民的行事の箱根駅伝に挑戦できることにワクワクしています。学生、校友、教職員の皆様といつもと違う2024年のお正月を過ごすことを願って、全力を尽くして21.0975キロを駆け抜けたいと思います。ALL立命館で、完全アウェイで走る学生達の背中を押していただきたく、応援とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

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田中コーチ
いよいよ、3月にチャレンジを決めた箱根駅伝予選会が近づいて参りました。チームは現在、予選会通過に向けて練習に励んでおります。今までにないチャレンジであり、試行錯誤の連続ではありますが、日に日に力を付けてきている選手たちに手応えを感じております。1回きりのチャレンジ、予選会通過の可能性がある限り、チーム全員でできる限りの準備をして参りますので、応援よろしくお願い致します。

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北辻駅伝主将
これまで出場資格のなかった箱根駅伝に挑戦できることを嬉しく思っています。この挑戦に向けて積み重ねてきた練習の成果を全て出し切ります。予選会では、チーム一丸となって箱根駅伝出場を目指しますので、応援よろしくお願いします。

rclub/imge20230922 d_int18
共に箱根へ!!!
https://www.ritsumei.ac.jp/features/hakone100/


▼▼研究者インタビュー▼▼

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  研究者インタビュー
   「大谷選手の打球はなぜあんなに飛ぶのか?」バッティングを科学の目で解き明かす
  スポーツ健康科学部 堀内 元 特任助教
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大谷翔平選手の打球はなぜあんなに飛ぶのか?何がすごいのか?そんな素朴な疑問から実現した今回の企画です。なんと立命館には、野球のバッティングについて科学的に研究されている先生がいらっしゃいます。今回の研究者インタビューではその先生、スポーツ健康科学部・特任助教の堀内元氏にお話を伺いました。

Q.ちょうど、このインタビューを行うタイミングで大谷選手が怪我をされてしまいました。
本当に残念です。私自身も打者の負傷に言及する論文(Sports Biomech., Horiuchi and Nakashima 2022)※1を執筆したことがありますが、やはりバットのスイングスピードが大きい選手ほど怪我のリスクが高いという結果でした。特に投手側の脇腹は負傷を起こしやすい部位です。とにかく、しっかり治していただいて、来シーズン以降の復活を祈りたいと思います。

Q.先生のご経歴をお願いします。
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愛知県名古屋市出身で、中京大学体育学部(現・スポーツ科学部)、中京大学大学院体育学研究科(現・スポーツ科学研究科)に進学をしました。修士課程を修了後、某スポーツメーカーに就職しましたが、研究への未練が経ち切れず、博士課程に進学し直したという経緯があります。周りの人々10人中11人(笑)から反対されましたが、反対を押し切りました。博士号を取得してすぐ、本当に運よく関西大学人間健康学部に特任体育講師として着任、今年度から立命館大学のスポーツ健康科学部で特任助教を務めています。

Q.先生の研究内容をご説明いただけますでしょうか?
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私の研究では、モーションキャプチャーという人や物体の動きを3次元的に記録する機器を使って野球のバッティング動作を記録します。同時に、フォースプレートという各足で地面を蹴る力の大きさと向きを精緻に測定します。そして、これらのデータを用いて野球のバッティングについてスポーツバイオメカニクスの観点から分析します。特に、バットヘッドの加速メカニズムの解明、バットのスイングスピードに関連する体力的・技術的特徴や力の発揮の探索が主な着眼点です。その中でも地面を蹴る力が重要だと考えています。指導現場でもよく言われると思いますが、これがどのように重要なのか、どうすればいいのかということに現在、興味があります。また、身体を流れるエネルギーを定量化することで、バットのスイングスピードを高めるための動作であったり、力の発揮であったり、あるいはこういう体力が必要だということを指導現場に還元していくための知見の獲得が、私の研究テーマでありモチベーションです。簡単に言えば、第二、第三の大谷選手を輩出できるように頑張っています。

Q.すごくシンプルな質問ですが、打球速度を上げるにはバットスピードが速いほうがいいのでしょうか?そして、話題の大谷選手のバットスピードはどれほど凄いのでしょうか?
rclub/imge20230921 d_int06
ボールに対するバットの速度の向きが重要にはなりますが、ほぼ直衝突できているのであれば、スイングスピードが大きければ打球スピードは大きくなります。今回のインタビューをお受けするに当たって、大谷選手のスイングスピードを試算してみたのですが、計算が間違っているのでは?と思うほど凄かったです。そもそも、先行研究(Strength & conditioning journal, 笠原ほか 2012)の結果から、野球のバッティングにおけるバットのスイングスピードは、体格に依存することが分かっています。体重や筋量が大きければ、筋力(握力・背筋力)が強ければスイングスピードは大きいです。日本のプロ野球に登録されている全選手の身長と体重を抽出してみました。横軸が体重、縦軸が身長です。一般成人と同じくらいの体格のプロ野球選手もいるのですが、NPBの平均値は青い丸ですので、一般成人と比較して、プロ野球選手の身長は181cmと10cm高く、体重は85kgと15kg重い。やはり、一般成人に対してプロ野球選手は大柄です。その中でも、赤い丸が大谷選手ですが、プロ野球選手の中でも非常に優れた体格をしています。まず、体格的なポテンシャルがそもそも高いということです。体格が優れているとバットのスイングスピードが大きいという上記の論文の結果から、体重からバットのスイングスピードを推定すると、時速142kmでした。ただ、これはあくまで体重のみから推定されたスイングスピードですので、私の研究結果(未発表資料)からもバットのスイングスピードを試算してみました。今春に開催されたWBCで大谷選手が東京ドームで自身が広告塔を務める看板に打球を直撃させた特大ホームランがありましたが、※2この時の打球スピードが時速183kmだったと公開されています。この打球スピードからスイングスピードを逆算してみると、なんとスイングスピードは時速178kmでした。昨年ドラフト指名された選手を輩出している某大学硬式野球部のスイングスピードの平均値が時速約130kmです。大谷選手は日本の大学トップレベルのチームの平均値を約50km/hもオーバーしたスイングスピードであのホームランをスタンドへ叩き込んでいるんです。他のプロ野球選手に「もう野球辞めたくなった」と言わせる所以ですね。

Q.体格がいいほどスイングスピードが速い、ポテンシャルがあるということですが、体格がそれほどでもない人を含め、スイングスピードを上げていくにはどうすれば良いのでしょうか?
rclub/imge20230921 d_int011
この図は、野球のバッティング動作中に各関節で生成あるいは吸収されるエネルギーを示したものです。左右の下肢関節(足関節・膝関節・股関節)で生み出されるエネルギーが大きく、特に捕手側では股関節で生み出されるエネルギーが圧倒的に大きいです。指導現場でも「下半身を使って打ちなさい」とよく言われますが、実際に分析してみても、左右の下肢3関節で生成されるエネルギーは大きいということが確認できています。
体幹については、生み出すエネルギーは大きいですが、吸収も結構大きいです。野球のバッティングは、腰が先行して回り、胸郭がそのまま捻じれていきます。その時にエネルギーが大きく吸収されます。この吸収されたエネルギーを体幹がねじり戻される際に、そっくりそのまま生成し直す過程を経るので、体幹のねじりの大きい・小さい、速い・遅いはあまりスイングスピードの大きさとは関係がありません。そのため、野球のバッティングにおける体幹は、下肢で生成したエネルギーをただただ上肢へ伝達する役割を果たしているということが、私の研究で明らかになっています。ですから、野球のバッティングにおいて、バットのスイングスピードの大きさを決定するキーポイントの1つはやはり下半身なんです。
現場的な視点でこの事を考えると、ホームランバッターは下半身が大きいですよね。打球を飛ばすうえで身体の変化に伴って、「こんなトレーニングが良さそうだぞ」という成功体験からトレーニングを繰り返した結果、その適用として大きな下半身を獲得しているのだと思います。また、エネルギーの生成に関係する筋がどこなのかをスポーツバイオメカニクスの分析から推定することができます。分析の結果、下肢関節の中でも、特に左右の股関節で生成されるエネルギーが大きいことが分かりました。ピッチャー側では股関節を屈曲、内転させる力発揮によるエネルギーの生成が大きいです。そのため、膝を上げる、そして内側にしぼる、サッカーのボールを蹴るような力発揮です。つまり投手側では、内転筋群、大腿四頭筋などの筋力がエネルギーの生成に関わっていることが推察されます。
キャッチャー側は股関節を伸展させる力発揮によるエネルギーの生成が大きいです。そのため、今度はお尻側に脚を蹴るような力発揮です。つまり大殿筋、ハムストリング系の筋力がエネルギーの生成に非常に重要といえます。プロ野球のホームランバッターを観察すると、太もも・お尻周りが大きいですよね?その意味でも現場のホームランバッター、パワーヒッターの体格と分析の結果からバッティング動作中に大きなエネルギーを生成するうえで重要であると考えられる筋群はある程度リンクしてくるものがあります。大谷選手は太もも・お尻周りに集中的に効果のあるデッドリフトというトレーニングで225kgを軽々と上げる様子を自身のSNSに投稿しています。(※3)これは、アメフト・ラグビーなどの格闘系球技のトップ選手と同等のレベルです!ですから、もともと身長、体重の大きい人が、先ほど言ったような筋群を効果的にトレーニングして鍛えているというのは、体格というポテンシャルに加えて、理にかなったトレーニングを実施しているということになります。才能のある人が努力すると、こうなれる、すなわち、大谷選手は、本当に『王道』にすごいわけなんです。
あとは、まだ研究が端緒についたばかりなのですが、跳躍能力とスイングスピードの相関関係を調べ始めています。ポイントは力の立ち上がり速度です。短い時間でどれくらい大きな力を下肢で発揮できるかという点で、この点についても大谷選手は非常に優れていることが推察されます。
rclub/imge20230921 d_int04 
Q.有難うございました。ご自身のご研究のフィードバックということで、今年度からは某プロ野球球団ともコラボレーションをされると伺いました。

そうですね、その予定です。また、せっかくこうやって立命館大学にお世話になっているので、大学、附属校の野球部ともコミュニケーションをとって、是非私の研究成果をうまく活用してもらえればと思っています。
そして、大谷選手については、そのホームランが、本当に毎日・毎朝、多くの日本のファンに明るい希望を与えてくれていると思いますので、手術・リハビリが成功し、また元気な姿を我々の前に見せてもらいたいなと思います。
rclub/imge20230921 d_int02
※1 当該論文のリンクは以下です。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/14763141.2022.2071328

※2 特大ホームラン映像!!(Prime Video プライムビデオ X 旧twitterより)
https://x.com/PrimeVideo_JP/status/1634862046729650177?s=20

※3 225KGデッドリフト!!(大谷翔平選手Instagramより)
https://www.instagram.com/p/CBjqKILJzwz/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==

堀内先生の情報は以下となります。是非ご覧ください。
○立命館大学 研究者学術情報データベース
https://research-db.ritsumei.ac.jp/rithp/k03/resid/S002652
○researchmap
https://researchmap.jp/gen_horiuchi


▼▼輝く学生インタビュー▼▼


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  第214回 輝く学生インタビュー
    映像を通じて、自分の想いを伝えられる映画監督を目指して
        映像学部4回生 田湯亜蓮さん
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このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている学生や団体を紹介します。
今回は、女性として女性の思うところを表現できる映画監督を目指して日夜奮闘する、映像学部4回生 田湯亜蓮さんにお話を伺いました。田湯さんは、ひたち映画祭で茨城新聞社長賞を受賞されるなど目覚ましい活躍を見せられています。
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Q.先日、ひたち映画祭の茨城新聞社長賞を受賞された作品「あいを紡ぐ手」について、その内容を教えてください。
15分の短編映画で、親子の愛を描きたいなと思ってつくり始めました。ファッションデザイナーになりたかったけれども、事情が有ってその夢を諦めた主人公と、ファッションデザイン学校の恩師、主人公の娘、3人が登場人物なんですが、その中で親子の愛を描いた「ほっこり」ストーリーです。この作品にはゼミの課題として取り組んでいて、ヘアメイクなどのスタッフは全て映像学部の学生です。この作品について脚本は友人に書いてもらい、演出・演技構成、指導は私が行いました。

Q.映像学部に入学したきっかけ、映像学部での学びを教えてください。
私は立命館慶祥高校からの学内推薦での進学なのですが、高校2年生くらいから映像学部に行きたいなと考えていました。幼少時から舞台やミュージカル、そして映画が好きで、漠然と芸術系の道に進みたいなと思っていました。いざ真剣に進路を検討する際に学部一覧を見てみると映像学部があったので、「これは私にピッタリだ」と進学を決意しました。
実際に映像学部に入学してみると、映像制作について本当に基礎から映像を学べるだけでなく、映像制作に留まらず幅広く一般教養も学べるので、社会に出るために必要な基礎を習得出来る場だとも感じています。学友については、やっぱり変な人(笑)、いや、個性豊かな人たちが多いです。他の学部だったら、たまたま受験で合格したからこの学部に来たという人が一定数は居ると思いますが、映像学部の学生は、例えば高校時代の放送部経験者が、映像に対する造詣を深めたいと思って進学したり等、かなり自分の興味関心、そして進路について絞り込んで進学してきている人が多いように思います。
映像制作については、特に2回生の時に履修した「映画制作論」という科目が印象に残っています。この科目は、作品をマルマル一つ作る授業なんですが、映画監督の松岡錠司さんに指導いただきながら、監督として25分の短編映画をつくったんです。この授業で実際に活躍されている映画監督の方にご指導いただいたことが、私の中でのターニングポイントになっていて、今では、映像制作、監督の道を本気で目指す気持ちになっています。
苦労談としては、私達は、まさにコロナ禍真っ只中の世代で、実際に大学に入学してからもしばらくはずっと北海道の実家にいて、1回生の秋学期になってはじめて京都にやってきました。実際に作品を作る際にも多くの撮影場所で様々な制限が掛かってしまい、なかなか思う通りにはいきませんでした。

Q.少し時間を戻しますが、立命館慶祥高校時代の思い出は如何でしょうか?
立命館慶祥はすごく国際的な高校で、希望をすれば多くの海外研修に参加して異文化の価値観を知ることができます。実際に私は、ニュージーランドとロシアのサハリン、アフリカのボツワナでの海外研修に参加しました。ニュージーランドには3週間、サハリンは数日間、ボツワナは約1週間行ってきました。例えばボツワナはアフリカ南部にある国で、国のほとんどが国立公園といっても過言ではないサバンナなんですが、そこで実際にキャンプをして、自然保護、動物との共生などを学ぶことが出来ました。高校生の間に、こういった様々な経験をしたことが、何かを人に伝えたいという今の気持ちに繋がっているかもしれません。

Q.卒業後、本気で映像制作・監督を目指すという事ですが、映画製作を通じてどのようなことを伝えたいと考えていますか?将来像も含めてお聞かせください。
やはり、作品を見ていただいた人に、色々考えてもらいたいなということが一番強い願いなので、私にとって映画撮影は目的ではなく手段です。伝えたい内容はその都度変わっています。これまでに三つの作品の監督をしていますが、すべての作品で主人公は全部女性で、自分が女性だからこそ女性の主人公を描けると思っているので、根底の考え方としては、女性を勇気づける、元気づけられる作品をつくりたいなと思っています。近い考え方と言ってはおこがましいのですが、グレタ・ガーウィグさんというアメリカの女性監督がいらっしゃいます。その方は、女性の社会的自立につながるような、自信を持つことが出来るメッセージを発信する作品を多く撮られている方です。将来的には、グレタさんをアイコンに、自分自身やその作品に携わる人々からの強い想いを、作品を見ていただいた方に伝えることのできる映画監督になりたいと考えています。
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▼▼校友の皆様へのお知らせ▼▼


今年の校友の集いは、これまで3年間行ってきた「オンライン企画」とあわせて、校友と大学をつなぐ架け橋として、来年開設30周年を迎えるびわこ・くさつキャンパス(BKC)で4年ぶりに対面開催します。
BKCウェルカムデー(地域・企業・行政・学生が一体となったイベント)と共同開催する新しい「校友の集い」を体感してみませんか?

オンライン企画:10月27日(金)、28日(土)、29日(日)
対面企画:11月4日(土)びわこ・くさつキャンパス *BKCウェルカムデーとの共同開催

また、後輩の学生へ「自らの可能性をひろげ、積極的にチャレンジしてほしい」との思いから、皆様よりいただいた寄付を原資に学生を支援しています。
「オール立命館校友の集い2023」の開催にあわせ、校友会未来人財育成基金の特別募集を行っていますので、学生へのご支援を是非ご検討ください。


▼第248号読者プレゼント▼

今回は、「オリジナルボールペン2本組」を3名様にプレゼントします。
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プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします。

 <応募締切:10/23(月)>

【パソコンの方はコチラ】
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-oekcs-56c4828b83b7298508e5197dc24b61ce

【携帯電話の方はコチラ】
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-oekbt-021bc76cab8b8dee6fb681ad47bb33dc

 ※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、
  立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。

 応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
 応募必要事項
 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: 
 (3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
 (5)プレゼント発表時の氏名公開:可  否
  (否の場合はイニシャルで表記いたします。
   ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)

▼第247号読プレ当選発表▼
多数のご応募ありがとうございました。247号の読者プレゼント(オリジナルクリアファイル)の当選者発表です。
プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。

・こうくんさん(京都府)・ねこさん(大阪府)・かじかさん(大阪府)

次回のご応募もお待ちしています。

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次回の配信は第4金曜日の10月27日(金)です。お楽しみに。
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